ナイトメア キャッスル(プレイ日記)


【第18回】 ザグーラの魔法使い

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+2)/10 (スカルロスの三叉槍を使う場合のみ)
 体力点 ……… 23/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 12/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 3
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪スカルロスの三叉槍緑色の球体、ロースの護符
 備考 ………… スカルロスの三叉槍で人間以外の敵に与えるダメージは4点

〔213〜〕
 扉の向こうは控えの間だった。部屋の中にはごくわずかな家具があるだけで、別の扉が左右についていた。右側の扉の向こうで人の声がしたような気がする。だとすると、右側の扉はまずいな。いくら南国人のローブを身につけているとはいえ、わざわざ敵の真っ只中に飛び込むようなものだ。左の扉に入ることにしよう。左の扉の向こうは細長い食料貯蔵室になっていた。壁に沿って樽や箱が積み重ねられ、木のテーブルの上にはところ狭しと食料が並べられている。さっきの両開きの扉の向こうにある“食料”は罠の可能性があったが、ここにある食料はどれも本物だろう。なぜなら、本来ここは南国人兵士によって見張られている扉の中だからだ。試しに食料を食べてみると……おいしい! このところ食事がミートパイ続きだったから、たまにはバリエーションのある食べ物が欲しかったんだ。高級なフランス料理が1か月も続いては一汁一菜の食事が恋しくなるのと同じ理窟だ。食べているうちに、さっきの戦闘での傷が回復するようだった(体力点+4)。
 食べ終わったところで、この部屋から続いている扉を調べてみることにする。先程の控えの間に戻る扉の他に、この部屋の脇に新しい扉が見えた。この脇に見えた扉を開けてみよう
 扉を開けると、そこには深紅のローブ姿の存在がこちらに背を向けていた。あれ、この深紅のローブ、見覚えがあるぞ。深紅のローブ姿の存在は背の高い鏡の前に立ち、自身の映像を前に小さな黒い箱を操っていた。その存在がこちらを振り向く……。



 深紅のローブ姿の存在はまだうら若き女性だった。FFシリーズの中では“美人”の方だと思うが、性格の悪さが顔に出ていることもまた事実だった。私の叔母を彷彿させる(管理人注:実話です)。
「とうとう私を見つけたのね。尤も私にとっては痛くも痒くもないけれど。私はザグーラのセニャカーズ。今はひとまずお暇するけれど、時が来たらまた戻ってくるわ。仕事をやり遂げるためにね。少しくらいの年月なんて私にとっては何でもないわよ。その頃にはあなた達は死んじゃっているでしょうけれどね。それより私のかわいいペットにお気をつけ遊ばせ。ご機嫌よろしゅう!」
 ここは、ザグーラの魔法使いセニャカーズの部屋だったのだ。トールダーを魔術の虜にし、ニューバーグ城塞の地下深くから悍ましい恐怖を呼び出した張本人がこのセニャカーズだ。だが、今はそれよりも周りの状況を見る必要がある。先程とは状況が一変して部屋いっぱいに巨大な蜘蛛の巣が張り巡らせられているではないか。天井近く、巣の真ん中に馬ほどの大きさもあろうかと思われる蜘蛛が居座っていた。グレイルクエストのEJ(エクスカリバージュニア)がいたら泡を吹いて気絶するレベルだろうが、私は蜘蛛の扱いには慣れている(?)。緑色の球体を持っていることがその証拠だ。小さな蜘蛛の大群ならまだしも、大きな蜘蛛だったらスカルロスの三叉槍で一突きだ。私は腕で顔をかばいながら蜘蛛の巣に飛び込んだ。蜘蛛の巣のねばねばが腕に……絡みつかなかった。何だ、これは幻影だったのか。幻影だと分かった瞬間、蜘蛛は巣もろとも消え失せ、再び先程の部屋に戻った。セニャカーズが振り返ってこちらを見ている。その顔には自分の邪魔をされた怒りと同時に自分の幻影の術を見破られた恐怖が浮かんでいた。
 セニャカーズは長いナイフをローブの袖から取り出した。さて、ここでロースの護符を……使いません! この部屋には巨大な鏡があったはずだ。セルニックの言葉によると、ロース自身が鏡の前でロースの護符を使ったことによってロースは命を落としたと聞く。多分、鏡によって護符から放たれる強い光が反射してロース自身が己の護符によって命を落とすとかいう皮肉がオチでしょうが。一体ペーターダービルエヴァンスは読者に焼き蛤を何皿食わせる気だ? また、セニャカーズと話し合いをするなど愚の骨頂で、話し合いの隙にトールダーの如く骨抜きにされてはただの間抜けだ。問答無用でセニャカーズと戦うことにする。幻を操るセニャカーズはまた熟練したナイフの使い手でもあった。
 セニャカーズは腐れ女だが人間のため、スカルロスの三叉槍によるダメージは通常の2点です。但し、技術点ボーナス(+2)は他の敵と同様に適用されます。
 〔セニャカーズ〕 技術点  9  体力点  8
 〔批判屋〕    技術点 12  体力点 25

