ナイトメア キャッスル(プレイ日記)
【第6回】 商業地区での買い物
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
技術点 ……… 10/10
体力点 ……… 24/25
運点 ………… 11/12
意志力点 …… 12/12
金貨(枚) …… 8
食糧(食) …… 3
所持品 ……… ザック、剣、
トールダー男爵から寄贈された指輪
〔149〜〕
先程の騒動に巻き込まれながらも、私は食料品店の露店に戻ってきた。固くて冷たそうなミートパイやパンを吟味した。そういえば、告知板にはミートパイの認可価額云々が書かれていたが、その認可価額とは……三食分で金貨1枚、これは結構安いぞ。今、私のザックの中にはヒュー老人からもらった食糧が3食分あるが、たくさん買っておいて損はないだろう。
「へい、らっしゃい。」
みるからに頑強そうな店主が出迎えた。
「ミートパイ
三食分
をもらえないだろうか。」
「へい、まいど。
金貨1枚
になりやす。」
私は、
金貨1枚を店主に渡した
。
「旦那、お目が高い。このミートパイはケルサーからこちらでは一番の味ですぜ。しかも、挽肉ではなく干し肉を使っているから、保存食にもぴったりですわ。」
ケルサー……確か、T&Tソロ・アドベンチャーの「サルクティの魔除け」で飢饉に遭った島がそんな名前だった気が……そんなことを考えているうちに、店主が食糧を羊皮紙のきれっぱしでくるんでいた。
「へい、お待ち!」
私は店主からミートパイを受け取った。
「まいどありい〜〜!」
私は食料品店の店主の声を背に歩き出した。
これで食糧は大丈夫、と。あとは何を買おう。ん……なんかぼろっちい店があるぞ。役に立ちそうもない小間物やがらくたが山積みになっている。店主も、傾きかけた店と同じように小さく背中が曲がっている。かなりの年なのだろう。ドワーフか、あるいはゴブリンか?
「おまえさん、私の掘り出し物に興味津々のようじゃが、どうかね? 私の商品を見て行かんかね?」
買うかどうかは別として、見るだけならばいいだろう。私は
店主について行く
ことにした。
店主の後をついて行くとき、またしてもローブ姿の剣士の姿が目に入った。やはり、あいつらは私を監視している。ひょっとすると、あいつらが南の星亭の亭主やヒュー老人の言っていた南国人か? そんなことを考えているうちに、私は老人の快哉の声で我に返った。
「あったぞ!」
そう言って老人が小屋の奥から引っ張り出したものと言えば、園芸用の鍬と思しき物体で、表面は錆でびっしりと覆われていた。しかも、その鍬には柄の部分がなかった。
「おまえさんに必要なのは、これじゃ。南国人どもに手を焼いているようならば、これが役に立つ。どうじゃ、
金貨3枚
で。これは破格の値段じゃよ。」
この錆びた鍬みたいなのが金貨3枚? 呆けているのか、この老人は。しかし、私はヒュー老人の言葉を思い出した。
――かつて強大な武器があり、その一部がこのニューバーグのどこかに隠されておる。どこかの古物商のがらくたの山に埋もれていたとしても何の不思議もない。――
まあ、どうせこの先金貨をまともに使う場面などほとんどないだろう。南国人どもへの賄賂に使うよりは余程賢明な使い道に思える。私は金貨3枚を支払った。金貨を受け取った老人が次に言った言葉は……。
「
14へ行け
。」
これは、グレイルクエストシリーズにおいて、主人公のピップが選択を誤って死んだ際に行く番号ではないか! しかし、これはFFシリーズ、14は必ずしも“恐怖”の番号ではない(グレイルクエストシリーズでも全然“恐怖”ではないのだが)。
老ゴブリンは、私の差し出した金貨を鋭い目で見つめ、本物であると確信した後、背後の金貨入れに無造作に投げ入れた。
「わしはジパングのナゴヤ地区にいる、河村たかしとか申す輩のように、金貨を歯で齧るような愚かな真似はせぬ。ジパングでもまだCOVID-19とやらがまだ蔓延しているではないか。そんなご時世に何人の手に触れられたか分からぬ金貨に歯を立てるなど不衛生も甚だしいわ。わしはトールダーが生まれる前からこの商売をやっているからのう、金貨の鑑定能力は衰えてはおらぬ。」
何だかものすごく現実的なことを言っているな、この老ゴブリンは。それはさておき、ゴブリンは私に園芸用の鍬と思しき物体を手渡した。だが、よく見ると、それは鍬ではなく
青い金属製の三叉槍の頭
だった。槍の表面に刻まれた銘はすっかり錆に覆われていた。
「その錆は綺麗にしても、柄がなければ物の役には立つまいて。じゃが、もし柄を見つけることさえできれば、こいつはろくでなしの南国人どもや、奴らのペットに対抗する途轍もなく強力な武器となるじゃろう。わしはこの町の建物のほとんどが建てられる前からこの槍の頭を持っておった。そもそもこの武器が壊れたのはキャッスル・ヒルでの戦いでと聞いておる。ニューバーグの町や城塞がまだ建てられる前の話じゃ。南国人どもめは戦いに負けて敗走した。伝説によれば、連中の奇怪な同盟者どもがその足元の地面に呑み込まれたとき、槍の柄も後を追いかけて行ったとのことじゃ。連中はその槍を死ぬほど恐れていたそうじゃ。」
これでヒュー老人の言葉と話がつながったぞ。これは無駄遣いどころか、老ゴブリンの言葉通り安すぎる買い物になるだろう。但し、この槍の頭を見つけられたら、の話だが。恐らく、槍の柄はこのニューバーグの町にはないだろう。商業地区を離れ、道中で探すしかないようだ。
私は老ゴブリンに別れを告げ、小屋を後にした。そして、商業地区を一周し、やがて
例の告知板
まで戻ってきた。あとは川沿いだが、ここへは行かないことにしよう。ヒュー老人もそう言っていたし、先程の子供達に襲われた場所から察するに、あまり居心地の良い場所ではない。これで、ニューバーグの町で行くべき場所には全て行ったことになる。
とすると、次は、いよいよ
ニューバーグ城塞
だ。いずれ行くときが来るのは分かっていたが、今こそ行くべきときなのだ。私はニューバーグ城塞へ続く道であるキャッスル・ヒルを上って行った。
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
※ 変化があったものは
赤い太字
技術点 ……… 10/10
体力点 ……… 24/25
運点 ………… 11/12
意志力点 …… 12/12
金貨(枚) ……
4
食糧(食) ……
6
所持品 ……… ザック、剣、
トールダー男爵から寄贈された指輪
、
青い金属製の三叉槍の頭
(Save Number:289)
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2023/10/15
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