モンスター誕生(プレイ日記)


【第9回】 木箱と幻影と書類と

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 11/11
 体力点 … 17/19
 運点 …… 10/10
 所持品 … 革切れ、ペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)

〔15〜〕
 部屋の中は静まり返っていた。天井の高い大きな部屋で、カビ臭いにおいが漂っていた。東西南北の壁に一つずつ扉があり、部屋の中央には大きな細長いテーブルが置かれている。テーブルの上には金づちと釘が置いてある。テーブルの横に厚い板が何枚も立てかけてあった。どうやら、何かを作る部屋のようだ。部屋の隅に、おれがすっぽり入るくらいの大きさの細長い木箱が二つ、壁に立てかけてある。その横の壁には、ちょうど箱を押し込むことができる大きさの窪みがあった。この窪みは何だろう。おれは、壁の窪みを調べてみることにした。壁の窪みに頭を突っ込んで息を吸ってみる……オエ〜〜〜ッ! 何だこの臭いは。おれはあまりの臭いにむせて咳き込んだ。窪みは遥か下まで続いていて、そこから嫌な臭いが漂ってくる。耳を澄ましてみると、かすかに水の流れる音がした。これは、さっきの川の臭いではないのか? そうだ、この窪みを部屋にある木箱で塞いでみることにしよう。おれは、一つ目木箱を持ち上げた。ひどく重い。何だか柔らかいものが入っている感じがするが、そんなことは気にせずに木箱を窪みに突っ込んでみると、木箱はするりと奥へ滑って落ちていった。バシャーン! どうやら流されていったようだ。面白がって、もう一つの木箱も窪みに落としてみた。同じく、バシャーンという音がした。あとは、この部屋ですることは見つからなかった。次の部屋に進もう。さて、東西南北どの扉から出て行こうか? そう言えば、ハニカスはに進めと言っていたな。ならば、東の扉から出て行こう。
 東へ進んで行くと、やがて深い谷に架け渡してある石の橋にたどり着いた。谷底には川が流れているらしく、ザーザーという音が聞こえる。もしかして、この川は嫌な臭いのする川ではないのか? その嫌な予想は当たっていた。事実、あまりの臭いに眩暈がしそうだ。石橋は狭いし、川の湿気でぬるぬるしており、かなり滑りやすそうに見える。それでも先に進んでいくしかない。おれは息を止めて橋を渡って行った。ほぼ真ん中まで来たときだった。ツルン! ここで運試しを行う。DD=6≦10と出ました(運点−1)。おれは辛うじてバランスを取り戻し、向こう側に急いだ。漸く反対側に着き、ほっと息をついた。オエ〜〜〜ッ! 息を止めていただけに、吸うときの空気も多くなるが、その分川の悪臭も多く吸い込むことになる。もし、あのときバランスを崩していたら……そう思っただけでぞっとする。ハニカスを連れて来なくてよかった。目の見えないハニカスは、とてもこの橋を渡れなかっただろう。こんなところに長居は無用だ。右手に枝道があるが、ハニカスに言われた通り、東へ進み続けることにした。
 おれは、天井の明かりが点いては消える通路を東へ進んで行った。やがて、二つの扉が見えてきた。通路はそこで行き止まりになっている。息をひそめて耳を澄ます。北の扉からは何も聞こえてこない。だが、正面(東)の扉に耳を当ててみると、紛れもなく息遣いのような、大きな音が不規則に聞こえてきた。まずは北の扉を開けてみよう。おれは、北の扉を押した。だが、開かなかった。内側から閉まっているのだろうか? ならば、体当たりをするまでだ。何度か体当たりをすると、扉の蝶番が弾け飛んで扉が開いた。少し肩を痛めたが、それほどの傷ではない(体力点−1)。
 部屋には誰もいなかった。部屋のほぼ真ん中に大きな机が一つあり、その周りは棚で囲まれていた。棚にはきちんと紐で巻かれた紙の束が整理されている。東の壁に扉があるが、それも棚で半分ほど隠されていた。まずは紙の束を調べてみることにしよう。巻いてある紐をほどくなんて芸当は、おれの不器用な手では到底できなかった。かと言って、紐を引きちぎると、肝腎の紙までもが粉々になってしまった。巻いてある紙は諦めて、机の上の紙を調べてみることにした。これなら、おれでも手に取ることができる。スワインベアドの持っていた革切れと同じように扱えばいいんだ。と、その瞬間、背後で大きな音がした。おれは、思わず振り返った。



