甦る妖術使い(プレイ日記)


【第29回】 妖術使いラザック

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 8/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119、戦闘用ハンマーは金貨35枚、ラザックを倒したら、即座に石棺の間から出なければならない
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、ハマカイ語の巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角、認識票(283)

〔276〜〕
 ここはエルヴィンの村はずれ。寝ている人間の首にかかっていた銅の護符を見事に盗み取ったエルヴィンは、自分の村へ急いでいた。こんなに強そうな魔人を象(かたど)った護符なのだから、相当な値打ち物に違いない。エルヴィンはそう思い、誇らしげに村の中へ入って行った。周りのエルヴィンは目を見張った。このような銅細工はそうそう手に入れられるものではない。早速エルヴィン達の間で人気者となった。
 突然、銅の護符を首にかけていたエルヴィンが声もなく地面に崩れ落ちた。周りのエルヴィン達は助け起こす…助け起こしたエルヴィンが悲鳴をあげた。それもそのはず、銅の護符を首にかけていたエルヴィンから生気が抜け、今やゾンビ状態になっていた。そして、事もあろうか、助け起こしたエルヴィン達に襲い掛かったのだ! 周りのエルヴィンの一人は何が起こったのか全く把握できず、ゾンビ化したエルヴィンに瞬時に顔を掴まれる。顔を掴まれたエルヴィンまでもがゾンビ化するではないか。一瞬にしてエルヴィンの村は阿鼻叫喚の地獄絵図と化した……。

 人影がゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。靄を通して見えた影は……なんと、ヤズトロモだ!
「やァ、久しぶりじゃのう。まさかここでわしに会うとは思ってもみなかったじゃろう。お前さんは」
 彼は陽気な声で言う。だが、何だか変な気分だ。胸騒ぐとはこのことを言うのだろう。ヤズトロモはそんな私の気持ちなどお構いなしにこちらに近づき、肩に手を回して言う。
「<批判屋>よ、お前はアランシアの平和のために予想をはるかに越える働きをしてくれた。じゃが、悲しいかな、それだけでは十分ではなかったのじゃ!」
 ヤズトロモの手が私の肩から顔に移る。突如、宝石付きの金の指輪が眩いばかりの光を放った。流石のヤズトロモも目がくらんだ。危険を察知し、私はヤズトロモの手を振り払う。そして、後ろに飛びずさる。
「無駄じゃ。お前の首には邪悪の護符がついて……いない!
 そうか。エルヴィンに盗まれたあの角の生えた魔人の型をした銅の護符は、つけてはいけないものだったのか! あのとき誰かに監視されているような気がしたが、それはヤズトロモだったのか……って、あんた、本当にヤズトロモなの? その答えは次の瞬間に出た。
 ゆっくりとヤズトロモの姿が消え、恐ろしいラザックの真の姿が明かされる。大きすぎる頭で背中は歪んだように曲がっており、一方の手は地面に引きずられ、もう一方は萎びて縮こまっている。そして、片方の目は膨らんでおり、不格好な顔の左側を、ねじ曲がった笑みが更に歪めている。禿げた頭蓋には赤い血管が脈打っている。これほどまで醜く、近寄りがたい雰囲気の持ち主に出遭ったのは初めてではないが、やはりいい気分はしない。
「そうか、あのエルヴィンめ! せっかくわしの剣を持つものを滅ぼせるチャンスを潰しおって……ぬん!」
 ラザックが何かエルヴィンに対して報復の手段を講じているのは想像できるが、具体的にどんなものかは分からない。一つ確実に言えることは、あの盗難事件は厄落としも厄落としで、結果的にはお釣りが来たということだ。
「ウンゴス!」
 ラザックが呼びつける。その名に私はあのときの戦慄が全身を駆け巡った。
「呼んだ、ラザック?」
 ラザックとウンゴスは主従関係はあるものの、立場的には対等のようだった。
「なぜわしの剣を持っている者をここに通した?」
「なぜって、この者は私の問いに全て正確に答えたから問題ないと思ったんだよ。」
「ええい、貴様の目は節穴か?」
「そんなことは、見ればわかるじゃん。私の目は節穴だよ。」
「まあ、確かに……って、もう良い、下がっていろ!」
「ふああ〜〜い。」
 ウンゴスは私に襲い掛かるようなことは一切せず、再び自分の玉座に腰をかけ、微動だにしなくなった。
「さて……貴様、ただのネズミではないな。だが、貴様は深みにはまりすぎた。死ぬがいい!」
 突然、ラザックは縮こまった手をこちらに向かって差し、その指先からまっすぐ火の玉が打ち出される。この距離ではよけられるはずもなく、火の玉は私に命中する。だが、私の目の前で火柱を上げても、私自身には全く燃え移らない。ラザックに驚きの表情が浮かび、彼はもう一度火の玉をこちらに放つ。だが、結果はさっきと同じだ。
「貴様、あのガラス球の煙を吸ったな? そうとしか考えられん。ようし……これならどうだ!」
 ラザックは理解不能な言葉をもぐもぐとつぶやき始める。瞬時にして彼の指先には巨大な汚れた昆虫に覆われ、恐ろしいことにこちらに向かって集団で飛んでくる。それはまるでラザックが大きな脈打つ円錐の形をしたものの端を持っているかのようにも見える。って、そんな悠長なことを言っている場合ではない。このままでは目、鼻、口、耳から体内に昆虫に入り込まれてしまい、悍(おぞ)ましいことになってしまうだろう。そうだ、今こそハマカイ語の巻物を使うべきときだ。
66
 危ないところでハマカイの呪文が効果を発揮し、見えない障壁に囲まれる。何百もの針を持った昆虫はこの障壁を越えることができない。この予期せぬ展開にラザックはイラつき、昆虫を追い払う。
「これならどうだ!」
 ラザックの指先から眩いばかりに真っ白い、ジグザグの電撃が迸った。魔法の障壁を突き抜けて私に直撃……せず、守護者に吸い込まれ、消えてしまう。3回連続で魔法が失敗したラザックの崩れた顔にもさすがに不安の影がよぎる。恐らく、この世でこれほどの魔法に打ち勝つ者がいるなど想像だにしていなかったであろう。今だ!

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 8/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す、ガラス球の煙を吸った、スーマ11、タマルは108歳で死んだ、ゾンビの腕にはの入れ墨、ホビットの耳大食い競争のアランシア記録は119、戦闘用ハンマーは金貨35枚、ラザックを倒したら、即座に石棺の間から出なければならない
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨7枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、麻痺の杖、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符銅の腕輪、ハマカイ語の巻物(66)、ブロンズの鍵、ガーガンティスの角、認識票(283)
 (Save Number:271)

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2018/12/25
2019/01/01 修正


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