モンスター誕生(プレイ日記)


【第14回】 地下迷宮からの脱出

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 11/11
 体力点 … 18/19
 運点 …… 10/10
 メモ … ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった
 所持品 … 革切れ、ペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚

〔184〜〕
 通路を進んで行くと、やがて西に曲がった。例によって、川から汚水の臭いが辺りに漂ってくる。この川をまたぐ大きな木の橋を渡るときは、また息を詰めなくてはならなかった。この臭いに慣れることはないだろう。向こう岸に着くと、通路は再び北に向かっていた。道はまもなく大きな石の扉に遮られた。どうしようかと迷っていると、扉が重々しく開いていった。
 たくましい黒人が扉の向こうに立っている。頬に大きな傷跡があり、片目はつぶれかけていた。欠けた汚い歯をむき出しにしてにやにや笑っている。
「どういうことだ? ダラマス様がお前をよこしたのか? マーの洞窟から出ることを許されたのか? どうした、口がないのか?」
 マーの洞窟から出る? ということは、地上への道は近いぞ。とりあえず、ここは黙って頷いて、ダラマスの許可を得ていることを示してみることにしよう。男はおれを疑わしげに見つめた。
「本当にそうなのか? よし、それなら合図を知っているはずだ。しゃべれないのなら、合図を教えてもらっただろう? ダラマス様に教えてもらった合図を示してみろ。」
 合図? 何のことだ? さっぱり意味が分からん。おれは、意味も分からず、そのまま合図を出さないでいた。
「合図は何もなしってか? ダラマス様がそう教えてくれたってのか?」
 男はおれの顔を見つめた。おれは、合図なんて知らないというように肩をすくめた。
「とにかく、ダラマス様に聞いてみれば分かることだ。ここで待っているんだぞ。」
 男はこう言うと、棍棒を手にしてダラマスの部屋の方に走って行った。今のうちに出口を探そうか? いや、ここはおとなしく待とう。男がおれを疑っているのは間違いないが、外見で決めつけないだけの分別があることも確かだった。男がおれの姿を見て怒鳴り声をあげたり、襲いかかったりしないということは、この男がそれだけの分別を持っているということだから。それに、どんな罠があるか分かったものではない。おとなしく待っているのが得策だ。
 男が喘ぎながら戻ってきた。
「どうやらお前が正しいらしいな。ダラマスは二度と合図を教えてくれないだろうよ。」
 肩をすくめてこう言う。最初は“様”をつけていたダラマスに対し、今は呼び捨てにしている。もしかすると、こいつもダラマスを嫌っていたのではないか? それならチャンスはあるぞ。この男、外見に似合わず話が分かる奴だ。もしかすると、このまま通してくれるかもしれない。
「だが、お前を通すわけにはいかない。ダラマスの許可がない者を通すわけにはいかないんだ。それがおれの仕事だからな。但し……何か……特別な事情がありゃあ、通してやらないでもない。おれの言うことが分かるか?」
 男の視線は、おれの着けているペンダントに釘付けになっていた。
「お前、綺麗なペンダントを持っているな、ええ?」
 男はしばらく考え込んだ。そして、徐に口を開いた。
「たとえば……、そのペンダントをおれが預かっておくんだ。お前だってそれを手放したくはないだろう。そうすりゃあ、お前がここに戻ってくるという保証ができるわけだ。勿論、万が一お前が戻って来なければ、ペンダントはおれの物になるがな。つまり、ペンダントをおれにくれれば……いや、預ければ通してやる。どうだ? お前にとっても悪い話ではないだろう?」
 これが“ワイロ”というやつなのだろう。このペンダントなしでは隠された扉を発見することはできなくなるが、考えてみると、このペンダントの力は暗闇のときにしか発揮できない。これから地上に出るのだから、この先ペンダントを使う機会はほとんどないように思われる。ペンダントを男にくれてやってもいいだろう。
 おれは男にペンダントを渡した。もし、男がペンダントだけ取って逃げたり襲いかかってきたりするようならば、おれは躊躇せずにこいつを殺すつもりだった。だが、男はおれを裏切るようなことはせず、ポケットから鍵束を取り出し、正面の扉の鍵を開けた。扉の外には上りの階段があった。
「さあ、行け。」
 おれは男に別れの唸り声をあげ、階段を上っていった。上り切ると、そこは冷たい石壁の部屋だった。部屋の中央には石の台がある。台には様々な模様や記号が刻み込まれており、天井にある裂け目からの一条の光でくっきりとそれらは浮かび上がっていた。おれは部屋を横切って扉を押し開けた。そこに開けた光景に、おれは憮然とした……。
 広い空間だ。ついにおれは地下迷宮を脱出したのだ!


〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 11/11
 体力点 … 18/19
 運点 …… 10/10
 メモ … ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ、エルフの粉を全身に浴びてしまった
 所持品 … 革切れペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)、金貨2枚
 (Save Number:442)

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2022/11/09


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