モンスター誕生(プレイ日記)


【第23回】 ダーガの真実と虚偽

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 11/11
 体力点 … 19/19
 運点 …… 10/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ、青い茎の草(49)、幸運の薬(運点原点まで回復する)、《真実の指輪(ダーガの話を聞いたら50を引いた番号へ)》

〔366〜〕
 おれは茂みの陰に隠れて様子を窺った。これと言って何も見つからない。と、誰かの悲鳴が聞こえ、戦っている音が近づいてきた。やがて、三人の姿が揉みあいながらその開けた場所にやってきた。



 三人のうち二人は山賊で、がっちりした体格をしている。革の胸当てとブーツを身につけ、腰のベルトに何本も投げナイフを差している。二人は白髪のエルフを殴りつけていた。エルフは滑らかなローブを身に纏い、武器は持っていない。
「この野郎、よくもおれ達に間違った方向を教えやがったな!」
「てめえのせいで、おれ達はひどい目に遭ったんだ。てめえも思い知れ!」
 エルフは勇敢に立ち向かってはいるが、どう見てもエルフに勝ち目はなかった。もしかすると、この白髪のエルフがダーガ・ウィーズルタングではないか? エルフと山賊との間に何があったのかは知らないが、このまま黙って見ていたらエルフは死んでしまうだろう。おれは、隠れていた茂みから飛び出した。ぎょっとして山賊達が振り向く。
「何だ、おまえは?」
 おれは山賊二人と同時に戦うことになった。
 〔山賊1〕      技術点  8  体力点  9
 〔山賊2〕      技術点  8  体力点  7
 〔モンスター〕    技術点 11  体力点 19

