ナイトメア キャッスル(プレイ日記)


【第10回】 ドワーフの庭師

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 24/25
 運点 ………… 11/12
 意志力点 …… 10/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 6
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪、青い金属製の三叉槍の頭、緑色の球体

〔235〜〕
 扉の向こうで何かを動かす音がした。音がやむと、扉の向こうからしわがれた声が聞こえた。
「どうぞお入り。但し、お前さんの剣を鞘に収めてからな。」
 どうやら私の声は扉の向こうにいる存在に届いたらしい。私は、言われた通り剣を鞘に収めてから(もともと収まっているが)、扉の把手に手をかけた。今度は開いた。



 扉を開けると、そこは大きな風通しの良い部屋だった。植木鉢の整然と並べられた棚、園芸道具でいっぱいの収納箱、垂木からぶら下がっている乾燥した薬草の束などがきちんと置かれている。部屋の真ん中にはには、一人の老ドワーフがいた。ドワーフの両手は緑色に輝いており、その手にはルーン文字の刻まれた斧が握られていた。
「お前さんがこの10週間にも渡ってわしを庭園から遠ざけおった忌々しいオーガーを倒した勇士ならば感謝しよう。お前さんがトールダー男爵の味方にせよ、敵にせよ、わしの部屋に立ち入ることを許可する。」
 これはこれはご丁寧にどうもありがとうございます。待てよ? このドワーフ、確かトールダー男爵と言ったな。それならば、このドワーフは何かを知っているかもしれない。敵の敵は味方とは限らないが、少なくともこのドワーフは初めて会う私の「オーガーを倒した」という言葉を信じた。ここは思い切って私の探索行を打ち明けることにしよう。
「ドワーフさん、あなたを信頼できるお方と見た。実は私はトールダー男爵の古くからの知り合いで、このニューバーグ城塞に蔓延る悪を一掃するためにここまで来ました。私がオーガーを倒したのも何かの天命かもしれません。」
 老ドワーフはしばらく考え込んでいたようだったが、やがてため息をつきながら口を開いた。
「わかった。お前さんを信用することにしよう。そんな荒唐無稽な話はおよそ本物でなければ思いつかないだろうからな。それに、お前さんが仮に本当は小賢しいペテン師だったとしても、この城を牛耳っている連中よりはよっぽどましだろう。尤も、お前さんに敵意がないことは分かっておるがな。このわしが、ではなく……。まあそれはともかくとして、できる限りの手伝いはしよう。ここへ来るまでに相当汚れたであろう。向こうに湧き水があるから、そこで水浴びをしてくるがよい。なに、水は飲み水にも使えるくらいだから安心しなさい。」
 ありがとうございます! 実は、体中についた蜘蛛の死骸を綺麗に洗い流したいと思っていたばかりでした。私はドワーフの言葉に甘えて、水浴びをした。ドワーフの言葉通り、水は綺麗だった。服の汚れまでは完全に洗い流せなかったが、それでも蜘蛛の体液などのほとんど全ての汚れを落とすことができた。ふと考えてみると、前に休息したのは<南の星亭>だったなあ。あれからかなりの時間が経っていた。差しあたっての休息所と味方を得ることができたのは本当に幸運なことだった。運点1を加えることができる。
「食料を持っているならここで食べるがよい。」
 それでは、ここで食事をさせていただきます。だが、ドワーフの視線が気になる。
「いや、すまぬ。生憎と、わしは何も持ち合わせがないのでな。だが、わしのことは気にせず食べるがよい。」
 そう言われると、ドワーフにも食料を分けてあげたくなるのが人情ってものだ。湧き水も使わせてもらったし、そのお礼と言ってはなんですが、一食どうぞ。私はドワーフに商業地区で買ったミートパイとパンをあげた。そして、一緒に食事をとった(食料−2体力点+4)。
「ふー、食った食った。ごちそうさま。実はな、わしはここ何日かほとんど物を食べておらんかったのじゃよ。お前さんのくれたミートパイとパンは格別の味じゃったのう。ありがとう。オーガーを倒してくれた上に、こんなおいしいごちそうまでくれるとは、本当にありがたいことじゃ。それなのに、わしはお前さんに何の返礼もできていないとは。」
 ドワーフは礼儀を重んじる種族と言われるが、この庭師も例外ではなかった。
「せめて、何なりと尋ねてくれ。ここにはいくつかの薬草もあるし、城内で何が起こっているかくらいならわしにも答えられるだろう。お前さんにはわしの斧――ボコービールという名前がついとるが――をやることにしよう。但し彼女は最近ひどく怒りっぽくてな。気をつけていないと、いつなんどきわしにお前さんを襲わせるかわからんのだよ、クスクス……。」
 どうやらこのドワーフはこの考えがすっかり気に入ったらしく、しばらく一人で笑っていた。
「おっと失礼。どこまで話したんだっけ? ああ、そうだ。何なりと尋ねてくれと言ったんだっけな。」
 さて、私は庭師に何を尋ねようか? 強制的に3つくらい候補が出た。
1.私の意志力点を強化する方法について
2.城塞の中で私の味方になってくれそうな人物について
3.青い金属製の三叉槍の頭について
 2.は、今私の目の前にいるではないか。3.は、この金属製の三叉槍の柄を見つける必要性があることを既に買った古物商から聞いている。となると、やはり1.が現実的だろう。蜘蛛の大群に集(たか)られたり、「かたつむり」に心を奪われそうになったり、実は精神的にかなりまいっている。よし、1.で行こう!
「ドワーフさん、私の意志力(点)を強化してもらうことは可能でしょうか?」

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 25/25
 運点 ………… 12/12
 意志力点 …… 10/12
 金貨(枚) …… 4
 食糧(食) …… 
 所持品 ……… ザック、剣、トールダー男爵から寄贈された指輪、青い金属製の三叉槍の頭、緑色の球体
 (Save Number:334→151)

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2023/11/12


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