ナイトメア キャッスル(プレイ日記)


【第13回】 地下牢の秘密

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 23/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 11/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 4
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪、青い金属製の三叉槍の頭、緑色の球体

〔392〜〕
「さっさと歩け。いいか、俺たちに近づいてみろ。剣で刺すからな。寄らば斬る!」
 私の前に5人、後ろに5人、全部で10人の衛兵に囲まれるように連行された。恐らく、トールダーも外交時にはこうして衛兵たちに囲まれながら移動するのだろう。政治を司る人達(国王、大統領、内閣総理大臣など)は、暗殺対策のため護衛に囲まれながら移動する。そして囚人達(容疑者、囚人、死刑囚など)も護衛に囲まれながら移動する。つまり、どちらも自由には行動できないということだ。落ち着いて考えてみると、トールダーという統治者と今の私という囚人が同じ状況で移動するというのは実に滑稽なものだ。このまま兵士達と共に歩き続けるのも悪くはないな、とも思い始めた。私が奴らに協力的な態度を示した途端、衛兵らは一斉に剣を鞘に収めた。やがて、鉄格子のある一室にたどり着いた。
「入れ。」
 私は兵士達に言われるがままに入った。兵士達は牢に鍵をかけ、何も言わずに立ち去った。結果的には、どの兵士も私に指一本触れることはなかった。最初はリバースまみれというのがその理由だったが、トールダーの間を出てからの連行は、兵士達が私を単なる口先野郎としか思わず、実は勇敢で聡明な侵入者だということを想像だにしなかったことが理由だろう。武器や持ち物を取り上げられることも覚悟していたが、それすらなかった(運点1を加えますが、原点数……)。
 久々に一人になったところで、辺りを見回す。まあ、閉じ込められてみると、どんな牢獄も似たり寄ったりだ。まず、夏は暑く冬は寒い。そして、薄暗く、地面はじめじめしている。カビや虫や鼠などの温床だろう。要は衛生的にはあまり良くない環境ということだ。それはそうだろう。何しろ、囚人に元気でいてもらっては困るからな。「生かさず殺さず」が収監の基本だろう。
 さて、ここから出ることを考えなくてはならない。トールダーの恩赦はあてにならないだろう。何しろ、あいつは私の身に何が起ころうと一切関知しないとかぬかしやがったからな。逆に言うと、この牢獄内で私が何をしようが自由ということだ。仮に脱獄を企てたとしても、だ。一縷の望みをかけて、持ち物を検める。ミートパイが4食分、金貨が4枚、青い金属製の三叉槍の頭、そして緑色の球体が相変わらず光っている。この球体は猫の目の如く、周りの光を集める性質があるようだった。菜園のときは屋外だったからかなりの光が集まったが、この地下牢においては、穏やかな緑色の光を発している。暗すぎず明るすぎず、ちょうどよい明るさだ。この牢獄の壁はかなり腕の良い職人によって造られたようだ。だが、地面を見渡すと……一箇所だけ隙間があるぞ。ここはどうなっているんだろう? 私は隙間を調べることにした。隙間に剣を入れて梃子の原理で敷石を取り除く。その下には小石と土があった。その周りはどうなっているんだろう。敷石が一枚はずれた分、その隣り合っている敷石をはずすのはそう難しくはなかった。おっ、地下牢の下に続く穴を発見したぞ。この穴は、人が通れるほどの大きさだ。もしかすると、意図的にそう造ってあったのかもしれない。
 私は穴を慎重に降りて行った。やがて、穴は大きく曲がり、広くなった。穴の底に着くころには普通に体の向きを変えられるほどになった。ほどなくしてはるか先にオレンジ色の光が見え始めた。トンネルはやがて広い道に変わり、壁という壁に燃え上がる炎のような怪しげな光が瞬き始めた。だが、この道には人っ子一人見当たらず、ひっそりと静まり返っている。やがて、道は行き止まり、そこには三つの扉があった。
  • 頑丈な梁材で造られ、鉄の箍で補強された木製の扉(鍵がかかっている)
  • 小さな木製の扉(鍵はかかっていない)
  • 固い金属板に鋲を打ったがっしりとした扉(3つも鍵穴があり、泥棒もお手上げといった代物)
  •  さて、私が光源として用いていた緑色の球体は目を開けてはいられないほど強い光を放ち始め、同時に熱も帯びてきた。オレンジ色の炎がある以上、今は必要ないだろう。私は緑色の球体をザックに戻した。途端に緑色の球体は光らなくなり、熱も下がり始めた。
     さて、3つの扉のうちどの扉から開けようか。試験では解きやすい問題から解くように、まずは開けやすい扉から開けよう。この中で開けやすい扉とは……鍵のかかっていない小さな木製の扉だ。私が木製の扉に手を触れた途端、扉は勢いよく開いた。中は暗く、あまりよく見えなかった。私は剣をしっかり握りしめ、戸口に進んだ。

    〔STATUS(現在の値/原点)
     ※ 変化があったものは赤い太字
     技術点 ……… 10/10
     体力点 ……… 23/25
     運点 ………… 12/12
     意志力点 …… 11/12
     金貨(枚) …… 4
     食糧(食) …… 4
     所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪、青い金属製の三叉槍の頭、緑色の球体
     (Save Number:373→255)

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    2023/11/22


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