暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【第13回】 追手からの逃避行(再び)

〔STATUS(現在の値/原点)〕
 生命力 … 23/27
 気力 … 12/17
 知性 … 15
 経験 … 6
 狂気 … 5
 所持金 … 10ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2
 メモ … なし
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)

〔436〜〕
 私とシュリュズベリイ博士は左に曲がって横道に入り、すぐに右に曲がった。細い道が迷路のようになったところだ。
 博士はこうして逃げることを最初から計画していたかのように、入り組んだ小路を右に左に曲がり続けながら走った。以前、似たような光景に出くわしたような気がしたが、私は博士について行くのがやっとだった。博士が何をするつもりなのかはだいたい分かっていた。博士が立ち止まり、一軒のあばら屋の扉を開けた。
「さあ、この中に。」
 博士はそう言って私を先に入れ、後から入ると扉を閉ざした。この魚臭いにおいは、以前と同じだった。
「同じような小屋がたくさんあるから、ここまで追って来られてもしばらく時間をかせげるじゃろう。」
 先ほどと同じ博士の言葉が繰り返される。
「これを飲みなさい。黄金の蜂蜜酒だ。体力が回復する。」
 博士はポケットから小さなガラス壜を取り出して、私に差し出した。やった、黄金の蜂蜜酒だ。飲みたかったんだ(ギャンブルを無視します)。私は金色の液体を飲んだ。どんな成分が含まれているのだろう。ほんの気まぐれだったのかもしれない。だが、信じられないことに、それまでの疲労がたちまちのうちに消えてしまった。頭の中まですっきりしたようだ。生命力ポイント気力ポイントを原点まで回復する。なんというボーナスだろう。ってことは……黄金の蜂蜜酒を飲む前に非常手段をとって狂気ポイントを下げておけば完璧なリフレッシュになっていたということか。まあいい。次以降に活かそう(本当は“次”がないのが一番なんだが)。私が体力を取り戻したのを見て、シュリュズベリイ博士は満足そうに笑みを浮かべた。
「君が飲んだのは、伝説に謳われる、魔力を持った黄金の蜂蜜酒だよ。そして、君が今飲んだものを君の叔父さんも飲んだんだ。」
 この伝説の飲み物を飲んだことで、経験ポイントを1加えることができる。
「さあ、これを渡しておこう。」
 博士はそう言って、私に石でできた小さな笛を手渡した。
「君の叔父さんは、黄金の蜂蜜酒を飲み、それと同じ石笛を吹き、ある呪文を唱えて、セラエノ(Celaeno)という星に避難したんだ。今はセラエノで、私の助手たちから<旧支配者>の呪いを振り払う治療を受けている。いずれ元気な姿で地球に戻ってくるだろう。」
 待てよ?つい今さっき叔父に会ったばかりだった気がするが、どうしても思い出せない。セラエノだったっけ?別の名前だった気がするが…。まあいい。思い出せないということは大して重要なことではないということだ。まあ、叔父が魔物に攫(さら)われたわけではなかったことだけはわかった。とすると、あの鳥のように見えたものは……。シュリュズベリイ博士は私の疑問に答えるかのように言った。
「私が危険を感じて、君の叔父さんに緊急脱出の方法を教えておいたんだよ。そうでもしなければ、君の叔父さんはクトゥルーの霊力をもろに受けて死んでしまっただろうからね。緊急脱出をするには、鍵を使う方法もあるが、今私はその鍵を持っていないんだ。さあ、この石笛を大事に持っていなさい。」
 何はともあれ、叔父が無事であることを聞いて、ほっとした。私は石笛を大事にしまった。
「さて、これからの行動だが」
 博士は話し続けた。
「私はギルマン・ハウスの501号室の部屋を借りている。ここから出たら、ふたてに分かれた方がいいだろうから、その部屋で落ち合うことにしよう。もしも私が8時までに戻らなかったら、直接ダゴン秘密教団の会館に行ってくれ。変装する道具は部屋に置いてある。例の衣装だよ。ギルマン・ハウスの経営者は私の助手だから、分からないことがあったら聞けばいい。太陽が第五宮に入り、土星が三分一対座に位置する、今晩の真夜中までに、何としても<輝くトラペゾヘドロン>を奪わないと、取り返しのつかないことになるんだ。君にも力を貸してもらうよ。」
 とそのとき、扉をどんどん叩く音がした(ストーカーもよくここまで追跡したもんだ)
「もうここまで来られたか。裏から逃げよう。君が先に行くんだ。いよいよのときになったら緊急脱出をしなさい。あの石笛を吹くんだ。必要な呪文は……」
 扉が打ち破られた。
「さあ、早く。呪文は『ネクロノミコン』の108ページに載っている」
 先程と比べて、博士の説明が多少詳しくなっているような気がする。これも、黄金の蜂蜜酒の御利益か?まあ、今はそんなことを考えている場合ではない。シュリュズベリィ博士は私を裏口から押し出した。裏口からは道がふたてに分かれている。右か左か…よし、前回ストーカーのナイフによって先に進めなかっただ。今度こそ先に進んでやる。私は右に向かって走った。多分、シュリュズベリィ博士は左に走るだろうなぁ。セ○ンイレ○ンインスマス店の店長が描いてくれた地図がもう役に立たないのはさっきと一緒だ(中央広場の時点で(以下略)……)。
 でたらめに、まず左へ、次に右へ進んだ私の前に見覚えのある1人の男が現れた。また現れたな、ストーカーめ。そんなにマーシュ精錬所の秘密が漏れるのが怖いのか。こいつがナイフを持っていることは知っている。ナイフだけならまだしも、理不尽なルールによってこいつには“絶対に”勝てない。ナイフさえなければこっちが有利なのだが、こんなことを言っても仕方がない。よし、逃げる(気力ポイント−1、生命力ポイント−1が癪だが、まあルール上仕方がない)
 私が逃げ出した途端、男はナイフを投げつけたが、そんなことは既に読み切っている(ギャンブルを無視します)。ナイフは私に当たらず、そのまま道端に落ちた。
「待てぇ〜、お前に逃げられると俺の命が危ないんだ。」
 待てと言われて待つ奴がどこにいる(ちょっと古い言い回しだが…)。曲がり角に来るたびに右へ左へジグザグジグザグ…。ふーっ、疲れたァ〜。立ち止まって耳を澄ませる。ひっそりと静まり返っていて、足音はおろか物音ひとつ聞こえない。よし、ストーカーの魔の手から逃げ切ったぞ。その後、生命力ポイント2点分の距離を走ったことを知る。
 方角の見当がつかなかったが、そのまま進み続ける。しばらくすると海岸に出てしまった。沖の方に見える黒々としたものは<悪魔の暗礁>だろう。海岸沿いに歩いていると、ボートが一隻つながれているではないか。辺りには誰もいない。この機会を利用して<悪魔の暗礁>に行ってみるか、それともマーシュ精錬所に近づかないようにして町の中心部へ戻るか。…せっかくだから、<悪魔の暗礁>に行ってみることにしよう。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 生命力 … 24/27
 気力 … 16/17
 知性 … 15
 経験 … 
 狂気 … 5
 所持金 … 10ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2、石笛
 メモ … 緊急脱出の呪文は『ネクロノミコン』の108ページに載っている
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)
 (Save Number:226→412)

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2016/07/23


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