仮面の破壊者(プレイ日記)


【第6回】 森エルフの村

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 19/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 10
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む

〔398〜〕
 体力点2を失う。いきなり減点って何故? その理由は、昨夜何も食べていなかったからだそうだ。食事抜きで一日歩くと栄養失調で体力点を失うという仕様はソーサリーシリーズが初めてだった気がする。その後、国産のゲームブック(ネバーランドのリンゴなど)でも栄養失調のペナルティーが導入されたと管理人は認識しているようだ。
 さて、色々な意味で中断された旅を再開しよう。立ち並ぶ常緑樹の幹の間には、まだ靄が靉靆している……あれは何だ? 視野の隅にちらりと見えたものは、単なる靄の塊だったのか? それとも、何かの生き物だったのだろうか? その疑問の答えはすぐに出た。一本の矢が頭をかすめて木の幹に突き立つ。



 幹から幹へひらりひらりと音もなく移動しながらジグザグにこちらに近づいてくる姿が見える。間違いない、森エルフだ。彼らは人間に対して決して友好的ではないが、彼らの愛する森が「干渉を受けた」場合を別にすれば、いつも敵対的とは限らない。さっきの矢も、奴らがその気になれば私の喉を突き刺すこともできただろう。ここはおとなしくじっと待つことにしよう。6人の森エルフが好奇心に惹かれて私の方にやってくる。そのうちの1人が口を開く。
「我々は森エルフです。御同行を願います。」
 礼儀正しいが有無を言わせぬ調子だな。しかし、私としてもここは同行する方が賢明だろう。森の中なら何でも知り尽くしているであろう森エルフから逃れる可能性は低い。それに、森エルフと一緒ならばこの森で迷うこともないだろう。
 森エルフ達は森が広く開けたところまで来ると漸く立ち止まり、神秘的な流れるような言葉で呪文をとなえる――すると突然その広場に彼らの村が出現するではないか! 森エルフの村が魔法で守られているというのはこのことなのか。なーほーザワールド(このネタがわかる方は相当な桃伝通です)。彼らは私を村の一番奥に連れて行く。そこには他の小屋から離れて建つ最も大きな小屋があった。
「さあ、お入りください。」
 森エルフに促されるまま、私は小屋に入った。
 小屋の中ではまじない師と森エルフが水晶の鏡を覗き込み、ひそひそと話をしている。
「酋長、客人をお連れしました。」
 酋長と呼ばれた男とまじない師がこちらを振り向く。



「なんと、人間ではないか。……うむ、ご苦労であった。下がって良いぞ。」
 6人の森エルフは小屋から出て行き、まじない師と酋長と私の3人だけが残った。
「客人よ、何がお前さんの望みじゃ。この森で何をしておった?」
 私がここへ来たということは、私は森エルフの秘密を知ったということだ。ならば、私の秘密を打ち明けるのが礼儀というものだろう。私は正直に旅の目的を彼らに話した。酋長は私の旅の目的を黙って聞いた後、口を開いた。
「わしらは、今朝この鏡の中に何やら奇妙なものを見たのだ。それがお前さんかどうかは分からんがな。もしモルガーナがこの土地にゴーレムを送り込むようなことばあれば、この森は大変なことになる。だから、わしらにできることなら何でもお前さんに手を貸すつもりじゃ。だが、わしらに何ができよう……そうじゃ。お前さんが旅を続けるために役に立つと思うなら、お前さんの質問に答えることにしよう。」
 と、ここで選択肢が3つ挙げられた。
  1. ガーリンについて
  2. 水晶の鏡の中で見えたものについて
  3. 森を自由に通らせて欲しい
 1.は明らかにロビンの罠だろう。この名前を言った瞬間に亡霊騎士団を呼ぶことになってしまう。あの連中は戦闘能力には長けているが、頭の能力はあまりなさそうな連中だったからな(何という失礼な)。森エルフ達を敵とみなしてしまうに違いない。3.は私の旅の目的を知った彼らが森を通らせないわけがないから、わざわざお願いしなくても大丈夫だろう。ここは2.の一択でしょう。
「酋長殿。先程その水晶の鏡の中で何かが見えたようだが、それを教えてはもらえないだろうか。」
 酋長は頷いた。
「ご自分で見てみなされ。」
 酋長は私に鏡を渡した。これは相当高価なものだ。一国の王女の身代金にも匹敵するに違いない。そんなことを思いながら、私は鏡を覗いてみる。
 はじめは曇っていた鏡がやがて渦巻きを起こす。その後、驚くほど鮮明で印象的な映像が現われる。それは2本の巨大な木の間に立ち、左右の手にそれぞれ何かを持って宙にかざしている私自身の姿だった。一方が何か長いもの……何だろう。と、次の瞬間、映像はすぐに消えてしまい、もとの曇った鏡に戻った。この鏡は未来を見ることができる鏡だったのだ。2本の巨大な木の間に行くようなことがあれば、この映像を思い出すにちがいない(運点+1ですが、原点数……)。
「ありがとうございます。」
 私はそう言って、酋長に鏡を返した。酋長とまじない師は意味ありげな笑顔を私に向ける。気難しい表情の人が笑顔になるとなぜか安心するのはなぜだろう? まじない師は口を開く。
「わしらが見たのはそれだけではない。しかし、わしらの見たものを教えることはできんのじゃ。英雄の条件である自由選択権をお主から取り上げてしまうことになるのでな。お主の聞くものには謎があり、お主が目にするものには神秘の記号が隠れておる。そして危険はいたるところに待ち構えておるのじゃ。真実の道は険しいのう。お主の旅の幸運を祈る。」
 次の瞬間、まじない師は何やらぶつぶつ唱え始めた。
「客人よ、お主には別の場所から旅を続けてもらわねばならん。では、さらばじゃ。」
 ちょっと待て、展開が早すぎるぞ。いきなりお別れ? だが、まじない師の呪文は私の心の準備を待たなかった。次の瞬間、村が消え始め、私は自分が宙に浮いているのを感じた。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 17/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 10
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む
 (Save Number:169→382)



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2024/02/08


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