真夜中の盗賊(プレイ日記)
【第5回】 ブラスの家への道のり
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技術点 ……… 8/8
体力点 ……… 15/19
運点 ………… 11/11
金貨 ………… 22
食料* ……… 10
飲み薬** …… ツキ薬
バックパックに入れる品物
…… 1.食料*、2.飲み薬**、3.ロープと鉤爪(壁登り)、4.椅子の足、5.重い鎖2本、6.(空)
その他の品物
…… 短剣2本、革の上着とすねあて、携帯用ランプ1つ、松明1本、火口箱1つ、ボロ布(忍び足)、合鍵の束(錠破り)、Lという文字が刻まれている鍵
特殊技能 …… すり、感知、目利き、壁登り、忍び足、錠破り
ノート ……… マダム・スターのヒント(289)、商人ブラスのシンボルはコイン、ブラスの金庫を開けるには2本の鍵が必要で鍵のうち1本はブラスが肌身離さず所持、商人ギルドのヒント(90)
〔156〕
ブラスの家はフィールド門の近くにあるという。ポートブラックサンドの治政を司るアズール卿の宮殿近く、宮殿通りとフィールド通りの交差する辺りはこの街でも最も高級な住宅街である。それ故、ここには他の場所よりも2倍以上の警備兵が配属されており、ここに配属されている警備兵は他よりもかなり給料が良いらしい。だから、警備兵どもも他の警備兵よりも数段真面目に働いているのだ。尤も、金持ち連中が不真面目な警備兵を見かけたらアズールに通報して、その警備兵はすぐさま処刑されるから真面目に働かざるを得ないというのが現状だろうが。
かつて、宮殿付近の警備兵どもの中でもアズールの側近と呼ばれたトロールの警備兵がいたらしい。その名はサワベリーとファットノーズ。その残忍さはアズールをも凌ぐと恐れられていたようだ。盗賊ギルドのメンバーの中にも運悪くこいつらに捕まって、残虐非道な拷問の末三日三晩獄門台に晒された人がいると聞く。だが、そのサワベリー達も、額にユニコーンの刺青をしたポートブラックサンドの訪問者によって討伐されたという話も聞く。
ギルドの修行中に聞いた話を思い出しながら糸通りを抜けて歩いていくと、向こうから2つの明かりが揺れてこちらに近づいてくるのが見えた。そしてブーツの足音……

まずい、噂をすれば警備兵どもだ。どこかに隠れよう。“姿隠し”の特殊技能は持っていないが、どこかに隠れられれば……あった。私は近くの家の暗い玄関口に、音を立てないようにしながら身を隠した。明かりと足音はどんどんこちらに近づいてくる。目をつぶって、2人が私に気づかずに通り過ぎることを願った……
「うわっ! 何だこいつは?」
明かりが私の顔面を照らした。見つかってしまったのだ!
「ほら、出てこい! お前、ここで何をしているんだ?」
ここで素直に出てしまっては、警備兵どもに連行されて、やがては監獄につながれるのがオチだろう。幸い、後ろにドアがある。ここを抜ければ……。私は、警備兵どもに気づかれないようにしながら、ゆっくりと後退り、ドアの取っ手に手をかけた。あわよくば、後ろのドアから逃げ出す算段だ。ここで運だめしを行う。DD=9≦11で吉と出ました(運点−1)。
運よくドアは開いた。倒れ込むようにしてその中に入ると、即座に閉めて留め金をかけた。しかし、警備兵どもも黙って見過ごしはしない。
「おい貴様、ここを開けろ!」
ドンドンと荒々しくドアを叩く音が聞こえてきた。どうもこの調子では、こいつらに留め金を破壊されてしまうだろう。おまけに、警備兵がドアを叩く音によって家の住人達が目を覚ましたらしく、階上で慌ただしく身づくろいをしている様子が見て取れた。これ以上ここにいてはまずい。私は咄嗟に判断し、ドアの反対側にある窓のところへ駆け寄ると、そこから外へと逃げ出した。
ドンドン! バキッ、ドガッ! ……ついに留め金は破壊された。だが、その頃には私はとうの昔に部屋を抜け出していた。
「うるさいなあ、一体何の用だ?」
「あ、これはどうも、お世話になっております。実は、お宅の家に盗賊が侵入しまして。」
「盗賊? そんなのはおらん!」
「本当です。さっきはいました!」
「今はおらんぞ! それよりお前達、何で1階の小屋の扉を破壊したんだ。返答次第によっては、アズール卿に訴え出るぞ!」
「ひぃ、それだけはご勘弁を。大変申し訳ございませんでした。」
「今回は許してやる。だが、次はないからな。分かったら、とっとと消えろ!」
「失礼しましたぁ〜〜〜!」
ポートブラックサンドの警備兵どもも、金持ち連中には頭が上がらないようだ。
