仮面の破壊者(プレイ日記)


【第18回】 迫りくる野火の恐怖

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 14/22
 運点 ………… 8/10
 金貨 …… 5
 食料 …… 9
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)、銅の鉱石の塊、つるはし、スナタ猫の牙(11匹の龍の模様と8個のリンゴの種)、女神コランバラの石像、剣歯虎の鉤爪、ヘヴァーの角笛(邪悪な敵の技術点-1)、宝石入りの首飾り、回復の水薬(体力点が最大6点回復する)、透明人間マント、耐凍薬
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む、ジュジャのいる場所は『地面じゃないけど支えられる、水じゃないけど流れられる、空気じゃないけど噴き出せる、火じゃないけど爆発できる』場所

〔13〜〕
 キャンチェスに出会いモルディダに出遭ってから数日が過ぎ、食料2食減った。
 ここで、またまた管理人よりお知らせです。この数日間においては何事もなかったので、戦闘による負傷は食事によって自然に回復するものとみなし、体力点8を回復するものとします。文中には明記されていませんが、この解釈で問題ないでしょう。尚、第15回における食料1食分は、体力維持の手段のため体力点の回復はないものとします。この解釈について、ご感想・ご意見・ご批判などがございましたら、掲示板にてお知らせください。
 何やら後方からメラメラと変な音がするぞ。それに、焦げ臭い。思わず振り向く。私の視界に飛び込んできたのは、地平線の左右にどこまでも延びている赤い帯だった。時々熱風が吹いてくる……って、これは野火だ! ちなみに、ジパングの人気アニメ“ドラえもん”に出てくる名字は野比だ! また、京浜急行久里浜線の駅にあるのも野比だ(正確にはYRP野比ですが)! この場面では『大草原の小さな天使ブッシュベイビー』に出てくる野火の場面のBGMが相応しいだろう(管理人注:音源がないので記憶に頼っていますが、恐らく緊迫感のあるBGMだったはずです)。
 ……と、脱線している場合ではない。一体何が原因で野火が発生したのだ? この冒険において、私も4回は火を熾している。死の湖で1回、奴隷鉱山で1回、大草原で宝物アリを追い払うときに1回、そしてモルディダを呼び寄せてしまったときに1回だ。しかし、そのいずれも火はきちんと消したぞ。消えたことを確認までしたんだ。だが、今はなぜ野火が発生したかを考えるよりは、どのようにして野火から逃れるかを考える方が利口だ。野火はまだ遠くにあるにも関わらず、野火の端をここから見通すことはできないし、また、野火は乾いたヒースや灌木を舐め尽くしながら、水路や小川などものともせずに飛び越えてこちらに進んでくる。多く見積もっても、あと1時間後くらいには炎の帯がここにも及んでくるだろう。ふと、5つの方法を考えついた。
  1. この場にじっとしている
  2. 北に向かって、全速力で野火から逃げる
  3. 野火の西側の端を見つけようと試みる
  4. 野火の東側の端を見つけようと試みる
  5. 野火に向かって移動する
 野火の広がる速さは我々の想像を越えるもので、人間の走る速さでは野火から逃げ切ることはまず無理だ。よって2は却下する。また、野火の端が見つかる頃には私はこんがり焼かれていることだろう。よって3と4も却下。5は逆転の発想だが、ここはじたばたせずに考えを整理しておきたいところだ。この場にて待ち、現状及びその打破の方法を命がけで考える。現状は、野火が南から私の方――即ち北に向かっている状態であり、その野火から逃れなくてはならない。では、その逃れる方法とは……。ここで、DDを行い、技術点と比較する(但し、今回は私の頭脳を問われるので墓鬼の剣によるボーナスは適用されません)。DD6≦10で、成功しました。
 ふと、燃焼の3条件を思い出す。燃焼の3条件とは、燃料(燃えるもの)・酸素(空気)・熱源(発火点以上の温度)であり、この3つ全てが揃いし時“燃焼”という自然現象が発生する。現在、野火が発生している理由は燃焼の3条件が揃っているからだ。ということは、この3つのうちどれか1つでも欠如した場合は燃焼の3条件が成立せず、火は消えるわけだ。では、どの条件を失わせれば良いのだろう? 結論から言うとどの条件でも良い。だが、現状で消せる条件でなくてはならぬ。酸素を消したら私は窒息するし、水をものともせずに野火が来るから熱源を消すことは実現可能ではない。となると、残るは1つ――燃料だ! ジパングの“エド”という時代に存在した“火消し”と呼ばれる者達は、燃えている家の近くの垣根や塀などを壊したらしい。少し乱暴だが、燃料を取り去ったことで火が消えたということだ。また、更に乱暴な発想をすれば、この野火も放っておけばいずれは燃え尽きる――燃料が全てなくなれば必然的に野火は治まるのだ。
