仮面の破壊者(プレイ日記)


【第16回】 廃墟の村

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 14/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 15(+10枚分の宝物)
 食料 …… 9
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)、銅の鉱石の塊、つるはし、スナタ猫の牙(11匹の龍の模様と8個のリンゴの種)、女神コランバラの石像、剣歯虎の鉤爪、ヘヴァーの角笛(邪悪な敵の技術点-1)、宝石入りの首飾り
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む

〔84〜〕
 村の中央を抜ける道を歩いていくと、またもや骸骨が目に入る。私は思わず身構えるが、しかし、どれも命を吹き込まれてはいないらしく、起き上がって来ない。それにしても、見れば見るほどこの村が廃墟になったのはつい最近で、しかも不意の襲撃によって村全体が徹底的に破壊されてしまったように思えてくる。家々を覗いて回ることにしよう。もしかすると、生存者が助けを求めている可能性もあるかもしれない。
 ほとんどの家には何もなかったが、一番大きな家の庭のど真ん中に、柄の黒い槍が突き刺さっている。その槍の柄の先端に、血のように赤い「」の字が縫い取られた黒い旗が翻っている。M……モルガーナだ。モルガーナからのある種の挑戦に違いない。どうせモルガーナは私がこの村に来ることを想定しているのだろう。ならば、その挑戦を受けて立とうではないか。私は槍の柄をつかんだ。と、私の手が槍から離れなくなってしまった。まるで瞬間接着剤にくっついたかのようだ。私の傍らに幻影のようなものが浮かんでくる――モルガーナだ!
「かかったね! 旅の途中のおまえに会えるとは嬉しいねえ。私たちのちょっとした計略がうまくいったんだ。心配することはないよ。おまえを殺すつもりはない……今のところはね。私の魔力を前もって味わっておくがいいさ。」
 幻影が両手をあげて、私に呪いの言葉を吐きかける。幻影とは言え、モルガーナの言葉は生易しい脅しなどではなく、私の運点2点を奪った。そしてモルガーナの幻影は消え、漸く私の両手は槍から離せるようになる。畜生! 私は怒りのあまり、槍を腿に叩きつけて折る。そして、槍を旗ごと燃やした。もう家を覗いて回るのはやめた! このまま北へ進むことにしよう。



 村を過ぎて少し行くと、農家と納屋の残骸に行き当たる。農家の前に一人の老婆が座り、穴を開けた骨を長い撚(より)糸に通している。口の中でぶつぶつと何かをつぶやいている。まだ私には気づいていないようだ。この人ならば何か知っているかもしれない。私は老婆に近づいていく。老婆が私に気づき、顔を上げる。その顔にサッと恐怖が霞めるが、そのあと老婆はヒステリーを起こして狂ったように笑いだす。何があったのだ。
「お婆さん、お婆さん、どうされたのですか? 何かあったのですか?」
 途端に老婆は私に骨を振りかざしてきた。おっと危ない。私は辛くも骨を躱し、老婆の目の前で手を叩いた。ジパングの国技である“スモウ”では、これを“ネコダマシ”というらしい。老婆は“ネコダマシ”に驚き、今度は堰を切ったように泣きはじめる。私は老婆が泣き止むまで待った。老婆は間もなく気持ちが落ち着き、もう一度私を見上げる。
「何か大切な物を私にくださらんか。そうすれば、私もあんたに大切なことを教えて差し上げるが。」
 ずるそうな目をして言っている。もしかすると、彼女の言うことは人を惑わす危険なことかもしれない。それでも、私は老婆に何かを渡すことにする。さて、何を渡そうか? 金貨3枚、宝石入りの首飾り、ザクロ石の指輪、コランバラの石像と、候補は4つある。このうち、コランバラの石像は枯葉の谷の農民にあげたので老婆にあげることはできない。金貨3枚はありふれているだろうし、宝石入りの首飾りはその効果がまだ分からない。ここはひとつ、ザクロ石の指輪をあげることにしよう。
「お婆さん、この指輪をどうぞ。」
 それまでずるそうな目をしていた老婆の表情が変わり、驚きの声になった。
「これは、欺きの森にいる私の妹の魔女達が持っていた指輪じゃないか。あんた、どうしてこれを……まあそんなことはどうでもいいか。こうして私の手元に戻って来たんだからねえ。いやあ、ありがとうよ。」
 この冒険は持つべき者に持つべき物が渡る機会が多い。
「さてと、何をあんたに話してあげるんだったかねえ? ああ、そうそう。ジュジャを探すんだ。あの男がどこにいるんだかわたしゃ知らないが、たぶんこのなぞなぞでわかるんじゃないかねえ――『地面じゃないけど支えられる、水じゃないけど流れられる、空気じゃないけど噴き出せる、火じゃないけど爆発できるもの、なーんだ』――わたしゃこれ以上のことは知らないんだよ。お役に立つといいんだけれどねえ。」
「ありがとうございます。」
 ジュジャという人を探すこと、そのジュジャのいる場所のなぞなぞ、今はまだ何のことだかさっぱり分からないが、いずれ分かるときが来るだろう。そうだ、老婆が落ち着いている今がチャンスだ。
「お婆さん、もう一つ聞きたいことがあるのですが。」
「ああ、いいよ。何なりと聞いておくれ。わたしに分かることなら何でも答えよう。」
この村に何かあったのでしょうか。人を見かけませんでしたが……。」
 老婆の顔色がまた変わった。そして、またもや気が狂ったように泣き出した。
「あの女が来て……悪魔の女が……私の亭主を連れて行っちまった……ただの百姓なのに…………」
 どうやらまずい質問をしたようだ。もはや私には老婆を宥める手段がなかった。悪魔の女というのはモルガーナのことに違いない。だが、なぜ「ただの百姓」の旦那さんを連れて行ったのだろう。もしかすると、旦那さんは「ただの百姓」ではないのかもしれない。そんなことを考えながら、私は村を出た。
 ここから道が、北と北東に分かれている。よし、今度は北東へ向かうことにしよう。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 14/22
 運点 ………… 8/10
 金貨 …… 15(+10枚分の宝物)
 食料 …… 9
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)、銅の鉱石の塊、つるはし、スナタ猫の牙(11匹の龍の模様と8個のリンゴの種)、女神コランバラの石像、剣歯虎の鉤爪、ヘヴァーの角笛(邪悪な敵の技術点-1)、宝石入りの首飾り
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進むジュジャのいる場所は『地面じゃないけど支えられる、水じゃないけど流れられる、空気じゃないけど噴き出せる、火じゃないけど爆発できる』場所
 (Save Number:249→323)



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2024/03/13


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