暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【第24回】 緊急脱出

〔STATUS(現在の値/原点)〕
 生命力 … 27/27
 気力 … 15/17
 知性 … 25
 経験 … 5
 狂気 … 3
 所持金 … 0ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2、石笛、五芒星形の石
 メモ … 緊急脱出の呪文は『イア! イア! ハスター! ハスター・クフアヤク・ブルグトム・ブグトラグルン・ブルグトム アイ! アイ! ハスター!』
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)、A浜辺で射殺される(517)

〔176〜〕
 闘う相手は4人だ。敵は1人ずつ襲ってくる。私の狂気ポイントはもう危険な数値に達しているはずだ。非常手段は使えない。わずかになった経験ポイントはあまり役に立たないだろう。
 ……という一般的な状況説明は無視します。なぜなら、狂気ポイント経験ポイントも十分余裕があるからです。非常手段をとる必要もありません。以下の数値をご覧ください。

 ダゴン秘密教団の者   気力ポイント 16    生命力ポイント 20
 <星の智慧派>@    気力ポイント  6    生命力ポイント  8
 <星の智慧派>A    気力ポイント  8    生命力ポイント 10
 <星の智慧派>B    気力ポイント 10    生命力ポイント 12

 <批判屋>&博士    気力ポイント 45    生命力ポイント 81

 超人的な博士が力を貸してくれることにより、<批判屋>の気力ポイント及び生命力ポイントはそれぞれ3倍されます。敵が4人で束になってかかってきたらまだサイコロを振る余地はありますが、1人ずつ襲ってくるため、この能力差ではサイコロを振るまでもなく、こちらの勝利が確定します。……
 経験ポイントに1を加える。勝因は無論博士だ。それにしても、この人は本当に100歳を超えた老人なのだろうか。
 私は、<星の智慧派>の者の1人が持っていた箱を手にとった。箱を開けると、線の入った黒々とした多面体が入っていた。じっと見ていると、多面体の輝く表面が透明になって、多面体の内部に異質な世界が現れてくるようだ。
「<批判屋>君、それこそがまさに<輝くトラペゾヘドロン>じゃよ。」
 博士の言葉に我に返る。つい見とれてしまった。ふと、私はマイケルとジェシーのことを思い出す。
「博士、マイケルとジェシーが捕まってしまったんです。2人は洞窟の入り口で、ダゴン秘密教団の者たちに取り囲まれています。」
 私は洞窟での出来事を博士に報告した。
「うむ。じゃが、ここに<輝くトラペゾヘドロン>があるうちはまだ大丈夫じゃ。ルルイエの深きものどもに追いつかれたら大変じゃ。君ももう知っておると思うが、この五芒星形の石が役に立つ。」
 私とシュリュズベリィ博士は、ルルイエの深きものどもに追われないよう、洞窟の入口に五芒星形の石を置き、<輝くトラペゾヘドロン>の入った箱を持って、すぐに洞窟に引き返した。あとはマイケルとジェシーを助けるだけだ。
「<批判屋>君、耳を塞いでくれたまえ。」
 広大な洞窟に戻ると、博士は拳銃を発砲した。ダゴン秘密教団の者たちは恐怖にかられ、散り散りに逃げていく。私はマイケルとジェシーを縛っている縄をほどいた。自由になったマイケルとジェシーはダゴン秘密教団の衣装を着ている私たちを見て警戒するが、私が頭巾を脱ぐと、驚いたような声をあげた。
「<批判屋>じゃないか。どうしたんだ。」
「マイケル、ジェシー、無事だったか。」
「<批判屋>君、マイケル君とジェシー君も、話は後じゃ。今はここから逃げることが先決じゃ。」
 シュリュズベリィ博士は私たちを促し、岸につながれたボートに向かった。ルルイエの深きものどもに曳かれたボートがちょうど2隻ある。博士はジェシーとともに、私はマイケルとともにボートに乗り込み、オールで漕ぎ始める。
 ボートの中、マイケルが口を開いた。
「<批判屋>、助かったぜ。どうもありがとうな。まさか、マーシュ精錬所の求人が、生贄を募集するためのものだったとは知らなかったぜ。俺とジェシーは助かったが、俺たちの前にも生贄になった奴らがいるって、ダゴン秘密教団の野郎どもが言っていたんだ。」
「私も驚いたよ。ルルイエの深きものどもとマーシュ精錬所のつながりがあるなんて。死んでいたと思っていたマーシュは復活したらしいよ。」
 地下から外の海に出るまでには長い時間がかかった。シュリュズベリィ博士は疲れを知らず、ボートをぐんぐん進め、私の漕ぐボートとは距離が開いていくばかりだ。毎回思うが、この人は本当に100歳を超えた老人なのだろうか。
 やがて星の光の中で<悪魔の暗礁>が見え始めたとき、俄(にわ)かに海面が騒いだ。なんと、至るところにあの無尾両棲類、ルルイエの深きものどもが恐ろしい顔をのぞかせ、<輝くトラペゾヘドロン>を持つこちらのボートに押し寄せてくるではないか。陸では動きが鈍いルルイエの深きものどもだが、海では逆に恐ろしいほど動きが早くなる。
緊急脱出じゃ! 今こそ緊急脱出をしたまえ!」
 博士が切羽詰まったように叫んだ。
 さて、緊急脱出をするためには、まず石笛を吹く。石笛を吹く際には呪文が必要だったはずだ。その呪文は…

「イア! イア! ハスター! ハスター・クフアヤク・ブルグトム・ブグトラグルン・ブルグトム アイ! アイ! ハスター!」

 何も起こらない。もしかして、間違えたのでは…いや、呪文は正しかった。突如として、ものすごい風が起こるとともに、蝙蝠の翼を持つ、怪鳥バイアクヘーが現れた。
「さあ、<批判屋>さん。私の背中に乗ってください。マイケルさんも。」
 そうか、叔父を連れ去った蝙蝠のような鳥はこのバイアクヘーだったのか。それにしても、なぜ私とマイケルの名前を知っているのだろうか。恐ろし気な外見とは裏腹にかなり知的な生き物であることには間違いないようだ(尤も、ルルイエの深きものどもを見た後は恐ろしくも何ともないが)。
 私とマイケルを背中に乗せた怪鳥バイアクヘーは一気に舞い上がった。ルルイエの深きものどもはどうすることもできず、悔しそうにあの身の毛もよだつような唸り声を上げるが、関係ありませ〜ん。怪鳥バイアクヘーの背中に乗っているうちに、これまでの疲れや恐怖心が消えていくような気がした…否、本当に消えているのだ。気力ポイント及び生命力ポイントを出発時のポイントに戻し、経験ポイントを10に、狂気ポイントを0にする。
 空を飛ぶというのは快感だなあ。遊覧飛行みたいな感じだ。ふとバイアクヘーの背中を見る。『定員2名』と書かれた紙が貼ってあった(なんでこんな紙が貼ってあるんだ?)。そう言えば、シュリュズベリィ博士とジェシーはどうしたんだろう。もし貼り紙に書かれた言葉が本当ならば、このバイアクヘーも博士とジェシーまで乗せることはできないはずだ。だが、その心配はなかった。
「<批判屋>君!」
 声のする方を見ると、シュリュズベリィ博士とジェシーも別のバイアクヘーに乗っている。私たちは助かった。

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2016/12/06


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