甦る妖術使い(プレイ日記)


【第26回】 敵地への潜伏

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 8/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119、戦闘用ハンマーは金貨35枚、ラザックを倒したら、即座に石棺の間から出なければならない
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、ハマカイ語の巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角

〔162〜〕
 谷の底に、巨大な傷口のように横たわっている裂け目は腐敗した蒸気をあたりにまき散らしている。私たちは用心しながら裂け目のぎざぎざの端に足を踏み出し、割れた口の中をのぞき込む。片側の端から黒い闇の中に階段が下っているが、その他に見るべきものはほとんどない。どうしようか? すぐさま階段を下ろうか? いや、それはあまりにも危険すぎるだろう。しばらく様子を見よう。もしかすると、ラザックの従者が現れるかもしれない。1時間ほど後、その裂け目から黒いボロボロのローブを着て黒い杖を持ち、フードを被った人影が出てくる。人影は辺りをぐるりと見まわす。よく見てみると、その頭が骸骨で、不気味に輝く赤い目をしているぞ。
「どうした、<批判屋>?」
 シャムとボーリーが尋ねる。
「奴は魔奴隷だ。片づけてくる。」
 そう言い置くと、ラザックの剣に手をかける。魔奴隷は何も危険はないとみたのか、そこに跪(ひざまず)き、何か呪文を唱えて礼拝を始める。私は剣を抜くと、ここぞとばかりに斬りかかる。ところが、魔奴隷は全く恐れもせず、こっちの一撃をいとも簡単に素手で受け流してしまう。なんという力だろう。その呪われし力に一瞬恐怖を感じる。
 〔魔奴隷〕   技術点  8  体力点  7
 〔批判屋〕   技術点 12  体力点 16

