ナイトメア キャッスル(プレイ日記)
【第3回】 オイデンの寺院へ
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
技術点 ……… 10/10
体力点 ……… 24/24
運点 ………… 12/12
意志力点 …… 11/11
金貨(枚) …… 5
所持品 … ザック、剣
〔137〜〕
ニューバーグの市内を歩いているが、あまり人と出会わない。それもそのはず、今日は市の立つ日ではなかったからだ。しかし、それだけが理由ではない。南の星亭の亭主の言葉が本当だとすると、このままではニューバーグの市内で市の立つ日というのは半永久的に来ないだろう。
そんなことを考えながら市場広場についた。大きな告知板があったので、近づいてみる。そこには、ミートパイの認可価額の通知があった。そして、その横には、この町の略図があった。
現在、私は上の略図中のCにいる。北(右)のEは商業地区、東(下)のFは寺院地区、更に東のAはニューバーグ城塞、そして西(上)のDは川沿い地区のようだ。私が今探しているオイデンの寺院は、東のFの地区である。よし、
東に行く
ぞ。
ニューバーグの寺院地区はこの小さな町の中で最も古く、また閑静な一画だ。そこには塀をめぐらした家々と同じくらいの数の質素な寺院が散らばっていた。寺院は遥かな昔、ニューバーグ人の祖先がこの地に移住してきたときに北からもたらした神々を祀るものだった。当世風の商業と農業を司る神や女神たちを祀るものは、もっと賑やかなニュー・ウォール通りの広大な公園のほとんどを占める、新しく壮大な建物である。ここからキャッスル・ヒルのふもとの斜面を上っていく狭い道が、更に古びた小さな寺院へ向かう唯一の道路だった。曲がりくねった道を上り続けるに従い、時代をどんどん遡ってニューバーグの草創期とその先人たちの時代へ戻っていくような気がした。そんなことを考えているうちに、私は最も古い建物と思われる、桁外れに巨大な建物に向かっていった。近づくにつれ、寺院は無人の放棄されたものらしいことがわかった。だが、南の星亭の亭主が言うには、ここにヒュー老人という人がいるのだろう。
朽ちかけたおんぼろの
寺院はキャッスル・ヒルの中腹の岩の上に建てられていた。狭く急峻な道を這うように上っていきながら、私は何者かに見張られているような気がした。誰かがこっちを見ていそうな気がするぞ。だが、何も起こらないので、私はどんどん
進んで行く
。ついにこの寺院の正面と思われる場所に着いた。ふーっ。
寺院の正面を飾る黒い石は穴だらけで崩れかけてはいたが、いかめしい顔つきで武器を振りかざしている王や女王達の列が果てしなく続いた。さて、入口は……ん、あそこで老人が一人、立ちながら居眠りをしているぞ。
もしかして、この人がヒュー老人? 私は
皺だらけの
老人に近づいていった
。
老人は、私が近づくまで微動だにしなかった。次の瞬間、老人はきらきら輝く青い目をかっと見開いた。
「わしの名はヒュー。オイデン神に仕える僧侶じゃ。」
やっぱりこの人が
半分頭の狂いかけたと噂されている
ヒュー老人だったんだ。
「如何にも。わしが半分頭の狂いかけたと噂されているヒューじゃ。」
ひえっ! この人は私の心が読めるのか?