私は、警備兵とさっきの家の住人達の間でトラブルが起きたことなど露知らず、再びフィールド門の近くまで来ていた。ショート通りとフィールド通りの角にたどり着くと、家が二軒建っている。右手の家は見事な石造りの二階建てで、玄関の門のところにはコインの印が彫られている。左の家はそれより少し小さめの木造住宅で、玄関の門のところには船のオールの印が描かれている。このどちらかがブラスの家だ。ハゲのモリィによると、右の家がブラスの家だろう。だが、私は敢えて左の家に入ることにする。というのは、先程の商人ギルドで最初からコインの印のドアを試したとき、魚の印のドアを試す機会がなかった。右の家がブラスの家ということを知っているのだから、その知識を逆用して多くの戦利品を仕入れようという魂胆だ。
さて、肝腎の左の家だが、ぐるりと見渡したところ、入口は家の横にある玄関だけのようだ。無論、ドアには鍵がかかっている。ここで合鍵の束を探す。船のオール印の鍵は……あった、これだ。私は、音を立てずに鍵を回した。蝶番が少し軋(きし)んだが、それほど大きな音は立てなかったので、多分大丈夫だろう。携帯用ランプの明かりで周りを照らしてみると、そこは玄関のようだった。一方の壁のところには小さなテーブルがあり、その上のお盆に何枚かの紙が置いてある。玄関の奥手にはドアがあり、その横にはコート掛けが立っている。そしてそこには、黒いフードつきのマントが掛けてあった。このマントを着てみる。お、なかなか着心地がいい。そればかりでなく、夜の影に紛れやすくなったぞ。このマントは“姿隠し”の特殊技能に匹敵する。身につけているので、バックパックに入れる品物には数えない。
よし、これで全ての特殊技能を手にいれたぞ。ふと、修行時代を思い出す。そもそも、運動が苦手な私は、知略型の盗賊としてギルドに入門したのだ。だから、目利きや感知といった、どちらかと言うとあまり運動を要しない修行に励んだのだ。あと、指先を器用にするとのことで、すりの技を習得した。壁登り、忍び足、姿隠しといった運動系の特殊技能はどうしても会得できなかったのだ。だが、ロープと鉤爪、ボロ布、合鍵の束、そして黒いフードつきのマントという道具によって、他の特殊技能を得ることが出来たのだ。一人の能力ではできることとできないことがある。できないということは恥ずべきことではない。それを他の手段で補えばいいのだ。商人ギルドの鉄のドアのように、能力を持っていなければならないときもあるが、それでも行動範囲が広くなることは間違いない。
そんなことを考えながら、私はお盆を調べるためにテーブルに近づく。お盆の上の紙は手紙のようだった。既に開封されていたので、中身を取り出して読んでみた。それは、マーリン船長という人に宛てられたものらしく、内容は彼がサイラス・ウイットベイトという商人の代理でこれから行おうとしている貿易のための航海について書かれていた。しかし、その手紙にブラスの名前は一度も出てこなかった。それもそうだろう、ここはブラスとは関係のない場所なのだから。
そろそろここを出るとするか。ここはブラスの家でないことは先刻承知だし、これ以上ぐずぐずしていると、住人に見つかってしまう可能性もある。私は船のオールの印の家をそっと出た。そして、合鍵の束を使って今度は鍵を閉める。よし、これで元通り。それからコインの印の家に向かった。
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〔STATUS(現在の値/原点)〕
※ 変化があったものは赤い太字
技術点 ……… 8/8
体力点 ……… 15/19
運点 ………… 10/11
金貨 ………… 22
食料* ……… 10
飲み薬** …… ツキ薬
バックパックに入れる品物
…… 1.食料*、2.飲み薬**、3.ロープと鉤爪(壁登り)、4.椅子の足、5.重い鎖2本、6.(空)
その他の品物
…… 短剣2本、革の上着とすねあて、携帯用ランプ1つ、松明1本、火口箱1つ、ボロ布(忍び足)、合鍵の束(錠破り)、Lという文字が刻まれている鍵、黒いフードつきのマント(姿隠し)
特殊技能 …… すり、感知、目利き、壁登り、忍び足、錠破り、姿隠し
ノート ……… マダム・スターのヒント(289)、商人ブラスのシンボルはコイン、ブラスの金庫を開けるには2本の鍵が必要で鍵のうち1本はブラスが肌身離さず所持、商人ギルドのヒント(90)
(Save Number:384)
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2025/09/28
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