仮面の破壊者(プレイ日記)


【第14回】 ケヴィンの最期

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 19/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 15
 食料 …… 4
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)、銅の鉱石の塊、つるはし、スナタ猫の牙(11匹の龍の模様と8個のリンゴの種)、女神コランバラの石像、剣歯虎の鉤爪、ヘヴァーの角笛(邪悪な敵の技術点-1)
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む

〔384〜〕
 いよいよ枯葉の谷ともお別れのときがやってきた。国賓としてもてなされるのは心地よいが、私の任務を忘れてはならない。
「ん? 何やら中庭が騒々しいが、何事じゃ。」
 私はヘヴァーとともに中庭に向かう。そこにはヘヴァーの衛兵に抱えられた血まみれの男がいた。
「ヘヴァー様、ヘヴァー様のお知り合いという深手の御老人をお連れしました。」
「ケヴィン様!」
 ケヴィン? アリオンの鍛冶屋のケヴィン・トゥルーハンドか?
「ヘヴァーか……我がご領主様……<批判屋>様は……いずこに………」
 なぜケヴィンがヘヴァーのことを知っているのだ? だが、今はそれよりもケヴィンの元に駆け寄るのが先だ。
「ケヴィン、私はここにいます。どうされましたか?」
 ケヴィンは瀕死の重傷を負っていた。アリオンからはるばる枯葉の谷まで来るとは、アリオンに緊急事態が発生したに違いない。
「ケヴィン様の手当てを!」
「無駄じゃ、ヘヴァー。私はもう助からん……。ご領主様……私は……黒魔術を試して……ここで負けるわけには……」
 そして、ケヴィンは意識を失う。一体どういうことなのだろう? ケヴィンとヘヴァーはどういう関係だったのだ? 私は詳細を聞くべく、ヘヴァーに歩み寄った
「ウヒャヒャヒャヒャ……」



 俄かにケヴィンが立ち上がった。彼の体の中に植え込まれていた邪悪な霊魂が、ヘヴァーの体を支配しているのだ。
 次の瞬間、何物も通さない魔法の結界が張り巡らせられる。衛兵達が剣をバリアー目がけて振り下ろすが、悉く弾き返された。何人(なんぴと)たりともこの結界の中に入ることも、この結界から出ることもできない。ところが、私はヘヴァーに歩み寄っていたため、ヘヴァーも結界の中に閉じ込められてしまう。
「いとこよ、助太刀いたしますぞ。」
 ヘヴァーの声がこれほど心強いと思ったことはなかった。地獄火の霊魂は甲高い喊声をあげると、私だけに向かって九本に枝分かれした燃える鞭を打ちつけてくる。まずは、この悪霊をケヴィンの体から追い出すことが先決だ。昨夜のピグミー・オークの短剣といい、この冒険には不気味な形の武器が多い。地獄火の霊魂とは普通に戦闘を行うが、私の攻撃が成功した場合、ヘヴァーの攻撃も成功するので、霊魂の体力点3点ずつ減らすことができる。霊魂か私が負ければ自動的に結界が解けるだろうから、ヘヴァーの命に別状はない。それが不幸中の幸いだ。
「いとこよ、早速角笛を試すのじゃ。」
 そうか。その手があった。私はヘヴァーの角笛を吹き鳴らす。忽ちにして霊魂は怯む……ように見えた。効果が出たことは間違いない。
 〔地獄火の霊魂〕  技術点 8  体力点 12
 〔批判屋〕     技術点 11  体力点 19

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔地獄火の霊魂〕8+14 < 16=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔地獄火の霊魂〕体力点−3=9
[2R] ×〔地獄火の霊魂〕8+15 < 18=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔地獄火の霊魂〕体力点−3=6
[3R] ×〔地獄火の霊魂〕8+14 < 15=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔地獄火の霊魂〕体力点−3=3
[4R] ×〔地獄火の霊魂〕8+15 < 19=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔地獄火の霊魂〕体力点−3=0
 最後の一撃が決まった途端、ケヴィンの体が崩れ落ちた。悪霊がケヴィンの体から出て行ったのだ。私はケヴィンに駆け寄る。ケヴィンは微かに目を開けた。
「ご領主様、ヘヴァーから角笛を受け取られたのですね。これで私はもう思い残すことはない……。」
「ケヴィン、弱音を吐いてはいけません。傷は浅いです。」
「ご領主様、嘘をついてはいけませんよ。私を気遣ってくださるのはありがたいが、私の死期が近いのは火を見るよりも明らかです……。」
 ケヴィンの“真実の手”には方便としての嘘も通用しなかった。こうなったら、せめてケヴィンにして欲しかったことを頼もう。
「ケヴィン、最後にお願いがあります。私を領主などではなく、呼び捨てで呼んで欲しいのです。<批判屋>と。」
「お安い……御用……です……<批判屋>……アリオンを……たの……み……ま……」
 そしてケヴィンは最期の息を吐いた。ケヴィンの目が開くことも、ケヴィンの口が開くことも、それっきりなかった。
「ケヴィン様ーーーーっ!」
 私の傍らでヘヴァーが号泣した。私も拳を握りしめ、歯を食いしばっていた。アリオンになくてはならない大切な人を1人失った。最後までアリオンのために尽くしてくれた、ケヴィン。ケヴィンにはどうしても私と対等以上の立場でいて欲しかったのだ。だから、私はケヴィンへ最後のわがままを言ったのだ。あなたの仇は必ず取ります。見ていてください。
 ヘヴァーが泣き止んだとき、中庭にはケヴィンの亡骸とヘヴァーと私だけしかいなかった。恐らく衛兵達が気を利かせてくれたのだろう。尤も、衛兵達が霊魂のバリアーの中に入ることができず、城内に退散していたというのもあるが。
「<批判屋>殿、実はこの枯葉の谷が今日まであるのはケヴィン様のお蔭なのじゃ。ケヴィン様の存在なくしてこの枯葉谷の城はあり得なかった。ケヴィン様の葬儀は我が名誉にかけても執り行わせてもらいますぞ。いとこよ、貴殿の任務が成功するよう、私も願っておる。」
「ありがとう、ヘヴァー殿……。」
「<批判屋>殿、こんなものしかござらんが、これは別れの餞別じゃ。」
 ヘヴァーの餞別のお蔭で食料は10食分に戻り、新しいザックと水筒までもらった。
 私はヘヴァーと固い握手を交わし、枯葉の谷を去ることにした。この凄惨な事件の背後にどんな裏切りがあったのだろうか。今はまだ分からないが、必ず突き止めて見せる。それがケヴィン・トゥルーハンドへの何よりの供養になるのだから。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 19/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 15
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)、銅の鉱石の塊、つるはし、スナタ猫の牙(11匹の龍の模様と8個のリンゴの種)、女神コランバラの石像、剣歯虎の鉤爪、ヘヴァーの角笛(邪悪な敵の技術点-1)
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む
 (Save Number:132→20)



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2024/03/06


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