甦る妖術使い(プレイ日記)


【第21回】 洞窟内に潜む危険

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 10/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、古い巻物(66)、ブロンズの鍵

〔222〜〕
 左の通路は下っており、30メートルおきに壁にかけられた髑髏の上の蝋燭が朧げな光を放っている。持っている松明が周りを照らしているが、通路の遠く下ったところまでは見えない。ここでを行う。D=と出ました。私はいきなりシャムに背中を強く押された。そのはずみで前へつんのめる。
「うわっ! どうしたんだ、シャム。」
 私が後ろを振り向いた。と、私の目に飛び込んできたのはシャムの姿ではなく、床に落ちたゼリー状の塊だった。
「鉄喰いだ!」
 私が思わず叫ぶ。鉄喰いはその名の通り、鉄、とりわけ鍛えられた鉄――鋼鉄を好んで食べることからその名がついた。人畜無害な生き物だが、身を守る鎧を溶かされてはたまったものではない。
「シャム、ありがとう。」
「何、礼には及ばないよ。」
 私たちは通路を歩き続ける。と、蝋燭が上につけられたヘルメットが壁に掛けられている。他の蝋燭置きは全て髑髏なのに、なぜ1つだけヘルメットなんだ? 私は訝(いぶか)しがる。それはさておき、かぶってみようか? …と、私は魔人の林での出来事を思い出した(第6回参照)。このヘルメットも何だか不気味な雰囲気がする。かぶるのはやめよう。そのまま歩き続ける。しかし、あのヘルメットは何だったんだろう。ぼんやりしていて、目の前にある小石を見落としていた。運だめしをする。DD=3≦10でと出ました(運点:10→)。私は知らず知らずのうちに小石を跨(また)ぎ、それが罠であることも知らずに先へ進んで行く。ツキというものはこういうところで自然に使ってしまうものだ。
 先の方から、岩の床の上で車輪を転がすような、ごろごろという音が聞こえてくる。そして次第に、骨がいっぱい積まれた荷車を押してくる“人影”が見えてくる。飽くまでも“人影”だ。近づいていくうちに、それが筋肉質の体と長い爪を持った醜い生き物で、その牙のような歯が生えた口からはよだれが流れている。
「洞窟トロールだ!」
 思わず私は叫んでしまった。その叫び声によって向こうもこちらに気づいてしまった。トロールはこちらを見て荷車から手を放すと、棍棒を振り上げてこちらへ向かって進んでくる。どうやら洞窟トロールはシャムとボーリーにはお構いなしで、私だけを狙ってくるようだ。シャムとボーリーも一緒に戦ってくれるので、こちらは3回攻撃することができる。
 〔洞窟トロール〕 技術点  8  体力点  9
 〔批判屋〕   技術点 12  体力点 16
 〔シャム〕   技術点 10
 〔ボーリー〕   技術点  9