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔セニャカーズ〕9+11=20 < 24=12+12〔批判屋〕○ ⇒ 〔セニャカーズ〕体力点−2=6
[2R] ×〔セニャカーズ〕9+=17 < 21=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔セニャカーズ〕体力点−2=4
[3R] ×〔セニャカーズ〕9+=16 < 19=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔セニャカーズ〕体力点−2=2
[4R] ×〔セニャカーズ〕9+11=20 < 21=12+〔批判屋〕○ ⇒ 〔セニャカーズ〕体力点−2=0
 セニャカーズのナイフ捌きは鋭く、最初と最後のラウンドはかなり際どいところだった。しかし、スカルロスの三叉槍がセニャカーズのナイフの動きを逸早く察知して鋭い切っ先を悉く躱すことができた。私の最後の突きは見事セニャカーズの胸を貫通、文字通り串刺しにした。スカルロスの三叉槍のお蔭で、辛うじて無傷で戦いに勝つことができたのだ。
「うぐっ……ザ…ザカーズ……私の無念を……晴らして……くだ…さ……い………」
 それだけ言うと、セニャカーズは事切れた。ついに私はザカーズの弟子セニャカーズを討伐したのだ。後(のち)に分かったことだが、このセニャカーズこそが南国人兵士を率いる首領だったのだ。そして、トールダー男爵をその美しさで心を支配していたのである。セニャカーズ亡き今、トールダー男爵は正気に戻っていることだろう。だが、セニャカーズを斃しただけではニューバーグに真の平和は訪れない。セニャカーズの師であるザカーズを斃さなくてはならないのだ。
 さて、金属を嵌め込んだ背の高い鏡と、セニャカーズが握っていた小さな黒い箱は、セニャカーズにとってニューバーグと向こうの世界をつなぐ重要なものだったに違いない。黒い箱で鏡の向こうへの行先を決め、鏡によってワープする。ジパングのドラえもん風に言うと「どこでも鏡」となるのだろう。箱はからからと音を立てたが、封印されていて中を開けることはできなかった。いきなり箱を潰すという野蛮な真似はせず、まずは仔細に検分することにしよう。立方体の箱の表面には小さな金属製の棒が埋め込まれていた。表面の上には「Z」、下には「X」と刻み込まれている。棒は上下に動かすことができるようだ。さて、「Z」に動かすか、それとも「X」に動かすか? これは原著でないとヒントが分からない。原著によると、ZはZagoula(ザグーラ)、XはXakhaz(ザカーズ)の頭文字らしい。だったら一目瞭然だ。私は棒を」方向に動かして、鏡を見守った。もやもやしたものが現われたかと思う間もなく、鏡は極彩色の渦巻きであふれた。私は鏡の前に立ち、深く息を吸い込んでから虹色の渦巻きの中へ足を踏み入れた。
 部屋の向こうは空っぽだった。背後に渦巻いている極彩色だけが唯一の明かりだった。空っぽの部屋はたいそう広く、辛うじて反対側の一つしかない戸口が見分けられる程度だった。やがて、背後の鏡の渦が治まった。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10(+2)/10 (スカルロスの三叉槍を使う場合のみ)
 体力点 ……… 25/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 12/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 3
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪スカルロスの三叉槍緑色の球体、ロースの護符
 備考 ………… スカルロスの三叉槍で人間以外の敵に与えるダメージは4点
 (Save Number:335)

← 【第17回】へ | 【第19回】へ →


2023/12/10


直前のページに戻る

『ナイトメア キャッスル』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。