仮面の破壊者(プレイ日記)


【第4回】 死の湖の脅威(2)

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 22/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 0
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック

〔53〜〕
 死の湖までの数日間は、至るところに泉が湧き、猟の獲物も豊富で楽な旅ができた。食料も出発したときと比べて少しも減っていない。そして、ついに私は死の湖の南岸――文明の果て――に到着する。ここから先は、私を含むアリオンの人々にとって未知の世界なのだ。
 記憶に残っている限りでは、これまで誰一人として死の湖を渡り切った者はいない。人々は、深い湖の底には恐ろしい怪物が棲んでいるといい、また不思議な風が吹いて潮が流れ、鏡のように冷たく滑らかな水面がたちまちのうちに渦と大波に変わるという。とはいえ、最短の道のりは、この湖を渡ることなのだ。
 それでも、私は筏を作って湖を渡ることはしない。確かに、この湖を無事に渡り切ったのならば、私が初めて死の湖を渡り切った者としてクール大陸の伝説に名を残すことになるだろう。だが、命あっての物種だ。ここは湖を迂回することにしよう。では、東回りのうねりの丘か、西回りの欺きの森か、どちらかということになる。ここは欺きの森を進むことにしよう。敵は空から降ってくることもある。森の中ならば隠れやすいだろう。
 しばらく歩くと、森の端に着く。湖を右に見ながら森の中を進むにつれて、生えている常緑樹が次第に大きくなっていく。木々の枝が私の頭上を天蓋のように覆っている光を遮り、僅かな隙間を通り抜けた日光がところどころに光の帯をつくっている。だが、更に北へ進み続けると、私を歓迎(?)してくれた光の帯が消えてしまう。というよりは単に夜の帳が降りただけなのだが。さあ、危険に満ちた夜の始まりだ(別に襲撃を歓迎しているわけではない)。このあたりの湖岸で野宿するか、それとも次第に濃くなっていく闇の中を歩き続けるか。まあここは休むとしよう。夜通し歩き続けても大した成果は出ないだろう。ということで、野宿することにします。
 さて、野宿の定番といったら焚き火だ(本当か?)。まわりにたくさん落ちている乾いた木を集めて、火打石と火口箱を使って火を熾す。すぐに暖かい炎が燃え上がる。私は木の実をかじり、水筒の水を飲む。ここでまた選択だ。湖の水を汲んでおくか、それともすぐに寝られるように準備をするか。別に今すぐ湖の水を汲まなくてもいいでしょう。ということで、とっとと寝る準備をする。
 焚き火から付かず離れずの距離を保って私は寝袋に入る。考えてみれば、この寝袋もケヴィン製なんだよな。かれこれ長い間使っていてつぎはぎの箇所もあるが、寝袋そのものは丈夫だ。安心して野宿もできる。アリオンの領主は確かに私かもしれないが、私だけの力ではないことを常に心がけなくてはならない……。そんなことを思いながら、私はぐっすりと眠り込んでいる。真夜中を少し過ぎた後、湖面に何か異変が起きているような気がした。ここでこの冒険初の運だめしを行う。DD10と出ました(運点−1)。
 そこには、ケヴィンが立っていた。
「ご領主様、どうです、私の寝袋は。寝心地は如何でしょうか。」
「最高ですよ、ケヴィン。いつも最高の道具の提供をありがとう。」
「御礼には及びませんよ。クックック……」
 そういうケヴィンの手には鋭い短剣が握られている。ふと気づくと、私は寝袋ごと縛られていることに気づいた。
「ご領主様の心地よさそうな寝顔、ご領主様の幼少期から拝見していましたが、何ともかわいらしい。ご無礼は承知ですが、私一人のものにしたいと常々思っておりました……。」
 ケヴィンの手が私の喉元に迫る……
「ケヴィン、よせ!」
 私はガバッと上半身を起こす。何だ、夢か。ああ良かった……。



 だが、目の前の光景はちっとも良くないぞ。ぬるぬるとした5本の触手が、湖から私目がけて這い進んでくるのだ。反射的に私は焚き火から取った枝を一番近くにある触手に投げつけた。触手は一瞬怯んだ。火を恐れない生き物はいないというが、この触手とて例外ではなかった。わずかに心の余裕ができたが、このわずかな時間では触手から逃げ切る可能性は低いので、触手に立ち向かうことにする。一方、触手も本体の頭が湖から現れ、巨大な嘴状の口をガチガチ鳴らしながらこちらに近づいてくる。この生き物は間違いなくクラーケンだ。それにしても、クラーケンは海の魔物というイメージがあるのだが、こういった湖にも棲んでいるものなんだな、と妙に感心してしまった。なぜそんな悠長なことを言っていられるかだって? その理由は簡単さ。何しろクラーケンの奴、焚き火の炎が怖くて近づけないでやんの。だが、これでは埒が明かないな。クラーケンの頭を狙うよりは、クラーケンの触手を攻撃した方がまだ危険度は少ないとみえる。そして、剣だけで戦うよりも焚き火から燃えている木を取り、燃えている木を剣と組み合わせて戦う方が賢明だ。どうか燃えている木が残っていますように……ここでを行う。その目は……だ。
 私は一本の木を背にし、クラーケン側から見て焚き火の向こう側の位置にいるようにして、触手を一本ずつ順にして戦う。私は、焚き火の中から燃えている木を取り出す……そのとき、焚き火の煙が目に入り、一瞬視界が遮られた。あぢ、あぢ! 手を火傷してしまった。体力点1を失うが、手にした木は燃え続けたままだ。これにより、触手に対して体力点3のダメージを与えることができる(管理人注:邦訳版ではが5または6のときの一文にこの特典が書かれていましたが、文脈からが1または2でもこの特典が適用されるものとみなしました)。
 〔触手1〕   技術点  6  体力点  6
 〔触手2〕   技術点  6  体力点  6
 〔触手3〕   技術点  6  体力点  6
 〔触手4〕   技術点  6  体力点  6
 〔触手5〕   技術点  6  体力点  6
 〔批判屋〕   技術点 10  体力点 21

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔触手1〕6+=13 < 15=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手1〕体力点−3=3
[2R] ×〔触手1〕6+=13 < 16=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手1〕体力点−3=0
[3R] ×〔触手2〕6+10=16 < 17=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手2〕体力点−3=3
[4R] ×〔触手2〕6+=12 < 15=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手2〕体力点−3=0
[5R] ×〔触手3〕6+=13 < 14=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手3〕体力点−3=3
[6R] ×〔触手3〕6+=10 < 16=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手3〕体力点−3=0
[7R] ×〔触手4〕6+=9 < 14=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手4〕体力点−3=3
[8R] ○〔触手4〕6+11=17 > 16=10+〔批判屋〕× ⇒ 〔批判屋〕体力点−2=19
[9R] ×〔触手4〕6+=11 < 16=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手4〕体力点−3=0
[10R] ×〔触手5〕6+=12 < 21=10+11〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手5〕体力点−3=3
[11R] ×〔触手5〕6+=9 < 14=10+〔批判屋〕○ ⇒ 〔触手5〕体力点−3=0
 ついに最後の触手を切断した。流石のクラーケンもこれでは生きていられまい。何しろ、人間で言えば四肢を切断されたことになるのだから。事実、クラーケンの本体が徐々にではあるが、湖に沈んでいくではないか。かなり厳しい戦いだったが、何とか初戦を勝利で収めることができた。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 19/22
 運点 ………… 9/10
 金貨 …… 0
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック
 (Save Number:207→346)



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2024/01/31


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