モンスター誕生(プレイ日記)


【第28回】 門の破壊

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 11/11
 体力点 … 17/19
 運点 …… 8/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ、青い茎の草(49)、幸運の薬(運点原点まで回復する)、《真実の指輪(ダーガの話を聞いたら50を引いた番号へ)》

〔28〜〕
 ザラダンは、私の取り出したものを見た瞬間、青ざめた。それまで自信満々の表情が初めて崩れた。先程の魔法が効かなかったことは意外なだけだったが、それは致命的な打撃ではなかった。しかし、水晶の棍棒だけは流石のザラダンも狼狽せざるを得なかった。
「そうか、そんなものまで持っていたのか。飽くまでも創造者たる私に逆らおうと言うのか……。そう急がなくてもよいだろう。どうだね、我々で将来について話し合おうじゃないか。君の望むものは全て手に入るようになるんだよ。」
 ザラダンの口調がいつの間にか変わっていた。全て自分の思い通りに操れると思っていたモンスターによって、今や自分が破滅寸前にまで追い詰められているのだ。ザラダンは話を続けた。
「君と私が組めば、アランシアに怖いものはなくなる。アランシア全土を征服できるんだ。富が欲しければ、いくらでも取ればいい。権力が欲しいなら、西アランシアを君に差し上げよう。」
 ザラダンの声は恐怖に震えていた。だが、私は躊躇することなく、水晶の棍棒をザラダンの鏡に叩きつけようと降りかざした。
「まだ分からないのか?」
 ザラダンは、切り札とも思える言葉を放った。
「じゃあ、これはどうだ! 考えてもみろ。私を殺したらおまえは一生その姿のままだぞ! そんな化け物の姿で暮らしていくつもりか? おまえは、おまえの同族である人間に憎まれ、嫌われ、狩りたてられることになるのだぞ!」
 私の動きが止まった。ザラダンが死ねば、私は元の姿には戻れない。社会の敵として文明社会から追放されたままだ。それはその通りだろう。しかし、そもそもマランハというのは元に戻せる性質のものなのだろうか? ザラダンを倒さなかったところで、私が元の姿に戻れるという保証はどこにもない。ザラダン・マーを信じることなどとてもできはしない。そのとき、ザラダンの顔に笑いが浮かんだ。ザラダンが消えていこうとしている! ただ単に時間を稼ごうとしていただけなのだ! 私は一生このままの姿でもいい。おまえだけは絶対に倒してやる!
 私の目が狭まり、歯が軋んだ。低い唸り声をあげ、私は即座に水晶の棍棒をザラダンの鏡に叩きつけた。
 ガッシャーーン!
 部屋中に、否、ガレーキープ中に響き渡るほどの音がして、鏡は水晶の棍棒とともに粉々に砕け散った。ザラダンが何か叫んでいたようだが、それすら鏡の割れる音にかき消されたようだ。ザラダンの住む地獄とのつながりは切れたのだ。これでザラダンは二度とこの世に戻っては来られないだろう。
 ついに私はザラダン・マーを倒したのだ。

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2022/11/28


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