ナイトメア キャッスル(プレイ日記)
【第12回】 男爵との再会
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
技術点 ……… 10/10
体力点 ……… 25/25
運点 ………… 12/12
意志力点 …… 12/12
金貨(枚) …… 4
食糧(食) …… 4
所持品 ……… ザック、剣、
トールダー男爵から寄贈された指輪
、青い金属製の三叉槍の頭、
緑色の球体
〔248〜〕
さて、今はお酒を飲みたくないのに、無理矢理作者の都合で飲む選択を強いられたALADDIN。こういうのをアルハラ(アルコールハラスメント)って言うんだぞ。ここで
D
を行う。結果は……
6
でした。
私は樽の一つを選んだ
(無理矢理選ばせられた)
。この樽には飲み口はついていたが、コップがなかった。樽の栓を外すと中から茶色い液体が出てきた。手で受け止めて一口飲んでみる……青汁風に、あ〜まずいーーーーって、本当にまずい! というよりは、苦い! この茶色い液体を口にしてから途端に気分が悪くなってきた。良薬は口に苦しというが、これは薬の苦さではない。明らかに毒入りだ。
体力点2
を失う。コップがなかったのはせめてもの幸いだ。もし、コップ一杯の量を飲んでいたら……この貯蔵室が14への直行便になっていたに違いない。一体何なんだ、この液体は。
私は
樽によじ登って、中の液体を改めた
。
キャーーーーーーーッ!
世の中には知らないことが良いこともある。今の私がまさにそれだ。樽の中からは、まばたきもしない何百何千という命なき目がこちらをじっと見返していた。樽の中には夥(おびただ)しい首が、まるでしなびた風船のように茶色い保存液に浸(つ)かっていた。
(ここをクリックするとイラストが出ます。見る勇気のある方のみご覧ください。)
さっき飲んだ液体はお酒でもなく毒でもなく防腐剤で、しかもその“エキス”が……
オエーーーーーーーッ!
考えるよりも先に私はリバースしていた。“エキス”の正体など考える暇もなかったし、考えたくもなかった。リバースと生理的嫌悪が私の
意志力点
を
1点
奪い取った。さっきの庭師のお蔭もあり
意志力点
は優に
6点
以上あるが、縦(よ)しんばそうであったとしても、今はリバースすること以外何もできない。(管理人注:作者の意図としては、この場面では自動的に
意志力だめし
で
凶
と出たものとみなすのでしょう。)
私の悲鳴と嘔吐を聞きつけたのか、貯蔵室の真ん中の扉の向こうで足音がした(オエ〜〜〜ッ)。扉が開き、四人のローブ姿の兵士が飛び込んできても、未だ吐き気は治まらなかった。こいつらは、商業地区で見かけたローブ姿の兵士だ。だが、それを知ったところで今は何の役にも立たなかった(オエ〜〜〜ッ)。八つの剣先が全てこちらに向かって突き出されていた。
無論、こんな状態で戦えるわけもない。ここは
降伏する
しかないだろう(オエ〜〜〜ッ)。
「貴様、こんなところで何をしている。さては城内を嗅ぎまわるスパイ……うわっ、汚(きたね)え、寄るな!」
オエ〜〜〜ッ! 嘔吐している間はあの茶色い液体のことを少しは忘れることができた。
「もういい。貴様、黙って俺達について来い。絶対に近寄るなよ。」
黙るも何も、こちらは吐くのに忙しくてしゃべれないんですけれども。だが、下手に抵抗するよりは“吐きマネ”の方が余程効果的だった。何しろ、普通であれば後ろ手に縛られるか手錠をかけられるかするものを、両手両足が自由の状態で連行されるのだから。尤も、捕虜になったという事実は変わらないが。
兵士達は貯蔵室から出て、いくつもの階段を昇り、私を豪華絢爛な扉の前まで導いた。
兵士らは、その扉を高らかにノックした。扉が開かれるとノックした男は一礼をし、粗野な訛り声を張り上げた。
「太守様。恐れ多くも城内をうろついているスパイめをふん捕まえました。さあ、入れ。」
吐き気はだいぶ治まっていた。私は兵士に促されるままにトールダー男爵の間に入った。
なんだ、この部屋は。前回トールダー男爵の大広間でかつての僚友としてもてなしを受けたとき、私は巨大な石柱に支えられた広大な部屋の飾り気のない荘厳さに目を奪われたものだった。それは、トールダーの質実剛健な為人(ひととなり)をよく表していた。だが、今この部屋はどうだ。贅沢な綴(つづ)れ織りが壁中を覆い尽くし、床には絨毯やクッションが敷き詰められている。無表情な護衛の兵士達の一団がずらりと並ぶ中、護衛隊長やニューバーグの商人達が衣擦れの音を響かせる乙女達の歓待を受けていた。乙女たちの一部は南国生まれの黒髪の美少女であり、残りは手足に鎖つきの枷をはめられたニューバーグの娘達だった。トールダー自身は仰々しい玉座にだらしなく身を投げ、盃を手にして目に虚ろな表情を浮かべていた。一体何があったんだ? 私の知っているトールダーとはまるで違うではないか。