 以上の内容が私の脳裡を駆け巡った。下手に逃げ回るよりも、こちらから「放火」してしまえばいい。火を以て火を制す。ほとんどの国において放火は重罪であり、アリオンもその例外ではない。だが、キルケゴールのあれかこれかの思想の如く、今生き延びるにはこれしかないのだ。サラモニスの乾燥地では殺人よりも罪が重い「放火」をすることを心に決める。だが、問題はもう一つある。それは、南北のどちらに向かって「放火」するべきかということだ。野火は南から来ている。風向きか、高低差か、理由はともかくとして、火の発生源である南の方角に火をつけたら天に唾すの如く、その火はこっちに向かってきてしまい、結果的に自滅してしまう。北へ火をつけるしかない。私はへ向かって「放火」した。火は忽ちのうちに北へ燃え広がる。自然消火した後、その地帯はもう燃える物がないので“防火帯”となる。野火はその“防火帯”を避けて燃え去っていくという算段だ。だが、私の「放火」によって十分な広さの土地が燃え、更に自然消火した後に防火帯が冷えるまで野火は待ってくれるだろうか。この方法がうまく行くかどうかは運の要素も必要であろう。ここでを行う。出た目は……でした。
 放火してから待つこと40分、とうとう野火が私の後方10メートルほどまで迫ってきた。実は、防火帯は既にできているのだが、地面がまだ全然冷めていない! それでも、野火の熱がこちらまで押し寄せて来るので、まだ熱い防火帯に入らざるを得なくなる。ええい、心頭滅却すれば火もまた涼し……
 あぢ、あぢ、あぢ、あぢ!
 これは、熱くて飛び上がっているときの私の悲鳴だ。心頭滅却したにも関わらず、火は涼しくはなかった……って当たり前でしょうが。そもそもこの言葉は“カイセン(快川)”という人が焼死するときの辞世の句として有名なんだぞ。いくら心頭滅却しても、熱いことに変わりはないのだ。ギャグ漫画に、熱した鉄板の上で踊りの“練習”をすると誰でも踊りが上手になるというのがあったが、無論この冒険はギャグ漫画などではなく、火傷と熱により体力点4を失う。そもそも、それは単に熱さから逃れるために飛び跳ねているだけだ。だが、防火帯はモーゼの如く野火を2つに分け、野火は私のいる防火帯の両端を分けるようにして燃え進み、やがて私を追い越すように北の方へ向かって行った。
 やがて、防火帯も少しずつ冷めてきて、私のダンスの“練習”も終わりを告げた。今度は私が野火を「追いかける」番だ。野火から巻き上がる煙と熱から十分に距離を開けながら、野火を追いかける形で北へ向かう。数キロメートル進むと、幅と深さがともに500メートル程の谷が口を開けていた。谷の両側はどちらも切り立った崖で伝い降りることはできないし、また橋も1本もかかってはいない。崖から落ちたら怪我どころでは済まないだろうなあ(この言い回しの元ネタが分かる方は相当な赤塚不二夫ファンです)。
 ところどころに小さな火があるものの、ついに野火は治まった。足の裏が火傷でヒリヒリするけれど、私は助かったのだ。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 18/22
 運点 ………… 8/10
 金貨 …… 5
 食料 …… 7
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)、銅の鉱石の塊、つるはし、スナタ猫の牙(11匹の龍の模様と8個のリンゴの種)、女神コランバラの石像、剣歯虎の鉤爪、ヘヴァーの角笛(邪悪な敵の技術点-1)、宝石入りの首飾り、回復の水薬(体力点が最大6点回復する)、透明人間マント、耐凍薬
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む、ジュジャのいる場所は『地面じゃないけど支えられる、水じゃないけど流れられる、空気じゃないけど噴き出せる、火じゃないけど爆発できる』場所
 (Save Number:114→10)



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2024/03/20


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