モンスター誕生(プレイ日記)


【第27回】 ザラダンの要求

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 11/11
 体力点 … 17/19
 運点 …… 8/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ、青い茎の草(49)、幸運の薬(運点原点まで回復する)、《真実の指輪(ダーガの話を聞いたら50を引いた番号へ)》

〔199〜〕
 ザラダンは目を大きく見開き、身を前に乗り出した。すると鏡の表面からザラダンの頭が飛び出してきたではないか! この魔法の鏡は、まるで裏の壁まで水を湛(たた)えたプールのようだ。
「そう、今私の言ったことこそが真相だ。おまえには十分な褒美を用意してある。だが、その前に半オークの背負い袋をよこすんだ!」
 グロッグの背負い袋? 私はグロッグの背負い袋の中の物は一切使っていないが、私の手に入れた色々な品物を入れたときに、グロッグの背負い袋の中身を見たことがある。確か細々とした日用品と小さな箱、それから幸運の薬が入っていただけだ。小さな箱? そう言えば、それと似たような箱の中に入ったフラスコが2つあったな。2つあったフラスコの一つのお蔭で私に理性が生まれ、もう一つのお蔭で私は言葉が理解できるようになったのだ。この箱にも同じようなものが入っているに違いない。ザラダン・マーは手を伸ばし、鏡の中から出てきた。
「ヴァラスカ・ルーは失敗した。ガレーキープを用いても、エルフの村を見つけることができなかった。となれば“魔術の煙”に頼るしかない。しかし“煙”が生き物にどんな影響を及ぼすかは不明だった。だからこそおまえに“理性の煙”と“言葉の煙”の力が与えられたのだ。その2つは私にとって何の興味もないからな。だが“魔術の煙”をおまえに渡すわけにはいかん。私こそが、エルフの魔術を役立てることができる。さあ、半オークの背負い袋をよこすんだ。」
 ということは、ザラダンは私を実験台にしたというわけか。ますます信用できなくなった。
「よこせ!」
 バ〜カ。誰がよこすか。おまえにやるくらいならばガレーキープの窓から投げ捨てるわ。私はザラダンに渡すのを拒んだ。ザラダンは、私の態度に驚き、目を丸くした。そして、怒りに顔を歪め、叫んだ。
「なぜだ! 私がおまえを創ったのだぞ! その私に逆らうつもりか? おまえを創り出すことに比べれば、おまえを殺すことなど何の造作もないことだ。」
 創ってくれって、こっちが頼んだわけではない。そっちが勝手に創ったんだろうが。勝手に創って、自分の気に入らないから勝手に殺すって、身勝手なことこの上ない。近年、子供の虐待死が相次いでいると聞くが、そんなものは昔からあったのだ。ただ、昔は今ほど騒がれなかっただけだ。
「よかろう、おまえにこの世の地獄を見せてやる!」
 ザラダンは頭を後ろに引っ込め、私を指差して何か呪文を呟き始めた。
「おまえの全身の関節を逆向きに曲げてやる。そして、見えない短剣で胸を刻んでやる。これに耐えられた奴は誰一人としていないからな。」
 やがて、ザラダンが呪文を唱え終えた。だが、何も起こらない。
「なぜだ。なぜ効かぬ……そうか、おまえはエルフの粉を浴びたんだな。ペチャクチャ獣の誘いに乗らなかったわけだ。あの役立たずのハニカスめ! まだあのエルフの粉を封じていなかったのか!」
 そう、こいつはハニカスにもひどい仕打ちをしたのだ。ハニカスが役立たずではなくて、おまえがハニカスに役立たずの烙印を押しただけだろうが。しかも、めくらましの呪いまでかけて。
「ところで、おまえは何が不満なんだ? 金か? それとも食べ物か? その袋を渡しさえすれば、一生遊んで暮らせるだけの富を約束するぞ。どうだ?」
 おまえの人を人とも思わない尊大で傲慢な態度が不満なんだよ。私はザラダンの言葉に耳を貸さなかった。こいつの悪事はドリーの三姉妹から聞いているし、そうでなくてもここでのやりとりで絶対にこいつを信用してはならないことは火を見るよりも明らかだ。こいつを倒さなくては。だが、直接ザラダンを攻撃することはできない。となれば、この鏡を壊すしかないだろう。
「愚か者め、私の鏡を壊すことは不可能だ。次元と次元の継ぎ目がそう簡単に破壊できるとでも思ったのか! そんなことで壊れたら、私の安全はどうなる? 悪天候のときなどな。」
 ザラダンの言う通り、この鏡を“普通の方法”で壊すことは不可能だろう。“普通の方法”では。だが、私は普通ではない方法を得ていた。「どんなものにも弱点はある。こればかりは例外なしだ。」とはウィザードリィ4に出てくるムロンの言葉だが、まさにその通りだ。ホークウィンドにはディンク、大将にはスパイ、ドラキュラには銀の十字架、スランクには四つ葉のクローバールルイエの深きものどもには五芒星形の石、そしてザラダンの鏡には水晶の棍棒だ。水晶の棍棒こそが、この鏡にとって唯一かつ致命的な弱点なのだ!
 私は、グロッグの背負い袋から水晶の棍棒を取り出した。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 11/11
 体力点 … 17/19
 運点 …… 8/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ、青い茎の草(49)、幸運の薬(運点原点まで回復する)、《真実の指輪(ダーガの話を聞いたら50を引いた番号へ)》
 (Save Number:417→28)

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2022/11/27


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