甦る妖術使い(プレイ日記)


【第23回】 伝説との対決

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 9/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、古い巻物(66)、ブロンズの鍵

〔56〜〕
「ガーガンティスだ!」
 三人同時に声を発した。異口同音とはこのことを言うのだろう。と、ガーガンティスの足元に比較的新しいと思われる骨と骨に付着している血を見た。
「もしかして……ドラガーたちの死体は、こいつが食っちまったんじゃ……」
 ボーリーの顔が恐怖に青ざめている。
「まあ、そりゃ、ガーガンティスだってごはん食べないといけないだろう……。」
 努めて平静を装ってはいるものの、シャムの声も震えていることは疑いようもなかった。
 ふと、ガーガンティスがこちらに首を傾ける。ガーガンティスはよく目が見えないようだったが私たちがいることはわかるらしく、爪の生えた巨大な手を私たちの方へ伸ばしてくる。
 私たちは慌ててガーガンティスの手が届かないところまで通路を戻る。ガーガンティスも穴の底からは上がって来られないだろう。これで幾分か時間稼ぎができる。
「ついにガーガンティスと戦う時が来たようだ。シャム、ボーリー。私はガーガンティスのいる泥濘に降りる。君たちはその間に矢を射かけてガーガンティスの注意をそらしてもらいたい。矢を射るのはシャムで、タイミングを計るのはボーリーだ。頼んだよ。」
「わかった。」
「ふむ。」
 作戦が決まると、私は剣を鞘から抜き放ち、もう一度その岩棚に歩み寄る。ガーガンティスは恐るべき声で吼え、私に向かって手を振り回してくる。と、そのとき、カメレオナイトの血が煌めいた。私の体にあらたな防禦のための変化をもたらす。私の肌の色は穴の泥濘と同じような暗緑色に変色し、ガーガンティスは私のことが見えなくなってしまう。無論、それはシャムとボ−リーにとっても同じだ。
「あれ、<批判屋>の姿が見えないぞ? どこへ行ったんだ?」
「いや、ガーガンティスがあてずっぽうに攻撃しているということは、多分<批判屋>はいるのじゃろう。シャム、今のうちに矢を放つんじゃ。」
「よし、わかった。」
 ボーリーの合図とともにシャムがガーガンティスめがけて矢を放つ。シャムの弓の腕は百発百中だ。見事にガーガンティスの腹に矢が突き刺さる。

ギエエエェェェ〜〜〜ッ!!

 ガーガンティスの厚い皮膚にちょっと矢が刺さっただけなのに、この叫び声は大げさ過ぎないか? しかし、これこそがガーガンティスの真の恐ろしさだった。ガーガンティスの防衛本能が動いたらしく、内分泌腺から強力な精神エネルギー波が放たれる。こんなものを浴びたら一瞬で気が狂ってしまう。と、そのとき、正気の水晶が煌めいた。ガーガンティスの精神エネルギー波が正気の水晶に吸い込まれていく。正気の水晶が熱くなっているところを見ると、ガーガンティスの精神攻撃がいかに恐ろしいものかは火を見るよりも明らかだ。シャムとボーリーは…と、岩棚の方に目を向ける。どうやら大丈夫そうだ。
 さて、反撃開始だ。と言っても、こんな巨体を相手にまともに戦っても勝てないだろう。何か役立つ品はないものだろうか…。候補として挙げられているのは3つだ。銀の鏡(持っていたが盗まれた)、銀の杖(持っている)、ネズミの髑髏(!)(持っていない)。確かに、アランシアにあるものは、魔法の力を持っているものもあればただのものであることもある。もし、巨大なガーガンティスがほんの小さなネズミの骸骨で倒されるとしたら、やはりそれは不思議なことであるにはちがいない。まるで、無敵のホークウィンドが雑魚のディンクに一撃で屠られる、あるいは軍人将棋の大将がスパイに討たれるかの如く(わけのわからない喩えだ…)。まあ、意外な品物がガーガンティスに効果があればいいのだが、ここは銀の杖でしょう。よし、この杖で…。
「<批判屋>よ、もし汝が杖の両端を持っているのなら、杖がどんなもので、どうやって使うのかを知っているはずだ。」
 天からイアンの問いが聞こえてきた。何だ、偉そうに。言われなくても今から麻痺の杖を使おうとしていたところだろうが。
「よろしい。だがな<批判屋>よ、その杖は二つ以上の生き物に効果を与えることができぬのじゃ。もし汝がガーガンティスに杖を使いたいなら、以前汝が効果を与えた生き物を解き放つ必要があるのじゃ。汝は何を麻痺させたかを憶えておるか?」
 これは知らなった。イアンめ、どうしても杖を使わせない気だな。だが、私は憶えているぞ。確か ウサギ だ。これでいいだろう。
 杖を握りながら、私は頭の中で凍りついた生き物を想像する。そして、私は杖をガーガンティスに向ける。その巨大な爪を持った手は、そのまま私をつかむため降りてくる。ガーガンティスがあまりにも巨大で効果がなかったか、あるいは解放するべき生き物を間違えたか…。しかし、ガーガンティスの手が私の顔まであと1pというところで突然ピタリと止まる。杖がガーガンティスに作用したのだ。フー、危ない危ない。一方、解放された生き物は何百qも離れたどこかで止まっていたことなど気づかずに、再び跳ね、動き出し、草の中を走り続ける。シャムとボーリーは歓声をあげる。
「シャム、悪いけれどガーガンティスの角を取って来てくれないか? ラザック討伐に必要なんだ。」
「OK……って<批判屋>、君は一体どこにいるんだ?」
 と、だんだんカメレオナイトの血の効果が薄れてくる。
「シャム、ボーリー、実は私はカメレオナイトの血を塗ったことがあるんだ。その血は、必要なときに背後の風景と同化して姿を消すという効果があったらしい。もうその必要はなくなったから私の姿も見えてきているんだろう。」
「なるほど、そういうことだったのか…ともかく、ガーガンティスの角を切り取ってくるよ。」
 シャムはナイフを口に咥え、ガーガンティスの向こう脛から背に身体をつたわらせる。そして頭まで登り、角を切る。鮮やかな手並みだ。シャムは右手にガーガンティスの角を握りしめながら左手を勝利の喜びとともに振り上げる。そして彼はガーガンティスから滑り降り、伝説の角を私に手渡す。
「ありがとう、シャム。」
 私はひとしきり驚嘆し、そしてこの角をベルトに挟む。この角を手に入れるためにどれほどのことがあっただろうか。ふと、私の脳裡に瀕死の鉱夫と骨の守り人のことが過(よぎ)った……。
「さあ、行こう。こんなところに長居は無用だ。」
 岩棚に戻った私たちは、来た道を引き返す。骸骨戦士像の前を通りぬけても氷幽霊は現れなかった。運だめしをする。DD=8≦9でと出ました(運点:9→)。通路を引き返した際、幸いにも何者にも遭遇することなく、洞窟の外に出ることができた。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … /12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、古い巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角
 (Save Number:54→279)

← 【第22回】へ | 【第24回】へ →


2018/08/31


直前のページに戻る

『甦る妖術使い』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。