モンスター誕生(プレイ日記)


【第18回】 カエル沼にて

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 11/11
 体力点 … 19/19
 運点 …… 10/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ

〔130〜〕
 北へ進んでいるうちに、やがて道は二つに分かれた。交差点に標識が一本立っている。南が《ドリー※※》、北西が《コーブン》、そして北東が《ブ・フォン・フェン》だそうだ。南はおれ達がてくてく歩いてきた道だから、北西か北東だな。
「おい、その標識をおれに見せてみろ。」
 そう言って、グロッグは標識を見つめた。
「南がドリー※※? ※※の意味はよく分からんが、南はコーブンだぞ。この標識、何だか変だな。ん……ちょっと待てよ…………そうか、分かったぞ。」
 そう言って、グロッグは標識を再度見た。
「おれ達が行くべき道は北西だ。北西に行こう。」
 おれには何だか分からんが、グロッグが北西って言うんだから間違いないだろう。おれ達は北西に進んで行った。
 進むにつれ、辺りの景色が変わってきた。草がだんだん高くなり、足元がぬかるみ始めている。草は今やおれの身長を超えていた。それでも、おれ達は草の中を進んで行った。草地を通る道は下が泥になっていた。おれ達は泥をはね散らかしながら進んで行った。しばらく進んで行くと道は少し堅くなり、いくつもの足跡がついていた。人間のものではない。水かきのある何か大きな動物のものだ。少し開けた場所があり、そこから道が二つに分かれている。
「止まれ!」
 おれが開けた場所に進もうとしたとき、グロッグがおれを止めた。グロッグは、足元の石を拾うと、開けた場所の中央に放った。石はずぶずぶと開けた場所に飲み込まれていった。
「危ねえ危ねえ……。どの足跡も真ん中を避けていたから、何か危険があるのかと思っていたんだ。やっぱり底なし沼だったか……。」
 おれが飲み込まれていたら、二度と出ることはできなかったに違いない。さっきの標識といい、この開けた場所といい、グロッグはおれにはない知恵を持っていた。おれ一人ではここまでたどり着くことはできなかっただろう。いつしか、グロッグはおれにとってかけがえのない存在となっていた。
 おれはグロッグの後に続いて、開けた場所の中央をよけるようにして進んだ。
「ここから道は北と北東に続いている。おれは北の方がいいと思うが、おまえはどうする?」
 もちろん、おれに異存はない。おれ達は草の間を曲がりくねる道を北に進んで行った。何匹かの沼蛇が道を横切ったが、ありがたいことに、どれもおれ達に向かっては来なかった。ガーガー、ゲロゲロという声がいくつも聞こえてくる。中でも一際大きな声がおれを苛立たせた。そのゲロゲロという声は、まるで反吐を吐くようにも聞こえる。そして、一箇所から聞こえるとまた別のところ、そして次のところと、まるで合図を交わすかのように続いていた。
 やがて、前方に川が見えてきた。色とりどりの花が川べりに咲き乱れている。地下迷宮を流れていたあの汚い川とは違い、この川の水は幾分か綺麗なようだった。おれがしばらく川の流れを見ているとき、ふと草むらからおれ達を見つめている一対の目に気づいた。まん丸い、飛び出した目が、ゆっくりまばたきする。おれが気づいたことを察知して、その目の持ち主が背を向けた。まるで岩のようにごつごつした背中だった。ガサガサと草をかき分けて逃げていく。
 おれはグロッグの方を向いた。グロッグもおれの視線に気がついたようだ。なんだかそわそわしている。
「おまえがあの目玉を追いかけていくのは自由だが、おれはごめんだぜ。おまえがどうしようが、おれはすぐにでもここを離れたいよ。」
 おれ自身はどうしようか? 目玉を追いかけて行くか? いや、その前に、川のそばに咲いている花を調べてみよう。岸辺には実に様々な花が咲いていた。自生しているように見えるが、実は誰かが栽培しているのかもしれない。もしかすると、さっきの目玉達が? まあ、それはいいとして、もう少し調べてみよう。高い緑の茎の草がトランペットのような形の紫色の花を川面に向けている。その花は美しく、まるでその美しさに惹き付けられるかのように、たくさんの小魚が花の近くに集まってきた。青い茎の草は花をつけていないが、その青は目にも鮮やかで、葉からとても良い匂いを漂わせていた。赤くてまん丸の葉をした草もある。見ていると、その葉が川に落ちた。その葉の回りの水から濁りが取れていった。どうやら何かの浄化作用があるらしい。川の水は見事に透明になったが、それも川の流れによって再び濁った。おれの手の届かないところに繊細な銀色の花をつけているものもある。風が吹くと、その花が揺れて何とも言えない穏やかな音を立てた。その音を聞いていると、何だか心が落ち着くような気がする。心地よい音の中、おれはロシーナの言葉を思い出していた。 ――青い茎のスカル藻は、ディードル川の南にあるカエル沼にしか生えん。―― 青い茎の草……これだ! おれは、無意識のうちに青い茎の草を何本か摘んでいた。銀色の花から流れてくる音色が、おれの耳に49と囁いているようだった。どうやらこの草の番号のようだ。何のための番号かおれは知らん。そんなものは、管理人に任せておけばいい。
 おれは川辺を離れることにした。元の道を戻ろうとするが……、グロッグの様子が何かおかしい。
「おい、おれ達が来た道はどこだ? あっ、あの足跡は。」
 そう言って、グロッグはおれ達が来たときの足跡を指差した。確かにおれ達はそこから来た。だが、おれ達が来た道には鬱蒼とした草が生い茂っていた。これでは通れない。その代わり、左手の方向に道が現れていた。まるで、おれ達にこっちへ来いとでも言いたげな道が……。
「仕方がない。この道を進むのは気が乗らないが、他に進む道がないんじゃ、この道を進むしかないな。」
 グロッグの言う通りだ。おれ達は慎重にその道を進んで行った。やがて、開けた場所にたどり着いた。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 11/11
 体力点 … 19/19
 運点 …… 10/10
 メモ …… ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった、青い茎のスカル藻はディードル川の南のカエル沼にしか生えない
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚、ロープ、青い茎の草(49)
 (Save Number:18→315)

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2022/11/13


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