暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【第23回】 ダゴン秘密教団への侵入

〔STATUS(現在の値/原点)〕
 生命力 … 27/27
 気力 … 16/17
 知性 … 25
 経験 … 5
 狂気 … 1
 所持金 … 0ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2、石笛、五芒星形の石
 メモ … 緊急脱出の呪文は『イア! イア! ハスター! ハスター・クフアヤク・ブルグトム・ブグトラグルン・ブルグトム アイ! アイ! ハスター!』
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)、A浜辺で射殺される(517)

〔433〜〕
 会館の前に行くと、黒ずくめの男が1人立っていて、片手を差し出した。ああ、そうか。多分これのことだろう。私は咄嗟に奇妙な魚をかたどったペンダントを見せる。男は頷き、ドアを開けてくれた。侵入成功だ! だが、私は緊張しきっている。顔が見えたら変装がばれてしまう。慎重に行動しなくては。会館の中には大勢の者が詰めかけていた。全員黒ずくめで、頭を頭巾ですっぽり隠している。壁には身の毛もよだつような彫刻が施され、正面には蛸のような生物の精密な像があった。この像は以前<悪魔の暗礁>で見たことがあるぞ。
 見ると、中央の床に地下へ通じる階段があって、みんなはその石段を下りていっている。私もそれに倣って石段を下りる。悪臭の漂う石段は螺旋を描きながら、果てしなく地底へと続いていった。漸く一番下まで下りると、鼻をつく腐臭とともに、潮の匂いが嗅ぎ取れた。地下は広大な洞窟になっていて、蒼白い光に照らされている。
 長い列に加わって歩き、広大な洞窟から狭い通路に入って、少し曲がったかと思うと第二の洞窟が現れ、そこでは不気味な緑がかった炎が吹きあがっていた。銅粉でも燃やしているのか?
 まさに地獄の暗黒界だった。前方には黒い水がひたひたと寄せる岸がある。この洞窟は海に通じているのだ。
 みんなはこの洞窟で立ち止まった。洞窟には今来た通路の他にも、いくつかの通路があった。前の方には、僧服を纏(まと)った男が3人立っている。<輝くトラペゾヘドロン>はどこにあるのだろうか。
 そのとき、2人の若者が縄で縛られ、連れて来られた。マイケルとジェシーではないか。マーシュ精錬所のストーカーどもに捕まってしまったのだ。助けなければ生贄にされてしまう。それにしても、シュリュズベリィ博士はどこにいるのだろうか。私1人の力ではマイケルとジェシーを助けることなどできるはずもない。私はできるだけ前の方に近づく。
 しばらくすると、2隻のボートがやってきた。ボートに乗っている者が誰もいないのに、ボートは着実に近づいている。
 普通なら、生贄はマーシュ精錬所からボートで<悪魔の暗礁>に連れて行かれるが、マイケルとジェシーはこのあたりで捕まえられたため、人目につかぬようここからボートに乗せられるのだろう。
 やがてボートが岸に着き、黒々とした海水が盛り上がったかと思うと、あの無尾両棲類、ルルイエの深きものどもが岸に上がってきた。ボートはルルイエの深きものどもに曳かれていたのだ。
 ルルイエの深きものどもは、3人の<星の智慧派>の者とダゴン秘密教団の黒服を纏った者1人を従え、横手の通路の方へ行く。それが合図だったかのように、ダゴン秘密教団の者が全員、大きな輪を作ってマイケルとジェシーを取り囲んだ。
 これから<輝くトラペゾヘドロン>が持って来られるのだろう。洞窟の中に不気味な音が響き始めた。巨大なものが地底を歩いているような音だ。私が叔父の家で耳にした音に似ている。ダゴン秘密教団の者たちは、祈りのようなものを唱え出した。
 なるほど、<輝くトラペゾヘドロン>がここに運ばれたときがマイケルとジェシーの最期というわけか。ならば急がねばならぬ。私はルルイエの深きものどもの入った通路に向かった。奴らは陸では動きが鈍いから、今から尾行しても追いつくだろう。見つからないようにすれば大丈夫だ。
