暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【第4回】 いざインスマスへ

〔STATUS(現在の値/原点)
 生命力 … 26/27
 気力 … 17/17
 知性 … 15
 経験 … 1
 狂気 … 1
 所持金 … 20ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳
 メモ … なし

〔341〜〕
 インスマスへ行くには、アーカムからバスに乗らなければならない。料金は3ドルだった(所持金:20→17ドル)。バスの乗客は少ないが、陰気な者ばかりだ。私は不安になってしまう。
 とにかくインスマスは、60年ほど前に怪事件が起こって以来、兎角恐ろしい噂が口にされる場所なので、あまり訪れる者もいない。だから今バスに乗っているのも、恐らくインスマスの住民ばかりなのだろう。まともな格好をした者は誰もいない。バスが発車して間もなく、それまでひそひそ話し合っていた2人の男が、私の方に顔を向け、そのうちの1人がこちらに近づいた。髭面の厳(いか)つい男だった。思わずヒヤリとしてしまう。気力ポイントを1減らす。ここで無視するとかえって怪しまれるだろう。こちらから男に話しかけてみることにする。
「どうかしましたか?」
「マーシュ精錬所がどこにあるか知りませんか?」
 男は歯をむき出してにっこり笑った。かすかに不安を感じていたこっちとしてはほっとする限りだ。どうも、昨夜のことで神経が過敏になっているようだ。ただでさえ私は神経質だというのに…。
「いや、私は正確な場所は知りませんが…」
「そうですか、どうもありがとう。」
 男は礼を言って自分の席に戻ろうとした。…これは、何かの縁か?男の席と私の席はかなり遠い。近くに聞く乗客はいたはずだ。それにも関わらず、わざわざ私に聞いてくるとは…不安もあるし、この機会を利用して、男と話を続けることにしよう。
「あ、ちょっと待って。」
「ん?何か?」
「私は<批判屋>と言います。ときに、インスマスへ一体何しに行くのでしょうか。」
「これはご丁寧に。私はマイケル、以後よろしく。マーシュ精錬所の求人広告を見かけたので、相棒のジェシーと一緒に応募に行く途中なんですよ。」
「(小声で)インスマスは恐ろしい町と聞くのですが、なぜそんなところに応募に?」
「(小声で)インスマスで恐ろしい事件が起こったのは何十年も前のことだし、働かなきゃ、食っていけないからさ。恥ずかしながら、2人とも失業中で、失業保険も先月で切れたことだし。」
 マイケルはそう言って笑った。優しい眼差しをしている。
 私は迷った。マーシュ精錬所に就職した者が次々に行方不明になっていることを、マイケルに言うべきか否か。マーシュ精錬所は経営者が変わっているとは言え、闇をさまようばけものと何らかの関係を持っているかもしれないのだ。だが、私は黙っておくことにした。マイケルとジェシーはとりあえず信用できるとして、バスの乗客には敵がいるかもしれないから、調査のことは迂闊に口に出さない方がよい。インスマスに着いたらそれとなく伝えれば良いのだ。
「就職できればいいね。」
「ああ、ありがとう。」
 とりあえず、マイケルとは当たり障りのない話をしておいた。マイケルはジェシーの隣の席に戻り、私は叔父の手帳をもう一度読み返す。
 やがてバスは坂道を下り始め、前方にインスマスの町が見えてきた。海に流れ込むマヌーゼット河を中心にして、扇形に広がるインスマスは、建物がびっしりと密集しているが、不思議と人の気配は感じられない。いくつもある煙突からも、煙一つ上がっていないのだ。高い尖塔が3つ見えるが、何とも不気味な雰囲気をたたえている。この荒廃しきった町では何が起こるかわからない。気を引き締めて行こう。
 右手に海を臨みながら、バスは北西に進み続ける。しばらくすると半円形の広場が見えるようになり、バスはその中に入って行って、停留所に停まった。左側には高い丸屋根のついた建物があり、ギルマン・ハウスと看板が出ている。インスマスで唯一つのホテルなのだ。私はマイケルとジェシーと一緒にバスから降りる。今が忠告のチャンスだ。しかし、彼らの方が速かった。広場の一番東側にマーシュ精錬所の事務所があったので、マイケルとジェシーは私に手を振って、あっという間に事務所に走って行ってしまった。
 問題のある町で1人きりになり、些か不安を覚える。それにしても、今日は朝からまだ何も食べていないのだ。これから先のことを考えれば、今のうちにたっぷり食事をとっておく方がよいだろう。朝食をしっかり摂らなくては、調査に支障をきたすに違いない。
 さて、どこで食事をしよう。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 生命力 … 26/27
 気力 … 16/17
 知性 … 15
 経験 … 1
 狂気 … 1
 所持金 … 17ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳
 メモ … なし
 (Save Number:281)

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2016/01/19


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