ナイトメア キャッスル(プレイ日記)


【第11回】 秘密の通路

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 25/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 10/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 4
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪、青い金属製の三叉槍の頭、緑色の球体

〔151〜〕
 ドワーフの庭師は私の表情から察したようだった。
「少しばかり窶(やつ)れておるようじゃな。尤も、城塞にいるような化け物に年がら年中追い回されては、如何に剛の者とて精神的にまいってしまうじゃろうがな。どれ、お前さんのためにいい薬を調合しよう。オオカミノイドの薬草とオークノイノチトリの根っこをすりつぶしたものと、この鉢に入っている蜜のように甘い木を燃やして燻した山の花をひとつまみ加えるのだ。これら全部を合わせてすりつぶしたものをお前さんにやろう。ほれ、飲んでみなされ。」
 私は恐る恐る口にする……ウエエ、なんてひどい味だ。
「まあ、そうじゃろうな。ジパングにも『良薬は口に苦し』という諺があるじゃろう。かつて『まずい』ことで有名だった青汁(クリックすると動画が再生されます)も、今は品種改良されて飲みやすくなったと聞くがな。」
 どうしてそんなことを知っているのだ、この人は。だが、味はひどかったものの、庭師の薬の効力は見事なものだった。だしぬけに雲の中から太陽が現われたかのように、体がぽかぽかと暖まった。心の中の恐怖感が、晴れ渡った太陽で溶けていくような気がした。意志力点を加える。ありがとうございます。
 ドワーフは私の反応を見て、満足しているようだった。そして、ドワーフは暖炉に歩み寄った。蜘蛛の巣に覆われた豆づるの支柱や四ツ目格子や藁の堤などを脇によけながら、ドワーフは私を暖炉に呼び寄せた。格子のすぐ脇に狭い隙間があった。その隙間からは下に向かう階段が数段見えた。
「この階段は地下の貯蔵室に続いておる。誰にも知られることなく忍び込むには恐らくこの道を行くしかないだろう。だがもし望むなら、この部屋の扉から胸壁の内部を通り抜けて行くのも不可能ではない。あとはお前さんの選択次第じゃ。」
 私は迷わず地下貯蔵室へ通じる秘密の通路を選んだ。庭師は私の選択に満足気だった。
「うむ。そうするがよい。地下は暗いからのう。このランタンを持って行くがよい。」
 そう言って庭師は私に火のついたランタンを渡した。
「ドワーフさん、ありがとうございます。必ずやトールダーを助け出して見せます。」
 私はドワーフに別れを告げ、階段を降りて行った。
 階段の底には固い石に刻み込まれた小道が暗闇に向かって続いていた。中は肌寒く、じめついている。爪先立って進む私の頭上からは水が絶え間なく滴り落ちていた。トンネルの天井を不規則な間隔をおいて貫いている縦穴がわずかな光をもたらしている。だがそれらの穴はあまりに狭く急なのでよじ登ることはできそうになかった。そのまま進んで行くと、はるか彼方には金属製の格子が見えていた。今歩いているこの小道が、城の内郭の地下深くを通って城塞につながっていることは間違いなかった。背後の階段はいつの間にか見えなくなり、前に伸びるトンネルは暗闇の中に溶け込んで見えなかった。右側には脇につながるトンネルを遮る木星の扉があった。巨大な木製の楔が扉とそれを囲む岩の間に打ち込まれている。さて、どうしよう。この楔を取り除いて脇のトンネルに入るか、それともそのまままっすぐ進むか。楔を打ち込んでいるということは、この先に進んではならないという警告のような気がしてならない。ということで、そのまま行くことにします。
 脇のトンネルには入らず、そのまま進んで行くと、やがて扉に突き当たった。この扉を開けるほかは先へ進む道はなさそうだ。さて、この扉、普通に押しても引いても開かないぞ。どうなっているんだ? 数回押したり引いたりしているうちに、それが水平な中心棒を軸として回転する一枚岩の戸であることがわかった。ぐるりと回って扉の向こうに入り込んだ。
 そこは、地下の貯蔵室だった。庭師の言っていた地下貯蔵室とはこれのことだったのか。もうさっきのトンネルには戻れそうもなかった。さて、長方形の部屋の短い一方の壁の中央には普通の扉があった。左右の長い壁の中央にもそれぞれ扉があったが、貯蔵室いっぱいをふさぐ二列の巨大な樽が扉を見えにくくしていた。樽の列の間を歩いてみると、それぞれの樽には小さな飲み口がつけられ、コップは紐でつながれていた。多分試飲用のコップだろう。トールダー男爵の酒蔵を少し味わってみようと思った……って、ちょっと待て。そんなことはしたくないってば。私は普通に通り抜けたいだけなんだ。だが、この場面には「どれも飲まずにこの貯蔵室を出て行く」という選択肢はなかった。なんという強引さだ。ここは運を天に任せるしかないだろう(って、作者が勝手に運任せにしているだけだってば)

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 25/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 12/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 4
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪、青い金属製の三叉槍の頭、緑色の球体
 (Save Number:248)

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2023/11/15


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