仮面の破壊者(プレイ日記)


【第5回】 亡霊の軍団と森の盗賊団

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 19/22
 運点 ………… 9/10
 金貨 …… 0
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック

〔346〜〕
 私は、奮闘のあとの休憩をとろうと腰を下ろす。次の瞬間、またもや何者かが湖水上に現れた。クラーケンの最期の攻撃か? いや、そうではなかった。どうやら人のようだ。それも1人や2人ではない。ざっと数えても40人余りはいる。その“人達”がこちらに近づいている。人が湖水の上を歩く?



 ちょっと待て、これはどう見たって人ではないぞ。亡霊だ。クラーケンの次は亡霊か? さっきの戦闘で肉体的よりも精神的にまいっている私が40人の亡霊を相手にして勝てるわけもない。それに、逃げたくても恐怖のあまり足が竦んで動けないのだ。だが、亡霊達の表情はにこやか(?)だった。40人あまりの中でリーダーと思われる“人物”が一歩進み出て、気味の悪い声で私にささやきかける。
「恐れることはありません」
 恐れるわ! ただでさえ40人に囲まれて恐ろしいのに、ましてそれが亡霊だったら尚更恐れるでしょうが。だが、彼らが私に対して敵意を抱いていないことは明らかだった。それでも怖いものは怖いけれどね。
「まずはありがとうございます。」
 いきなりお礼の言葉を言われたぞ。どういうことだ? その答えは、亡霊が教えてくれた。
「あなたは我々に大きな恩恵を与えてくださいました。クラーケンの死によって、我々クラーケンの犠牲者達はこの亡霊の姿から解放されたのです。」
 私の方も不気味な声に少し慣れてきたようだ。亡霊のリーダーは話を続けた。
「永遠に魂を安らえる――あなたの祖国ジパングでいうと“ジョウブツ”とでも言うのでしょうか――前に、あなたから戴いた御恩をお返しいたしたいと存じます。我々が彼の世に旅立つ前に、一度だけあなたの冒険の手助けをさせていただきたく思います。自己紹介が遅れました。私はここにいる亡霊達を率いるガーリンと申します。私の名前を呼びさえすれば、われわれはどこからでもあなたのもとに駆け付けます。ですが、本当に助けが必要な場合以外は、決して我々を呼びださないでください。あなたが“ガーリン”とおっしゃったとき、我々は即座にあなたの前に現れます。それでは、失礼します。」
 次の瞬間、ガーリンと名乗る男と40人あまりの亡霊隊(?)は姿を消した。亡霊の助けを得るなんて随分気味の悪い話だが、これだけ血気盛んな雰囲気を醸し出していたのだから相当な助けになるのだろう。何だか随分一方的な恩返しと言えなくもないが、敵に回したらまず勝てる見込みのない軍団が味方についたのだ。これは運点2点分に相当する幸運だ。この先本当に助けが必要な場合は100へ進むことによってガーリンを呼びだすことができるらしい。
 さて、死の湖にはクラーケンも亡霊もいなくなり、静寂が訪れた。だが、私の眠気は吹き飛んでしまった。もう一度眠り直そうにもここではもう眠れないだろう。何しろ、襲撃されるかもしれないという不安感が私の心に根づいてしまったのだから。すぐさま湖岸から引き上げることに決める。寝袋をザックにしまう頃には、既に焚き火は燃え尽きていた。暗い森の中を北へ――わずかに西寄りに――向かって進んで行くが、やがて自分がどれほど進んできたのかも、自分がどこにいるのかもわからなくなる。やがてわずかに闇が薄くなり湖から靄が沸きあがってきて、夜明けが近いことがわかる。ここでひと眠りすることも考えたが、このまま進み続けることにしよう。
 湖岸から離れた下生えは思ったほど歩きにくくはない。しばらく行くと、突然周囲の木の上から光が投げかけられる。



 もしやここは森の盗賊団のキャンプ――子供の頃乳母から聞かされた話と警告がよみがえる。森の盗賊達は妖精の一族ではあるが、その容貌は恐ろしい程醜く、他の妖精のような穏やかな気質は受け継いではいない。奴らは主として弱い者ばかりを狙う臆病な泥棒だが、自分達の体を数倍にも膨れさせる能力を持っているので、私にとっても手強い敵である。森の盗賊は全部で6人いるが、まず2人が襲いかかってくる。奴らは臆病なので、一度に1人ずつ順にしか攻撃してこない。
 〔森の盗賊1〕  技術点  6  体力点  8
 〔森の盗賊2〕  技術点  7  体力点  8
 〔批判屋〕    技術点 10  体力点 19

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔森の盗賊1〕6+13 < 22=10+12〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊1〕体力点−2=6
[2R] △〔森の盗賊1〕6+1016 = 16=10+〔批判屋〕△
[3R] ×〔森の盗賊1〕6+12 < 14=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊1〕体力点−2=4
[4R] ×〔森の盗賊1〕6+13 < 17=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊1〕体力点−2=2
[5R] ×〔森の盗賊1〕6+1016 < 17=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊1〕体力点−2=0
[6R] ×〔森の盗賊2〕7+1017 < 18=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊2〕体力点−2=6
[7R] ×〔森の盗賊2〕7+13 < 17=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊2〕体力点−2=4
[8R] ×〔森の盗賊2〕7+14 < 15=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊2〕体力点−2=2
[9R] ×〔森の盗賊2〕7+13 < 16=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔森の盗賊2〕体力点−2=0
 先頭の2人を倒し、残り4人に向き直る。私が2人をいとも簡単に(?)倒したものだから自分達に勝ち目はないと思ったのだろうか、慌てて逃げだした。本当に臆病者だな。相手によって態度を変えるというのは誰しもあるが、弱い者に強過ぎる輩は不愉快極まりない。さて、あたりを調べてみると、金貨10枚ザクロ石の指輪が落ちていた。どうせ近隣から盗んできたものだろう。やはり奴らはコソ泥だったのだ。一国の領主たるもの、これらは元の持ち主に返すべきなのだが、どこから盗んできたのかが分からない以上、私が持って行くほかはないようだ。奴らが持っているよりは私が持っていた方が世のためになるとは言い切らないが、その可能性が高いのは事実だろう。あとは魔法のランプがある。このランプは怪物どもを寄せつけない働きがあるようだ。尤も、私は怪物ではなかったので、奴らは私を寄せつけてしまったが。このランプがあれば、残り少ないが朝まで安全に寝られるようだ。私は寝袋を用意し、改めて浅い眠りをとる。静かに時間が過ぎていった……。
 ふと目が覚めると、もう夜が明けていた。魔法のランプは影も形もない。どうやらあのランプは一夜限りのものだったらしい。私は寝袋をしまい、再び歩き出す。湖から沸き上がった靄が木々の間を流れる中で、私はいずれも北寄りの方角を向いた2本の小道を発見する。北西か、北東か。北西だと枯葉の谷から遠ざかることになるだろうから、北東へ延びる小道を行くことにしよう。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 19/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 10
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、ザクロ石の指輪
 メモ …… ガーリンを呼び出す場合は100へ進む
 (Save Number:106→398)



← 【第4回】へ | 【第6回】へ →


2024/02/04


直前のページに戻る

『仮面の破壊者』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。