 部屋の隅の何もない空間に、いきなり恐ろしい怪物が現れた! 怪物はおれより大きく、がっしりとしていて、その皮膚は肉ではなく岩でできているように見えた。こいつはロックデーモン(岩悪魔)だ。ロックデーモンは怒りに燃えた目でおれを睨みつけ、瘤だらけの拳を握りしめ、大きな口を開けて、ゆっくりと近づいてきた。どう見てもおれより強そうだ。だが、おれには“即死”させる能力がある。ロックデーモンめ、来るなら来い! おれは、じわじわと近づいてくるロックデーモンに対して鉤爪をむき出しにし、身構えた。そして、ロックデーモンが襲いかかってきた瞬間、おれは力いっぱいこいつの胸を殴りつけた……つもりだった。だが、おれの拳はロックデーモンの身体を突き抜けてしまった。どういうことだ? もう一度殴ってみる。やはり結果は同じだった。今度は両手でつかもうとする。相変わらずおれの手はロックデーモンをすり抜けてしまう。ん??? と、足が何かを踏みつけた。小さな柔らかい何かは、おれの足から逃げようともがいてみたようだったが、おれが足に力を入れると、すぐに静かになった。と、さっきまでいたロックデーモンがいきなり消えたではないか。足を持ち上げてみると、おれの足の下で鼠が一匹死んでいた。どうやらこの鼠には“幻影”の魔法がかかっていたのだ。
 何だか分からんが、おれはロックデーモンを倒した(?)。もう邪魔する者はいない。おれは、改めて机の上の紙を調べることにした。紙にはびっしりと文字が書かれていた。
ごよぞを・ほーヅヲカ、ゾア、カヤイ、ザヤイ、コヲぷーざ……。
 オキツ、ごよぞをノ、ビチサチ、スオアワ、ノトル、エネルネ、スオアナ、テザケメチソ。ロルロルン、サチツアリ、アオトリ、スオアテメ、ケトテリ、スオア――ザゲキナ。オルン、アリユイナ、マウリ、ドサユナ、オルノ、アトア、グヲオキネ、スオア。オルワ、コンサ、メテムリ、メネノ、エネルネ、シンソワ、マアゾシヅ、ポレイ。サオサ、ケネソムナ、ごよぞをノ、ハテチネ、ザモキツヲワ、メチケテナ、トチソ。シアサユイネ、コヲベイゾ。ロルロルネ、スオアテ、オルネ、スオアワ、ミシビ、メヲワ、ノオアシルド、ごよぞをノ、ナデテ、メデチツ、ケルトキ、トリゾレイ。メサ、カマン、ごよぞをネ、スオアナ、チイザリ、メヲワ、マチクソヨ、セネテカネ、ドヲゲイオヨ、ケケナ、オオルツアリ、ぷーざドヲゲイ(カヤイ、ザヤイ、コヲ)ワ、ハカ、セネドヲゲイナ、シシム。ヘヲテイナ、メヲネ、テケレナ、アソネトヨド、ごよぞを・ほーナ、ポイケテン、ヅカリノジゾ。ケネサユリアワ、ユヲゾ、カマノ、イヲツヲワ、グヲツヲナ、メデシケテン、ヅカリ

 この紙を読んでいくうちに、おれのツキが最大限まで上がっていくような気がした(運点原点数まで回復する)。ザラダン・マーという名前はハニカスから聞いたことがある。どうやら、このザラダン・マーという奴がこの冒険の重要人物のようだ。こいつの世界に通じる門にたどり着いたら、この紙のページ番号(93)を引いた番号に行くとか、わけわからん。おれは計算が苦手だから、そんなものは管理人に任せておけばいいのだ。それより、ザラダンを探すと自分の姿が見えるって、どういうことだ? まあ、今は先へ進もう。ハニカスからもらった指輪を使って、ダラマスとかいうゾンビーを倒す方が先だからな。あと、水晶の棍棒は絶対に戦闘に使ってはいけない。ザラダン・マーとやらに遭ったときに使うらしいからな。
 さて、そろそろこの部屋を出て行くときだ。東の扉は、棚を動かさなくてはならないから面倒だ。南の扉から出て、今度は正面の扉を試してみよう。
 そう言えば、この扉の向こうで何か音が聞こえたな。この扉を押してみたが、またもや開かなかった。仕方がない。ぶち壊すか。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 11/11
 体力点 … 16/19
 運点 …… 10/10
 メモ … ザラダン・マーの門に着いたら93を引いた番号へ
 所持品 … 革切れ、ペンダント、水晶の棍棒(333)、29番兵への手紙、銀の指輪(『ダラマスにつかみかかる』ときに50を加えた番号へ)
 (Save Number:450→263)

← 【第8回】へ | 【第10回】へ →


2022/10/24


直前のページに戻る

『モンスター誕生』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。