 その通路はやけに曲がりくねっていて、奴らの姿は見えない。しばらく進むと、通路がふたてに分かれた。右か左か左か右か。…よし、だ。右へしばらく進むと、通路の途中の右側に木製の扉があった。奴らはこの中に入ったのだろうか。この扉には鍵がかかっている。インスマス面の男が持っていた鉄の鍵を鍵穴に差し込んだが、鍵は合わなかった。何の物音もしないところからすると、奴らはこの中に入ったわけではないのだろう。私は先を急ぐことにする。
 通路を進むと、誰かが唸っているような声が聞こえてきた。人間の声ではない。ルルイエの深きものどもの声に間違いなかった。この通路を進んでよかったのだ。近づいてみると、鍾乳石と石筍にびっしりと覆われた小さな洞窟が現れた。こっそり覗き込んでみると、洞窟の奥でルルイエの深きものどもが、ダゴン秘密教団の者と<星の智慧派>の者を前にして、金属製の箱を恭(うやうや)しく持っている。まさか、あれは……
 <星の智慧派>の者は箱を手渡されると、深く頭を下げて蓋を開いた。一瞬、虹色の光が煌(きら)めいた後、ふたはすぐに閉じられた。間違いない、あれこそが<輝くトラペゾヘドロン>だ! だが、喜んでばかりもいられない。なぜなら、連中がこちらへ引き返してくるからだ。
 そのとき、持っている五芒星形の石が光り始めた。<輝くトラペゾヘドロン>に反応しているのだろうか。向こうも何かに気づいたらしく、ルルイエの深きものどもが身をよじって恐ろしいうなりをあげた。聞いているだけで神経がずたずたに引き裂かれてしまいそうな、悪魔めいたうなりだった。気力ポイントを1減らし、狂気ポイントを2増やす。何度聞いてもこのうなり声は恐ろしい。だが、1つ分かったことがある。ルルイエの深きものどもにとって五芒星形の石とは、ドラキュラにとって十字架のようなものらしい。ルルイエの深きものどもは五芒星形の石に触れることは無論、近づくことさえも出来ないのだ。今のうなりが苦痛を意味するならば、こちらにもまだ勝算はあるぞ。
「五芒星形の石を持っている者が近くにいるんだ!」
 ダゴン秘密教団の者が叫ぶと同時に、3人の<星の智慧派>の者を従え、こちらに走ってきた。叫び声を耳にしたのか、私がやってきた通路からも足音が聞こえる。どうやら走ってくる者は1人だけのようだ。こっちの方が闘いやすいだろうな。よし、通路を引き返そう。1人だけなら何とかなる
 通路を引き返すと、案の定、黒ずくめの男がこちらに走ってきた。ダゴン秘密教団の者に違いない。先手必勝! 私は黒ずくめの男に躍りかかった。見事黒ずくめの男の左頬にパンチが決まる。男はその衝撃で洞窟の床にひっくり返った。すかさずその上に馬乗りになる。
「おい、間違えるんじゃない。わしじゃよ、シュリュズベリィじゃ。」
 この声は間違いなくシュリュズベリィ博士の声だ。私は慌てて博士から飛びのいた。そして、殴ったことを謝る。
「博士! 知らぬこととは言え、どうもすみませんでした。お怪我はありませんか?」
「痛みはもう感じない体になっておるから大丈夫じゃ。」
「そう言えば、そんなことも以前おっしゃっていましたね。」
「おっと、話は後じゃ。今は敵と向かうことが先じゃ。」
 シュリュズベリィ博士と出会えてほっとした私の前に、連中が現れた。博士がいるだけで勇気が湧いてくる。同じ状況でも、心理的な状態で良くも悪くもなるのだ。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 生命力 … 27/27
 気力 … 15/17
 知性 … 25
 経験 … 5
 狂気 … 
 所持金 … 0ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2、石笛、五芒星形の石
 メモ … 緊急脱出の呪文は『イア! イア! ハスター! ハスター・クフアヤク・ブルグトム・ブグトラグルン・ブルグトム アイ! アイ! ハスター!』
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)、A浜辺で射殺される(517)
 (Save Number:357→176)

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2016/12/01


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