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔山賊1〕8+=16 < 22=11+11〔モンスター〕○ ⇒ 〔山賊1〕体力点−2=7
   △〔山賊2〕8+=16 < 22〔モンスター〕△
[2R] ×〔山賊1〕8+11=19 < 20=11+〔モンスター〕○ ⇒ 〔山賊1〕体力点−2=5
   △〔山賊2〕8+11=19 < 20〔モンスター〕△
[3R] 即死〔山賊1〕8+11=19 ≪ 13=11+ピンゾロの丁〔モンスター〕 ⇒ 〔山賊1〕体力点=0
   △〔山賊2〕8+11=19 ≪ 〔モンスター〕△
 山賊1は、おれの一撃で森の開けた場所の向こう側まで吹っ飛んで行った。
[4R] ×〔山賊2〕8+11=19 < 20=11+〔モンスター〕○ ⇒ 〔山賊2〕体力点−2=5
[5R] ×〔山賊2〕8+=15 < 16=11+〔モンスター〕○ ⇒ 〔山賊2〕体力点−2=3
[6R] ×〔山賊2〕8+=15 < 20=11+〔モンスター〕○ ⇒ 〔山賊2〕体力点−2=1
[7R] ○〔山賊2〕8+=16 > 15=11+〔モンスター〕× ⇒ 〔モンスター〕体力点−1=18
[8R] ×〔山賊2〕8+11=19 < 21=11+10〔モンスター〕○ ⇒ 〔山賊2〕体力点−2=0
 山賊2はよろよろと立ち上がり、白髪のエルフに向かって言った。
「この弱虫野郎、覚えてろ!」
 そう捨て台詞を吐いて、向こうに飛んで行った山賊1を抱きかかえて森の奥に去って行った。山賊達の仲間意識は強かったようだ。
 おれは山賊達を追い払った後、地面に横たわって呻いている白髪のエルフに注意を戻した。戦闘が終わり、おれに害意はないと知り、エルフはほっとしたようだ。だが、相変わらず倒れたまま起き上がろうとはせず、かなり苦しそうだ。
「ふむ。助けてくれて、ありがとう。あいつらを殺さなかったのは、君の思いやリか?」
 そう、おれは山賊1も殺してはいなかったのだ。山賊と言えば金目のものを奪うというイメージがある。だが、あの山賊達はエルフの金目のものには目もくれず、ひたすら殴り続けていた。それも、かなりの憎しみを込めて。このエルフに金目の物がないというのもあるかもしれないが、それ以上にこのエルフに相当な恨みがあったように思える。
「わ、痛っ、私はホワイトリーフという者だ。イーセル・アメインの村に住んでいる。」
 ホワイトリーフ? ダーガ・ウィーズルタングではなくて? 人違いか? だが、オフィディオタウルスがおれを間違った場所に連れて来るはずがない。このエルフは嘘をついているのか? おれは《真実の指輪》をエルフに向けた。だが、何も起こらない。エルフは無理におれの方に身体を向けているのに耐えきれず、仰向けになる。
「ふむ、あー、だいぶ楽になった。助けてくれたお礼に何かしたいのだが……。この森のことなら君よりも知っていると思うが、何かお役に立てないだろうか?」
 《真実の指輪》が力を発揮するのはまだか。ならば、取り敢えずガレーキープに潜り込む方法でも聞くとしよう。
 ホワイトリーフは、おれがガレーキープについて知りたがっていることに気づいた途端、嫌悪の表情を浮かべた。
「ふむ。ザラダン・マーの行くところ、後に残されるのは死と荒廃だけだ。もし風が急になくなってくれれば、ガレーキープはザラダンと血に飢えた獣人軍ともども全滅するのだが。いや、起こり得ないことを言っていても仕方がない。とにかく、あの空飛ぶ地獄の要塞を誰かが壊さなければならないんだ。」
 おれは、ホワイトリーフの話を熱心に聞いた。
「どうすればあの船に乗り込めるか知っているよ。風が弱まると、ガレーキープはここから少し西に少し行った地点に着陸するんだ。そこに行けば乗り込むことができる。」
 少し西に行った地点に着陸? ホワイトリーフは話を続けた。
「ふむ。君はガレーキープをやっつけるつもりなんだな? あいつが空から真っ逆さまに落ちて、乗っている奴らが全員いなくなってくれたらどんなにうれしいことか。幸運を祈るよ。」
 ホワイトリーフは話しているうちに元気になり、立ち上がろうとした。
 今だ! おれは《真実の指輪》をエルフに見せた。俄かにエルフはたじたじとなり、声の調子が変わった。
「あー、えー、今言ったことは少しばかり正確ではないかもしれないな。」
 少しばかり正確ではない? やはり、嘘だったんだ。ホワイトリーフという名も嘘で、おまえの本当の名はダーガ・ウィーズルタングなんだな?
「ふむ。私はダーガ・ウィーズルタングという。名前を間違って言ってしまったかもしれないな。」
 おれみたいにもともと名前のない奴ならともかく、自分の名前を間違える奴なんているか。おれは、ダーガに迫り寄った。
「ふむ。ガレーキープはこの近くへ着陸したりしない。そんなことをしたらガレーキープの乗組員にとって危険過ぎるからな。乗り込む方法は二つある。一つ目は、罠にはまって食糧として乗り込むことだ。ガレーキープの連中は、毎日乗組員の食糧を地上で調達している。この森のあちこちにやつらが罠を仕掛けているから、その罠にかかるんだ。二つ目は、サグラフの訓練所に行って、乗組員として雇ってもらうことだ。」
 サグラフの訓練所? 確か、地下迷宮でサイ男もそんなことを言っていたな。あ、訓練所に行ったら29番兵に会って手紙を渡すんだった。そう言えば、まだ渡していないが、まあいいか。29番兵に手紙を渡すのは、ザラダンを倒してからでも遅くはないだろう。
「ふむ。どうやら君はザラダン・マーに会いたいのではないかな? だとしたら……」
 そうだ。おれがガレーキープに潜り込む理由は、ガレーキープに住んでいるザラダンを倒すためなんだ。おれの指輪を見るダーガの顔が苦痛に歪む。
「ふむ。とにかく、私が知っていることは全て話してあげよう。その指輪はエルフが作ったものだからな。」
 そうしてくれ。だが、嘘をついたら、おれは山賊と同じことをおまえにするからな。
「ふむ。ザラダンがガレーキープで暮らしていることは知っているな? ザラダンのいる部屋にはあるマークがついているのだそうだ。それがどんなマークかは知らないが、それについてこんな詩がある。
  火と氷が争うとき、それを止めるのは何?
  火と氷の間に立つものは何?
  そのマークが火と氷を分かつ
  それは、火の赤でも、氷の白でもなく、青きもの
 私が知っているのはこれで全部だ! もう行かなければ! 助けてくれてありがとう。君の幸運を祈る!」
 そう言って、ダーガはおれに手を振って、そそくさと森の中に消えて行った。おれはダーガを見送った。
 山賊達の行動はお世辞にも“セイセイドウドウ”とは言えないが、山賊達も最初はダーガを信じていたのだろう。その信じていた者に裏切られたわけだから、怒るのも無理はない。おれも《真実の指輪》がなかったら、ダーガに、いや、ホワイトリーフに騙されていたことは間違いないからな。
 さて、これからの行動を考えなくてはならない。この開けた場所から、北に一本の道が延びていて、道はすぐ東西に分かれている。最初、ダーガは西へと言っていたが、それは嘘だった。ガレーキープに乗り込むには、態(わざ)と罠にはまるか、サグラフの訓練所に行くかだったな。手っ取り早いのは、罠にはまる方だろうな。おれは訓練所がどこにあるのか知らないし、仮に訓練所に着いたとしてもいつガレーキープの乗組員になれるか分かったものではない。おれは開けた場所を離れ、茂みの中を歩いて行った。その間にも、刻一刻と黒い物体がおれの背後に迫っていた。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 11/11
 体力点 … 18/19
 運点 …… 10/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ、青い茎の草(49)、幸運の薬(運点原点まで回復する)、《真実の指輪(ダーガの話を聞いたら50を引いた番号へ)》
 (Save Number:189)

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2022/11/21


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