甦る妖術使い(プレイ日記)


【第25回】 月岩山地を越えて

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 8/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119、戦闘用ハンマーは金貨35
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、古い巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角

〔28〜〕
 夜が明けて朝になっても、空の色はいつになく灰色である。昨夜洞窟に着いたときは暗かったからあまりわからなかったが、洞窟の外に出てみると、まわりの草が全て枯れ、樹木は焦げて黒ずんでいる。
「裂け目は近いようじゃ。何か異様な臭いがする。」
「ああ、私の鼻でもわかる。」
 ボーリーとシャムが言う。そして、シャムが再び口を開く。
「こっちだ。」
 シャムを先頭に、山の上に向かって歩き始める。と、そのとき。
「ちょっと待て!」
 ボーリーが叫んだ。
「ローブを纏った人影が洞窟の方に近づいて来るぞ!」
 ボーリーが気づいたということは、その人影は重要人物に違いない。一応会うだけ会ってみよう。私たちは、その人影が近づくのを待つ。じきに、その人影が黄色いローブに身を包んだ小柄な老人だということがわかる。彼は完全に禿げており、盲目のようであったが、ねじ曲がった棒で地面を突っつきながら洞窟に向かって素早く進んでくる。近づく彼を見てみると、そのローブは奇妙な印で覆われている。そして、突然彼は立ち止まるが、何も言わないでじっと立っている。もしかすると、イアンの使いかもしれない。私は彼に話しかけることにするが……この危険な土地では、たとえ相手が盲目であろうと気を許すわけにはいかない。私は老人と少し距離を保ったまま、彼に話しかける。
「すみません。あなたはどちらへ行かれるのですか?」
 すると、彼は落ち着いた声で答える。
「古い友人の、治癒師のところへ赴くのです。彼は月岩山地に住んでいます。ところで、あなたはなぜここにいらっしゃるのですか?」
 今度は老人が尋ねてくる。と、シャムの姿が視界に入る。そう言えば、シャムとの出会いも問いかけから始まった。あのときは、正直に言ったからシャムも正直に答えてくれた。だから、今度も正直に答えよう。
「実は、私たちは妖術使いラザックを討伐に行くところです。」
 老人は微笑み、満足そうにうなずく。
「あなた方が行おうとしていることは、まことに途方もない任務ですぞ。もし、できることなら私も手伝いましょう。私は昔、言語と印の読み手として少しは名も知られておりましたが、呪うべきアズール卿に、ポートブラックサンドの地下牢で、この目をえぐり出されてしまったのです。」
 アズールと言えば、ポートブラックサンドを治める男だ。確か、残忍無比な男と聞く。目をえぐり出すなど、ある意味死ぬより辛いことに違いない。
「魔法使いニコデマスが私の放免を図ってくれましたが、もはや私の技術はほとんど使えなくなってしまいました。それでも、あなたたちが理解できない書き物を持っていて、私に読んで聞かせることができるなら、喜んでお手伝いしますよ。」
 我々が理解できない書き物……そう言えば、古い巻物ならば持っているぞ。確か、丘の巨人が持っていたもので、そのときは何が書いてあるのか理解できず、全く読めない代物だったからとりあえず背負い袋の中に入れておいたが。今こそ取り出すべきときだ。私は羊皮紙の文字を読み上げようとするが、うまく発音できない。
「シャム、悪いが読んでくれないか?」
「いいよ。<批判屋>、羊皮紙を貸して。」
 シャムが最後まで読み終えても、老人は黙ったままでいる。もしかして、忌まわしき呪いの文句だったのでは……。しばらくして彼は満足気にうなずきながらしゃべり始める。
「ふむ。あなたは非常に有益な品を見つけましたね。その言葉はハマカイ語です。ハマカイとは――あなたが興味を覚えた場合のために付け加えますが――より魔法の存在が大きかった時代の最後の生き残りです。彼らの少数がいまだに荒れ果てた砂漠に住んでいます。彼らはしなびた体とハゲタカの頭を持つ奇妙な生き物で、太古の呪文により、通常の寿命をはるかに超えて生きています。彼らは自分たちを学者とみなし、ほとんど闘争には関与しないため防禦用の魔法に関心を持っているのです。そして、あなたがここに持っているのは、魔法で呼び出された動物や昆虫に対する魔法の防壁です。本当に有益ですよ。呪文を起動させるためにはハマカイと言い、羊皮紙の下にある数を口に出せばよいのです。さて、私はもう行かねばなりません。あなたがたに幸運を。さようなら。」
 私は老人に感謝の言葉を述べる。
「ありがとうございます。何とお礼を申し上げればよいのか。言葉が見つかりません。」
「いえいえ、ラザックを討伐することを祈っています。」
 私は老人が機敏に歩きながら先へ進むのを数分間見守る。そして、シャムの方を向くと…彼の顔は興奮に満ちている。ハマカイ語に興味を持ったのだろう。ラザックを討伐した後、ハマカイ語についてヤズトロモから聞けばいい。
「行こう、<批判屋>、ボーリー。」
 彼の足取りは今まで以上に熱心だった。
 30分後、私たちは戦士の鬨の声と鋼鉄がぶつかり合う音が、丘の崖のはずれから聞こえてくるのを耳にする。何だろう? 音のする方を調べてみよう。丘の上へ来てみると、そこでは驚くべき光景が繰り広げられている。3人の野生の女エルフたちが、傷つき、ひざまずいて剣1本でほとんど絶望的な防戦をしている冒険者を攻め立てているのである。エルフの歯は鑢(やすり)で磨いたように鋭く、その爪も長くて尖っている。そして体には何やら模様のようなものが描かれている。彼女達は石で埋め込んだ棍棒とナイフで、男に容赦ない攻撃を続けている。女3人とは言え、集団で1人の男に暴行を加えるのを見過ごすことはできない。これが、性別が逆の状況だったら、真っ先に助けるだろう。それと同じだ。有無を言わず、助けに行く。シャムとボーリーも同じ考えであることは言うまでもなかった。1人につき1匹ずつの野生のエルフを受け持つことにする。
 〔女エルフ〕  技術点  7  体力点  6
 〔批判屋〕   技術点 12  体力点 16