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔洞窟トロール〕8+=14 < 19=12+〔批判屋〕○
   ×〔洞窟トロール〕14<17=10+〔シャム〕○
   ×〔洞窟トロール〕14<17=9+〔ボーリー〕○ ⇒ 〔洞窟トロール〕体力点−6=3
[2R] ×〔洞窟トロール〕8+=16 < 22=12+10〔批判屋〕○
   ×〔洞窟トロール〕16<17=10+〔シャム〕○
   △〔洞窟トロール〕16>15=9+〔ボーリー〕△ ⇒ 〔洞窟トロール〕体力点−4=0
 なんと、わずか2ラウンドで勝負がついてしまった。ちょっとかわいそうな気もするが、こちらはアランシア全土の運命がかかっている身だ。ふりかかる火の粉は払わねばならぬ。トロールの死体を調べてみると、トロールの着ていた服の中に押し込まれていた小さな木箱を見つける。何だろう? イアンのことだから、こういうところに重要アイテムを忍ばせている可能性があるぞ。というわけで、木箱を開けましょう……次の瞬間、私は自分の選択が誤っていたことを思い知ることになる。箱はトロールの飼っていた毒蜘蛛――タランチュラの住処であった。私が箱を開けるや否や、蜘蛛は逃げ出して私の腕を這い上がっていく。急いで蜘蛛を叩き落とそうとする。ここでDDを行う。DD=≦12(技術点)と出ました。私は腕から蜘蛛を払い落とし、足で踏みつぶす。そりゃあ蜘蛛に噛まれればスパイ○ーマンになれるかもしれないが、今はそんな特殊能力を授かるまで待ってはいられない。
「チッ、バカトロール!」
 頭を振りながらボーリーが悪態をつく。
「毒蜘蛛をペットに持つなんてバカはトロールぐらいのもんだ。あいつの荷車の中にはガラガラ蛇でも飼っているんじゃないのか?」
 確かにその通りかもしれない。だが、今の毒蜘蛛の件で心の準備はできている。……そうだ、荷車をひっくり返せばいいんだ。そうすれば、ガラガラ蛇どもはみんな潰れてしまうだろう。私はいつでも後ろに飛び退けるように構えながら、トロールの荷車をひっくり返した
「せーの、よいしょ!」
ドシーン!! かなり大きな音とともに荷車は粉々になった。ばらばらになった荷車を検める。荷車の中の骨の一番底に、毒蜘蛛が入っていた箱よりもずっと大きな箱が見つかる。さっきのこともあるからな。私はできるだけ箱から遠のき、ラザックの剣先で箱を慎重に開けた。蓋を開けると同時に後ろへ飛び退く。しかし、その必要はなかった。蛇も蠍も、そして毒蜘蛛もいなかった。箱の中にはトロールの大好物であるワルソー・ビールの空き瓶が入っていた。そして、その瓶と一緒に同じ醸造所が出版している、トロールの記録「ワルソー・ブック」と題された本を見つける。そう言えば、故国ジパングの世界にも「ギネス・ブック」というものがある。この「ギネス」というのはビールの製造会社のことらしい。思わずボーリーが顔を顰(しか)める。
「ウウッ、ワルソー・ビールだと? いったいどうすりゃ、こんなドブ水が飲めるんだ? むかむかするぜ。あいつらは何でも飲むんだ。だいたいあいつら字が読めないのに、なんでこんな本が出版されたのかわからねぇや。とにかく、トロールがどれだけ間抜けか、ちょっと読んでみるか。」
 何だかんだ言って、ボーリーはトロールに興味があるようだ。これもボーリーなりのストレス解消法なのだろう。ちょうどいいや。ボーリーに本を読ませておいて、その間私たちも一休みすることにしよう。
 ボーリーは次の5分間を考えつくかぎりの悪態をつき、ぶつぶつ呟きながら過ごした。
「どこの誰がこんなことをやりたがるってんだ? ホビットの耳大食い競争のアランシア記録だと!! いくつだと思う? 119だってさ。まったく、これより多く食えりゃ有名人になれるぜ。来いよ、行こうぜ。」
 突然、ボーリーは本を肩越しに投げ捨て、先に進む。ちょ、ちょっと待ってよ! 私たちもおっとり刀でボーリーの後を追う。何とかボーリーに追いつく。
「ボーリーにこんなに簡単に追いつくなんて、ボーリーってアランシア中で最も背が低いドワーフなんじゃない? クスクス…」
 それは分からないが、シャムは背が高い種族のエルフだし、私も身長6フィートはある。シャムと私と並ぶと、かわいそうだがボーリーの背の低さが一層際立つことになるだろう。
「うるさい! どうだっていいだろう、そんなこと!」
 ボーリーはそう言うと、先に進み続ける。
「シャム、あまりそういうことを言うなよ。シャムと私と並んだら、ボーリーでなくたって低く見えるだろ……」
「何だって、<批判屋>!」
 まあまあ、落ち着いてください。今のは失敗したな。私としてはボーリーをフォローしたつもりだったが、今の言い回しはちょっとまずかった。ともあれ、ボーリーの前で身長の話はせぬが得策ということだ。


〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … /12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、古い巻物(66)、ブロンズの鍵
 (Save Number:266→40)

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2018/07/23


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