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔魔奴隷〕8+10=18 < 19=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔魔奴隷〕体力点−2=5
[2R] ×〔魔奴隷〕8+=15 < 19=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔魔奴隷〕体力点−2=→?
 2回連続で打撃を与えた瞬間、魔奴隷の目から赤い輝きが消えた。そして、飾ってある鎧が崩れるかの如く、魔奴隷の体はその場に崩れ落ち、ただの骨と化していく。どうやら魔奴隷を動かしていた呪文が破れたようだ。むしろ、この方が魔奴隷にとってはありがたかったに違いない。私は魔奴隷が来ていたローブを剥ぎ取り、それを着込む。
「どうだ、魔奴隷になっただろう。」
 私はふざけてローブを着たままシャムに近寄る。
「わっ、寄るな。さもないと、お前に矢を打ち込むぞ。」
「おいおい、ちょっと待て。」
「ははは、冗談だよ。」
「お前さんはそれでいいとしてだ。儂らはどうするのかね?」
 ボーリーが尋ねる。
「そうだな、できるだけ敵の注意を惹かないために、私1人で行った方が良いだろう。もともと私は1人でこの任務を果たすつもりだった。」
「そんな、危ないよ、<批判屋>。」
「儂らも一緒にいこう。」
 案の定、2人に反対された。だが、私は切り返す。
「シャム、ボーリー、2人ともその姿で行って何になる。みすみす自分たちが侵入者であることを敵に知らせるだけじゃないか。それに、さっきの魔奴隷以外に誰も人影が見えないのも何か気になるんだ。もしかすると、この裂け目は一度に1人ずつしか通れないようになっているんじゃないかなあ。」
「…………」
「確かに<批判屋>の言う通りじゃな。変装がなければ一緒に行っても何の助けにもならん。」
「じゃあ、こうしよう。僕とボーリーはここで3時間ほど待つ。もし<批判屋>がそれまでに戻ってこなければ、僕たちも<批判屋>の後を追うことにしよう。いいね、ボーリー。」
「うむ。」
「シャム、ボーリー、2人ともありがとう。君たちには本当にお世話になった。」
 私は、シャムとボーリーと固い握手を交わす。
「気をつけて行けよ!」
 シャムとボーリーの激励を背に、私は1人暗い裂け目の深みへと下っていく……。
 下って行くにつれてだんだん強くなる不快な臭気が吐き気を催させるが、私は構わず先へ進み続ける。やがて、目と鼻がそれぞれ暗闇と不快な臭気に慣れてくる。裂け目の底に達したとき、不快な臭気の理由を目にする。そこには、金属を溶かしたかのような、濃い真っ赤な液体が入った石の碗があり、蒸気がそこから立ち昇っているのが見てとれる。そこからは熱は感じられず、ただ嫌な臭いがするだけである。そしてその池の近くには水がたまった石の池がある。もしかすると、この水を石の碗に注げば蒸気を止められる……って、そんなわけないだろうが。恐らく、この赤い液体は何かの強酸だろう。強酸を水で薄める際は、必ず水に酸を入れる形でなければならない。酸に水を入れてしまうと、化学反応熱が発生し、その熱が水の沸点を超えてしまうと、水が水蒸気になり、その水蒸気が酸を押しのけて結果的に噴水ならぬ“噴酸”になってしまう。有名なのは濃硫酸だ。尤も、硫酸は初めから不快な臭いはしないの(無臭)だが……。
 ともかく、こんな不愉快な場所に長居は無用だ。早くラザックの石棺の間とやらを探そう。野蛮な女エルフどもに惨殺された冒険者の志を無にしないためにも、私はラザックを討伐しなくてはならない。私は裂け目の底を歩き回り、何とか通り抜けられるぐらいの幅の割れ目が壁にあるのを見つける。しかし、もっと楽に通れる道はないのかな? そう思い、探してみると……あったぞ。裂け目の反対側の壁からはレバーのようなものが突き出していた。だが待てよ……。考えてみると、本拠地にしては警備が手薄過ぎはしないか? 私が今着ている変装道具の元の持ち主も、たった一体でしか現れなかった。もしかすると、ラザックはこの辺を1度に1人ずつしか通れないようにしているのではないだろうか。それならば、警備も少なくて済む。レバーを引いた瞬間に床が抜けました、とか、レバーを引いた瞬間に警報が鳴り出しました、とか、イアンの罠ならばあり得る話だ。レバーには手を触れず、割れ目を押し進むことにする。
 押したり引いたりしながら割れ目をどうにかくぐり抜ける。魔奴隷の服が少し擦り切れた他は何も起こらなかった。シャムならまだしも、ボーリーはこの割れ目をくぐり抜けるのは相当きついだろうなあ。おっと、こんなことボーリーに言ったら怒鳴られてしまう。
 二本の黒い蝋燭が淡い光を放っていた。もう不快な臭いはしなくなったが、その代わりこのあたりは凄まじく寒い。冷気が魔奴隷のローブの隙間から入ってくる。反対側の壁にある狭い通路が部屋から出ており、床にはネジで留められたわなの扉がある。わなの扉に耳を当ててみると、下から何かが嗅ぎ回る音がするのを耳にする。どうしようか? わなの扉を……って、ちょっと待てィ。今なんて言った? わなの扉だと? おいおいおいおいおい……。イアンよ、それはないだろうが。なぜわざわざ「罠」の扉を開ける必要がある? こんなの罠しかないに決まっているだろうが。ここでネジを取り外したら、それは単なる間抜けになってしまうわ。ということで、無視!
 狭い通路を下ると、30メートル先で、洞窟は次の部屋につながっている。その床には、鈍器によってつぶされたかのように見える髑髏が散らかっている。部屋の一方には、しっかりと鋲打ちされ締め切られた重たい鋼鉄の扉がある。
 ドン! ドン!
 近づいてみると、扉から鈍い音がする。部屋の反対側には、まわりに魔人と大蛇が彫り込まれたアーチ状の洞窟が見える。
 扉を鋲打ちしなくてはならないってことは、それだけ恐ろしい魔物がいるってことでしょ? ならば、ここもパス。先へ進むことにする。何だかお化け屋敷に来ているみたい。ジパングのお化け屋敷と言えば、富●急ハイ●ンドが怖いと言われているが、ラザックのお化け屋敷は入った人を殺しにかかる分、性質(たち)が悪い。尤も、こっちはその性質の悪い輩を滅ぼしに来たんだけれどもね。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 8/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119、戦闘用ハンマーは金貨35枚、ラザックを倒したら、即座に石棺の間から出なければならない
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、ハマカイ語の巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角
 (Save Number:297→264)

← 【第25回】へ | 【第27回】へ →


2018/10/08


直前のページに戻る

『甦る妖術使い』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。