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔女エルフ〕7+10=17 < 23=12+11〔批判屋〕○ ⇒ 〔女エルフ〕体力点−2=4
[2R] ×〔女エルフ〕7+=14 < 20=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔女エルフ〕体力点−2=2
[3R] ×〔女エルフ〕7+=11 < 17=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔女エルフ〕体力点−2=0
 野生のエルフは単なる野蛮人に過ぎなかった。シャムとボーリーもほぼ同じタイミングで倒す。ボーリーが腕に切り傷を負っているようだが、特に問題ないようだ。しかし、冒険者は腹に無残に突き立てられた短剣により、死に近づいている。男が口を開く。
「あなた方の中で、どなたかラザックの剣を持ってはいまいか?」
「私が持っています。」
 彼は弱弱しくも微笑みながら言う。
「ならば、私の使命は果たされたわけだ。ヤズトロモから伝言があります。ラザックを倒したら、即座に石棺の間から出なければなりません。さもないと、死が訪れるでしょう。これで、私の思い残すことはない…」
 彼は、私がお礼を言うより先に息絶える。
「勇敢な冒険者よ、ありがとう。あなたの言葉、確と受け取った。ラザックは必ず倒す。安らかに眠ってください。」
 はるか遠方においてさえもヤズトロモが救けてくれていることを知った私は、新たな決意に満ちて、再び力強く進み始める。そして、黒ずんだ山を約1時間ほど歩き、私たちはついに目的地に到達する。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 8/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119、戦闘用ハンマーは金貨35枚、ラザックを倒したら、即座に石棺の間から出なければならない
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪ハマカイ語の巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角
 (Save Number:162)

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2018/09/28


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