暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【第5回】 調査の前に

〔STATUS(現在の値/原点)
 生命力 … 26/27
 気力 … 16/17
 知性 … 15
 経験 … 1
 狂気 … 1
 所持金 … 17ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳
 メモ … なし

〔281〜〕
 すぐ近くにはギルマン・ハウスというホテルがある。だが、ホテルの食事は高そうだ。ということで、歩いて食堂やレストランを探すことにしよう。とりあえず、広場を見まわしてみる。広場からはいくつもの道が放射状に広がっている。北の方にはマーシュ精錬所らしい工場が微かに見えた。広場のまわりにはファースト・ナショナル・チェーンに属する食料雑貨店(ジパングの例で言うとセ○ンイレ○ンなど)をはじめ、十軒ほどの店があり、レストランも1軒あった。しかし、何とも陰気くさいレストランだ。全国にチェーン店を持つ食料雑貨店なら、安心してサンドイッチくらい買えるかもしれない。それとも、町を歩いて、他にレストランがないか探してみるか。ここで少し考える。レストランよりは、入りやすい雰囲気のある食料雑貨店がよいだろう。
 食料雑貨店の看板には“セ○ンイレ○ン インスマス店”とあった。ここに入る。店員が1人しかいない小さな店だった。そこの店長は年配の人だったが、インスマスの住民ではないようだった。私は少しほっとする。とりあえず、サンドイッチとパック入りの牛乳を買うことにする。値段は合計で5ドル(所持金:17→12ドル)。ついでに、店長にインスマスのことを聞いてみよう。ここの店長はインスマスの住民ではないから、多少はインスマスのことを聞いても大丈夫だろう。私が話しかけると、店長はうれしそうな笑みをうかべた。
「この町へは初めてですか。」
「はい。実は、店長さんにこの町のことを教えてもらいたいと思いまして…」
 すると、なぜか店長は不安そうな顔をした。そして、声を低くして言った。
「早く町から出て行った方がいいですよ。」
 もしかすると、店長はインスマスの不穏な動きについて、何か知っているかも知れない。私はさらに店長から話を聞きだそうと思った。
「この町はどうして異様な雰囲気がするのでしょうか。」
「し〜〜〜っ。ちょっとお待ちください。」
 そう言って店長は店の出入口に向かい、外の様子をうかがってから、私をカーテンのかかった奥の部屋に招いた。
「この町のことを住民の誰かにたずねましたか。」
「いいえ。この町ではまだ住民の誰とも話していませんが…」
「は〜よかった…。この町のことを住民にあれこれ尋ねたら、ただではすみませんからね。」
 店長はほっとしたような顔でカーテンを閉め、それからインスマスのことを話し始めた。
 なんでも店長自身、このセ○ンイレ○ンインスマス店に配属されたのは3ヶ月前のことだが、そのわずかな期間のうちにも、噂話からかなりのことを察しているようだった。もともとこの町は1643年に建設され、独立戦争以前は造船業がさかんで、19世紀の初めからは漁港として大いに栄えたらしい。しかし1846年に伝染病が猛威をふるい、住民の大半が死んでからは町は衰退の一途をたどり、マーシュ精錬所だけが主要工場として残ったという。しかし、そのマーシュ精錬所が精錬する金をどこから手に入れているかは昔から謎だった。<悪魔の暗礁>に海賊が隠していた財宝をマーシュ家の者が発見したのだという噂もあったが、これを信用する者はいない。それだけではなく、マーシュ家の者がさかんにガラス玉や安っぽい装身具を買いあさっていたことで、どこか南洋の土人と取り引きしているのだろうと推測されたものだった。
「そんな噂が出てからのことらしいですよ。この町に妙なことが起こり始めたのは。他では魚があまりいなくても、この町の港外にだけは魚がうようよしているし、住民にもおかしなことが起こり始めたんです。なんともはや。俗にインスマス面という、気持ちの悪い人相に変わっていったんです。頭は妙に幅が狭くて、鼻が拉(ひしゃ)げ、目は大きくてまばたきしない。おまけに鮫肌で、首のまわりには深いしわができ、体はずんぐりむっくりして、足がやけに大きく、よろめくように歩くんですから、とても見られたものじゃありませんよ。今でもそんな連中がいるんですからね。」
 結局政府が調査に乗り出し、詳しい事情が説明されないまま、1928年に住民の大半が逮捕され、海岸通りに立つ家が焼き払われ、<悪魔の暗礁>沖の深い海溝に潜水艦から魚雷が撃ち込まれたのだった。
「そのあと何年かして、マーシュ家の屋敷が全焼して大火事が起こったのを最後に、とりたてて物騒なことはなかったようなんですが、この2ヶ月ほど前から、妙なことがまた起こっているようなんです。私がこの店にやってきたときは、そうでもなかったんですが、このところインスマス面をした住民の数が増えていますし、ダゴン秘密教団とかいう邪教が活動を始めていますからね。悪いことは言いません。早くこの町から出ていきなさい。私だってこの町にはうんざりしているんですから。」
 店長はそう言って、ようやく話を終えた。経験ポイントを1加える(ここでギャンブル。…3+6=9でと出ました。)
「貴重なお話をありがとうございます。ですが、私はある理由があって、インスマスについて調べなくてはならないのです。ところで、ダゴン秘密教団について何かご存じでしょうか。」
「う〜ん、あまりよく知りませんね。マーシュ家の者が運営している異端の信仰らしいとは言われていますが。私の知っているのはこのくらいです。」
 どうやら余所者には窺い知ることのできないもののようだ。だが、これで少しはインスマスのことが分かった。このボーナスとして、経験ポイントを更に1加えることができる。
 ここで、店のドアが開く音がして、チャイムが鳴った。
「あ、お客さんだ。ちょっと待っていてください。」
 店長はそう言ってすぐに店のほうに向かった。どうしようか。せっかくだから、もう少し店長の話を聞きたいところだ。それにしても、インスマスの客とは一体どういう感じなのだろう。私はカーテンの陰からこっそり客を窺ってみることにした(覗き行為とも言える行為だが…)

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 生命力 … 26/27
 気力 … 16/17
 知性 … 15
 経験 … 
 狂気 … 1
 所持金 … 12ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳
 メモ … なし
 (Save Number:7→190)

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2016/01/26


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