「そんなことより、お主がここへ来たのもオイデン神のお導きじゃろう。ささ、中に入りなされ。」
さっきから気になっていることがあるのだが、この人の声、どこかで聞いたことがあるぞ。それも、遥か昔などではなく、つい最近聞いた気が……。そんなことを思っている間にも、老人は薄暗い廃墟の更に奥深くへ先に進んでしまっている。どうする? ついて行くか? そりゃあそうだ、ついて行かないという選択はないだろうな。
私はヒュー老人に導かれるがまま、
寺院の奥深くへ入って行った
。ヒューは私を半円形の大広間に連れて行った。ヒューは先細の白い枝を茂らせ、石の床からよじれるようにして生えている木の幹の前に跪(ひざまず)いた。この木は神木なのだろう。次に老人は私を窮屈な控の間へと案内した。小さなテーブルと低い椅子がある。ヒュー老人は私に椅子に座るように言った。そして、低い椅子に腰かけた私の横で、ヒューはやにわにナイフを取り出すと、私の喉元に突きつけた。
「静かに聞け!」
あのぉ、お言葉なんですが、静かも何も、私はまだ一言も口を利いていないんですけれど。
「…………」
私の心を読み取ったヒューは一瞬言葉を失っていたが、すぐさま落ち着きを取り戻し、うっすら笑みを浮かべた。
「お主の言う……いや、思っておる通りじゃ。わしも、こんな物騒なものはしまおう。」
あれ、もしかして、そのナイフは、かつて私を縛っていたロープを切断したものでは……。
「その通りじゃ。もう隠す必要もなかろう。お前さんを東門の地下牢から助け出したのは、このわしじゃ。」
そうだったのか。やはりあなたがロープを切ってくださったのですね。
「お蔭様で、私はこうして生き延びることができました。その折はありがとうございました。」
「うむ。礼には及ばぬ。で、なぜお前さんを助け出したかというとじゃな、お前さんこそがオイデン様の予言なされた、この町の悪に敢然と立ち向かうために現れた戦士と見込んでのことなのじゃ。ニューバーグの危機は刻一刻と進みつつある。もし予言に語られた通りの者ならば、このニューバーグでお前さんは任務を助ける様々な価値のある宝を見いだすことだろう。じゃが、オイデン様の加護を受ける前に、まずこの寺院に何らかの寄附を残していかなくてはならぬ。お前さんが選ばれし者ならば、今すぐ寺院でその証拠を見せるがいい。」
そう言って、ヒューは私に背を向けた。現在私の持っているので寄附を残す可能性のあるものと言ったら、剣、ザック、金貨5枚。どれもこれもあまりぱっとしない所持品だなあ……いや、待てよ。私がなぜここに来たかを考えるんだ。私がここへ来たきっかけは、昨夜、南の星亭の亭主がヒュー老人を訪ねよと言っていたからだ。そして、なぜ亭主がこの話をするに至ったか。それは、トールダー男爵から寄贈された指輪を亭主に見せたからだ。とすると、この指輪こそがヒュー老人と私を引き会わせたと言えるだろう。私がこの寺院に来たのも天命というならば、この指輪が寺院に寄附されていくのも天命といえるだろう。ならば、私の取るべき選択は一つしかない。
私は、
トールダー男爵から寄贈された宝石つきの指輪をテーブルの上に置いた
。ヒュー老人は、私の差し出した指輪を見るなり、一瞬にして表情が変わった。その顔には喜びを隠し切れないようだった。
「おお、やはりオイデン様の託宣に間違いはなかった! ついにこのニューバーグに真の英雄が現れたのじゃ。」
ヒュー老人は、私の差し出した指輪を恭しく受け取った。
「これからお前さんを待ち受ける試練については、及ばずながらわしも手助けしよう。じゃが、その前にたっぷりと食事をしてもらい、鋭気を養ってもらわねばならぬ。さあ、わしについてきたまえ。」
驚いたことに、この廃寺には豊富な食糧が蓄えられていた。
「そうじゃろ。この廃寺には豊富な食糧が蓄えられておるのじゃよ。」
あの……勝手に人の心を読んでもらわないでもらえますか。一応プライバシーというものがありますので。
「これはすまぬ。じゃが、安心めされい。わしが人の心を読むのは、危機が差し迫ったときだけじゃ。普段からそんなことをしておったらこっちの身がもたんからのう。」
ともかく、私はオイデンの廃……いや、寺院でたらふく食べ、
体力点
を
4点
回復した
(以下略)
。更に、ヒュー老人は
三食分の食糧
をくれた。
「あれは世界に二つとない指輪と見た。あのような高価なものの寄附に対し食糧三食分ではつり合いが取れぬことは重々承知しておる。じゃが、これがわしにできるせめてものお返しじゃ。」
準備も整ったところで、ヒュー老人は新たな話を始めた。
「ちと長くなるので、この話は次回じゃな。」
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
※ 変化があったものは
赤い太字
技術点 ……… 10/10
体力点 ……… 24/24
運点 ………… 12/12
意志力点 …… 11/11
金貨(枚) …… 5
食糧(食) ……
3
所持品 ……… ザック、剣、
トールダー男爵から寄贈された指輪
(Save Number:344→22)
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2023/09/28
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