甦る妖術使い(プレイ日記)


【第12回】 捕らえられたハーフエルフ

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 10/16
 運点 … 9/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨6枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、1口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、銀の杖(37)、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符

〔304〜〕
 次の一時間の間、山を通っての帰りの旅は何事もなく過ぎる。と、南の小山――あまり遠くない林に覆われた小山――の方から声が聞こえた。
「誰か〜、助けてくださ〜い。」
 女性の声だ。助けに行こう。別に疚しい考えはなく、「窮鳥懐に入れば猟師もこれを殺さず」の諺に則(のっと)っただけのことだ。声のする方に近づいてみると、宙づりになっている女性の姿が見えた。右の足首だけを縄で結ばれ、両手は後ろに縛られている。これではどうすることもできないだろう。
「お願いです、助けてください。助けてくださったら、あなたのお怪我を治して差し上げます。」
 私は一瞬、彼女を無言で見つめる。アランシアの数多くの冒険者が、過去にこういった騙し討ちに遭って殺された。だが、彼女の言っていることは本当に思える。よし……
 私は、まず彼女の足首の縄を剣で切断する。彼女が地面に叩きつけられる寸前に身体を抱きとめる。その間、私は無言だ。手首の縄はまだ切っていない。彼女をそっと地面に下ろす。
「もしかして、私のことをお疑いですか? 私の名前はジェラ、ハーフエルフです。私はゼンギスのコバックという魔法使いの見習いです。彼は長生きの研究についての専門家で、私に稀な薬草を探しに行くよう命じたのです。不運なことに、私はゴブリンに待ち伏せされて、持っていたほとんどのものを奪われてしまいました。奴らはそれでも飽きたらず、私をこの木に宙づりにして去っていったのです……」
 どうやら信用してよさそうだ。私は彼女の手首の縄を切りながら、自己紹介をした。
「私は<批判屋>と申します。お疑いしてすみませんでした。あなたの話はどうやら本当のようですね。私もゴブリンどもの襲撃に遭ったことがあります。実は、私もある魔法使いに命じられていまして、これから帰るところです。」
 完全に自由になった途端、ジェラの目から堰を切ったように涙があふれ出した。これまでの恐怖と今の安堵に包まれたからだろう。私は泣きじゃくるジェラを思わず抱きしめ、頭と肩と背中を撫でる。ジェラの感情が一挙に掃き出るようだった。やがて、ジェラが幾分か落ち着いた頃、ジェラは再び口を開いた。
「助けてくださいまして、ありがとうございます。あなたが通りかからなかったら、私は宙づりになったまま命を落としたかもしれません。あのゴブリンたちは、最も大切なものを無視していったのです。治療の粉が入った缶です。どうぞ、これをお飲みになってください。」
 ジェラはそう言って小さな缶を開け、一つまみの茶色い粉を差し出すのを見る。この粉を飲まない選択はないでしょう。私は喜んで粉を飲む。ジェラの言葉通り、私の傷はみる間に治って行った。体力点D+2増やす。は…だった。つまり回復する。よし、これで原点に戻ったゾ。ジェラは私の傷が治るのを見て満足しているようだ。
「<批判屋>さん、あなたの行く方向の山には、岩妖怪がたくさんいます。気をつけてください。」
「治療していただいた上に忠告をありがとうございます、ジェラさん。私はそろそろ行かなくてはなりません。」
「いえいえ。こちらこそ、助けていただいたことには及びません。お気をつけて。」
 ハーフエルフと言えば人間からもエルフからも“出来損ない”の烙印を押される種族のはずだが、ジェラは素敵な女性だった。ハーフエルフに対する偏見がなくなる日が来ることを待ち望みつつ、ジェラに別れを告げる。別れ難かったのはジェラも同じだっただろう。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 9/12
 メモ … カメレオナイトの血を塗った、御影石の扉から先へ進むには184と押す
 宝物 … 金塊(金貨10枚分)、正気の水晶、月の指輪、髑髏の指輪、金貨6枚、宝石付きの金の指輪
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、1口分)、鎖帷子、聖水の瓶、ナイフ、銀縁のヒビ割れた鏡、銀の杖(37)、蝋燭、守護者、ラザックの剣、角の生えた魔人を象った銅の護符
 (Save Number:48→382)

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2018/01/16


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