ナイトメア キャッスル(プレイ日記)


【第19回】 光り輝く戦士

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+2)/10 (スカルロスの三叉槍を使う場合のみ)
 体力点 ……… 25/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 12/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 3
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪スカルロスの三叉槍緑色の球体、ロースの護符
 備考 ………… スカルロスの三叉槍で人間以外の敵に与えるダメージは4点

〔335〜〕
 辺りは暗闇に包まれた。この石造りの部屋は相当地下深いところにあるようだ。私は暗闇に目を凝らし、微かな光に照らし出された戸口の向こうをじっと見つめようとした。すると、突然光の中で何かが動いた。



 板金製の鎧を全身に纏い、頭に閉じた兜をかぶった巨大な戦士の姿がそこにあった。私も長身に属すると思うが、目の前の戦士は私よりも頭二つ分は大きいようだった。先程から発している光の源は戦士自身の体だったのだ。光は鎧の継ぎ目から、あるいは、兜の目庇(まびさし)の間から滔々(とうとう)と流れ出していた。戦士の纏っている不気味なマントは床まで垂れ下がり、床の上をひきずっていた。単調なくぐもった声が言った。
「我が名はスカルロス。即刻ここを立ち去るか、さもなくばここで死ぬか。」
 私は例によってロースの護符を取り出した。護符の眩(まばゆ)いばかりの光が兵士の頭に降り注いだ。だがそれとて何の効果も及ぼしていない様子である。光の衝撃による後ずさり一つするどころか、むしろ刃の広い刀を振りかざして前進してくるではないか。
「我が名はスカルロス。即刻去るか、さもなくば死か。」
 スカルロスの三叉槍を構えながら、一つの疑問が頭を擡(もた)げた。目の前の存在は本当にスカルロスなのだろうか? そう言えば、私はスカルロスの三叉槍を持っていながら、肝腎の英雄スカルロスについてほとんど何も知らなかった。伝説の英雄スカルロスの名は古物商の声からしか聞いていないのだ。第一、本物のスカルロスならば自分がかつて使っていた武器を見分けられないはずはないだろう。そうこうしている間にもスカルロスの三叉槍はエネルギーを発しながらひとりでに前に突き出し、元の持ち主のところへ行きたがっているようだった。あるいは、目の前の存在が偽者であることを示唆しているのかも……。
「我が名はスカルロス。即刻去るか、さもなくば死か。」
 さっきから同じことばっかり言っているなあ。伝説の英雄とやらはもう少し語彙力に長けていると思っていたのに、ますます本物のスカルロスかどうか怪しくなってきたぞ。そうだ。少し鎌をかけてみよう。私はスカルロスの三叉槍を意気揚々と掲げ、相手の剣先を巧みによけながら、私は光り輝く戦士を攪乱させようと試みた。
「我が名はスカルロス。即刻去るか、さもなくば死か。」
 うるさい。お前はそれしか言えないのか。
「じゃあ、これは何だ?」
 私はスカルロスにスカルロスの三叉槍の先端を向けた
「お前がスカルロスだというのなら、なぜ私がこの槍を持っているのだ? この槍を知らないとは言わせないぞ。」
 その途端、光り輝く戦士は身震いして立ち止まった。私の攪乱作戦が効を奏したのか、それともこの槍を怖がっているのか? 考える暇もなく、暗闇の中から甲高い不気味な声が響いた。
「哀れなスカルロスにはもはや荷が重すぎるようじゃな。さあ、わしの作業場に入るがいい。ザカーズは元気のいい奴隷を心から歓迎するぞ。」
 ザカーズ? とすると、扉の向こうはニューバーグを恐怖に陥れた元兇の本拠地……。向こうに行っても良いのだが、まずはこの光り輝く戦士の正体を調べることにしよう。ちょっと興味があるんだよな、伝説の英雄の御尊顔に。スカルロスはさっきから直立不動でいるから、ある意味調べやすかった。鎧の下から足が見えるぞ……って、奇怪な固い塊だった。何か変だな。まあいい。兜を引っぺがせば、全ては分かる。
「さあ、英雄スカルロスとやら、お前の顔を見せ……
 キャーーーーーーッ!!」
 私は悲鳴とともに兜を取り落とした。英雄スカルロスには頭がなかった。そこにあるのはぬめぬめと輝く、のっぺらぼうのぶよぶよした塊だった。ここで意志力だめしを行う。意志力点原点まで回復しているので自動的にと出ます(意志力点−1)。私は身の毛もよだつ眺めで心を奪われそうになったが、スカルロスの三叉槍の青い光で我に返った。まるで私の危険を察知したのかのようだった。そして、槍はひとりでに動き出し、この塊の急所(?)を貫いた。塊は即座に絶命した。やはりこの槍は目の前の存在が偽者だと見破っていたのだ。
 この塊、前にも見たことがあるぞ。そうだ、塔の入口でドワーフの庭師を遠ざけていたオーガーのかぶっていた布切れだ。至るところにこのぶよぶよがいるのも気持ち悪い。(ここをクリックするとイラストが出ます。見る勇気のある方のみご覧ください。)
 これ以上こんな不気味な生き物に付き合ってなんかいられない。さっさと扉の向こうへ行くとしよう。その方がまだましだ。本当にましなのだろうか? だが、行くしかないだろう。
 私は覚悟を決めて、開いた戸口へ向かった

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10(+2)/10 (スカルロスの三叉槍を使う場合のみ)
 体力点 ……… 25/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 11/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 3
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪スカルロスの三叉槍緑色の球体、ロースの護符
 備考 ………… スカルロスの三叉槍で人間以外の敵に与えるダメージは4点
 (Save Number:107→279)

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2023/12/13


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