トールダーの隣にいるフード姿の存在が気になるぞ。顔がフードに隠れているから男女の区別がつかないが、小柄だから多分女なのだろう。その(多分)女は深紅のローブに身を包んでいる。私がこの部屋に入ってくるのを見て深紅のローブ姿の存在はトールダーに何やら耳打ちをした。人前で耳打ちとは、される側としてはあまり気持ちの良いものではない。もしかすると、トールダーはこのローブ姿の存在に唆されているのではないだろうか? ならばトールダーの目を覚まさせるのはこの私しかいない。
トールダーが口を開くよりも早く、私は
トールダーに呼びかけていた
。
「トールダー! どうか正気を取り戻してくれたまえ。この私をよもや忘れたとは言わないだろう。貴殿とはヘルム・ヒルで共に轡を並べて戦い、この城塞に蔓延る侵入者どもを一緒に打ち破った仲ではないか! 目を覚ませ!」
「貴様! 畏れ多くも太守様を呼び捨てにするとは無礼千万。こっちへ……来るな!」
私は取り押さえようとした兵士達に対してまたも“吐きマネ”をした。一方、トールダーの方は幾分か正気を取り戻したようで、深紅のローブの人物に対して助言を押しとどめるようだった。次にトールダーが口を開いたときは、はっきりした口調になっていた。
「兵士達よ、その者を残して下がるが良い。」
兵士達は驚いた表情だったが、太守の言葉とあれば従う他はなかったようだ。そして、太守は私の方を向いて言った。
「どうも私はこのところ、物忘れが激しくてな。(当たり前だろ。この私を見ても思い出さないんだから。)だが、お前の話は確かに本当だと思う(トールダーの方が年上のため、トールダーと主人公のお互いの二人称には一応差があります)。お前の言い分を裏付ける決定的な証拠はないものだろうか。もし、お前が私の知人であるならば、多分何か贈り物か形見に類するものを渡していたと思うのだが……。」
ほらきた。勿論あるとも。トールダーよ、この
貴殿から寄贈された指輪
を見ろ……って、その指輪がない! どういうことだ? あ、そうか。私は
あること
を思い出した。確か、トールダーから寄贈された指輪はヒュー老人にくれてやっちまったんだ。
「どうした。出せないのか?」
ここで「ヒューの寺院に寄附した」と言っても、トールダーは信用しないだろう。如何なる理由があろうとも、トールダーの要求に応えられない以上、トールダーに証拠を見せていないことに変わりはないからだ。これも天命なのか。残念ながら、この場においてはトールダーを正気に戻すことはできない!
深紅のローブ姿がトールダーに耳打ちした。恐らく、私のことを口先野郎とか吹き込んでいるのだろう。トールダーは、ローブ姿の存在の“助言”を吟味した後、口を開いた。
「その者は余の親友であると言っておきながら、その証拠を示さなかった。その者は余を騙そうとしたペテン師である。その者を地下牢に連れて行け。以降、その者に何が起ころうとも一切関知しない旨をここに宣告する。」
畜生、トールダーめ、覚えてろよ。元はと言えばお前が悪いんだからな。お前の慢心と油断が旧友を地下牢送りにしたんだ。それはまだ許せるとしても、ニューバーグの人々を恐怖のどん底に陥れた罪は軽くないからな。私はトールダーを睨みつけながら、兵士に引き立てられ、トールダーの大広間を後にした。
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
※ 変化があったものは
赤い太字
技術点 ……… 10/10
体力点 ………
23
/25
運点 ………… 12/12
意志力点 ……
11
/12
金貨(枚) …… 4
食糧(食) …… 4
所持品 ……… ザック、剣、
トールダー男爵から寄贈された指輪
、青い金属製の三叉槍の頭、
緑色の球体
(Save Number:392)
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2023/11/19
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