仮面の破壊者(プレイ日記)


【第8回】 靄が晴れたら

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 15/22
 運点 ………… 9/10
 金貨 …… 10
 食料 …… 9
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む

〔362〜〕
 私は、ジパングのショウワという時代にヒットした歌を歌いながら、靄が晴れるのを待った。
♪ Rain drops 街中の傘が〜 Rain drops 踊り始めたよ〜 Tear drops 沈んでる君が喜ぶように〜
 ↑それは「雲が晴れたら」です。管理人曰く、みんなのうたの中でも屈指の人気上位の歌とのことですが、管理人の評価が正当かどうかはこのサイトを訪れた方々に判断してもらうことにしましょう。



 さて、靄が晴れ始めると、眼下の浅い谷の中に建物が見えてくる。私は歌うのをやめ、岩の後ろに身を隠す。そしてそっと岩陰から建物の方を見やると、建物は何かの鉱山であることがわかる。誰も住んでいる様子はない。さて、この建物周辺を調べるか、それともこの建物を避けて先へ進むか。おいおいロビン、いちいち分かりきったことを聞くなよ。そんなの調べるに決まっているじゃないか。大きく分けて調べるところは3か所ある。まずは真ん中の立坑、それから右側のふつうの小屋、最後に左側の屋根の崩れた小屋だ。どこから調べようか。まずは右側のふつうの小屋からだ。
 明るい日差しの下から薄暗い小屋の中に入ると、目が慣れるまでしばらく時間がかかる。目が暗さに慣れてから小屋の中を見回すと、天井は蜘蛛の巣だらけなのに床には少しも埃が積もっていないことがわかる。木の椀とスプーンの乗ったテーブルが1つあり、その下には粗末な造りの丸椅子が一個押し込んである。このまま立ち去ることも考えたが、折角だからもう少し小屋の中を見回ってみよう。小屋の奥へ進むと、暗い部屋の隅からのっそりと人影が現われて、足を引きずりながらこちらへ近づいてくる。ちょうどそのとき、天井に開いた小さな穴から射し込んだ光が私のかぶっている兜を照らし出す。途端に人影がぴたりを足を止める。私の兜に何か魅せるものがあるのだろうか? 確かにこの兜はアリオンの守り神と呼ばれているが、それと何か関係があるのだろうか。
 次の瞬間、人影は床に手をつき、私の足元にひれ伏す。
「彼らはわしに告げました。彼らはわしに、あなたがおいでになるだろうと告げたのです。」
 恍惚と恐怖が入り混じった小さな声で言う。大声を出されるのもびっくりするが、明らかに私の倍以上の年齢と思われる人からこのような態度を取られる方が実は怖かったりする。私は少し警戒して尋ねた。
「その“彼ら”とは誰のことなんです?」
「声です、声でございます。」
 声とは如何なるものだろうか? 神の声のことか? 例えば女神リーブラのような。私はもう少しこの人に聞いてみることにした。
「その“声”とは一体何のことです?」
 彼は私の質問には答えず、膝で這うようにして部屋の隅まで行くと、ペコペコお辞儀をしながら1つの布包みを持ってきて私に差し出した。彼の手と私の手がはずみで少し触れたとき、彼は「ヒッ!」と短い叫び声をあげて、そのまま気絶してしまった。まるで“高貴”な輩に触れた奴隷が“無礼”の罪に問われるような感覚だった。
 包みをほどくと、中から立派なが現われる。純鉄製ではあるものの、明らかに年代物であり、帝王の威厳を漂わせている。この笏の由来を聞こうにも彼は既に気を失っており、聞き出すことができない。何気なく笏を回していると、何やらルーン文字が書かれているのが見えた。――支配する者はただ1人であるべし―― 私は、気を失っている小屋の主に一礼して小屋を出た。
 右の小屋の次は、真ん中の立坑を調べることにしよう。立坑の中を覗くと、滑らかな石の側壁に取り付けられた木製の梯子がずっと下まで続き、その先は闇の中に消えているのが見える。立坑の底から漂ってくるすえた臭いが鼻孔を刺激する。降りて行くのはためらうところだが、ロビンのことだからこういった危険な場所にこそ手がかりを散りばめているに違いない。本当は降りたくはないのだが、仕方なく梯子を降りていくことにしよう。
 梯子を降りていくにつれ、下から水の滴る音が聞こえ、じめじめした雰囲気も強くなってきた。もう底は近いに違いない。だが、湿気で梯子の横木がだんだん腐蝕しているのが見つかる。横木のぐらつきもだんだんひどくなり……嫌な予感は当たってしまった。今いる場所の2〜3段下から梯子がなくなっていたのだ。恐らく湿気による腐敗で梯子の一部が下に落ちてしまったのだろう。下を見ると立坑の底が見える。だが、この暗さで底までどのくらいの距離があるのかは分からない。ここは勇気を出して、底めがけて飛び降りることにしよう。私は、心の準備を整えてから、思い切って手を離して飛び降りた。ここで運だめしを行う。DD=8≦9と出ました(運点−1)。うまく着地することができた。
 改めて立坑の底を調べることにする。この坑道は幅が広く、手足を壁に突っ張って登るといったことはできない(それにできたとしても、この高さでは体力的にかなり厳しいだろう)。どこか他に出口があるに違いないから、その出口を見つける必要がありそうだ。坑道の床と滑らかな壁を苔が覆い、滴り落ちる雫が床のあちらこちらに水たまりをつくっている。坑道は東西に延びている。西か東か東か西か。取り敢えず西に進むことにしよう。
 坑道を西に進みながら、私はこの立坑の梯子について考えていた。確か、ジパングの労働安全衛生規則第526条とやらによると、高さまたは深さが1.5メートルを超える箇所で作業を行うときは、当該(その)作業に従事する労働者が安全に昇降するための設備等(階段や梯子)を設けなければならないらしい。また、同第518条〜519条とやらによると、高さが2メートル以上の作業床の端や開口部以外の場所には足場を組み立てなくてはならず、作業床の端や開口部には手すりなどを設けなくてはならないらしい。これがジパングだったら、梯子が腐っていた段階で労働安全衛生規則違反だが、アリオンには果たしてこのような規定があるのだろうか。アリオンに戻ったときにもう一度見直す必要がある。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10(+1*)/10 墓鬼の剣(*技術点+1で原点を超えても可)
 体力点 ……… 15/22
 運点 ………… 8/10
 金貨 …… 10
 食料 …… 9
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪、鉄の笏(支配する者はただ1人であるべし)
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む
 (Save Number:313→237)



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2024/02/14


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