仮面の破壊者(プレイ日記)


【第2回】 死の湖の脅威

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 10/10
 体力点 ……… 22/22
 運点 ………… 10/10
 金貨 …… 0
 食料 …… 10
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック

〔53〜〕
 死の湖までの数日間は、至るところに泉が湧き、猟の獲物も豊富で楽な旅ができた。食料も出発したときと比べて少しも減っていない。そして、ついに私は死の湖の南岸――文明の果て――に到着する。ここから先は、私を含むアリオンの人々にとって未知の世界なのだ。
 記憶に残っている限りでは、これまで誰一人として死の湖を渡り切った者はいない。人々は、深い湖の底には恐ろしい怪物が棲んでいるといい、また不思議な風が吹いて潮が流れ、鏡のように冷たく滑らかな水面がたちまちのうちに渦と大波に変わるという。とはいえ、最短の道のりは、この湖を渡ることなのだ。
 よし、ここは筏を作って湖を渡ることにしよう。この湖を無事に渡り切ったのならば、私が初めて死の湖を渡り切った者としてクール大陸の伝説に名を残すことになるだろう。

♪男だったら一つにかける〜 かけてもつれた謎をとく〜

 そうとも、この銭形平○のテーマソングの如く、恐ろしい怪物とやらの謎も解き明かしてやろうじゃないか。ジパングの時代劇である銭形●次のテーマソングを歌いながら、私は筏を作った。近年ではこれをDIY(Do It Yourself)とも呼ぶらしい。
 DIYを終えたときは、既に夜になっていた。うむ、我ながら上出来だ。
 私は慎重に筏を水に浮かべてみる。奇妙なことに、筏を水に浮かべても湖面には漣一つ立たないぞ。しかも、深くて暗い湖は、満月に近い明るく輝く月すら映していないのだ。まあ、湖の全てが摩周湖みたいに透き通ってはいないからな。
 それ以上のことは何も起こらないので、私はDIYの筏を湖に漕ぎ出す。100メートルも進まないうちに、何やら筏の底でシューシューという音がした。何の音だ? だが、それを調べる暇もなく、突然5本の太い触手が現われた。そして、恐るべきことにその触手は私に絡みつくではないか。
「あぢーーっ!」
 今は冬だというのに、触手が熱いだと? 湖の水はもともと熱湯だったのか? いや違う。これは酸だ。この湖の液体は水ではなくて強酸だったのだ。強酸まみれの触手に絡みつかれた箇所から煙が出ていることでそれがわかった。この湖の酸性は『ナイトメア キャッスル』に登場した腐蝕妖怪の酸にも匹敵する強酸で、推定水素イオン濃度(pH)は1と言ったところだろう。近年では水素イオン濃度のことをペーハーではなくピーエイチと呼ぶようだ。ええい、今はそんなことを言っている場合ではない。
 筏を見よ。筏を構成している木材やそれを縛り付けた縄も、今や強酸によって煙を上げて湖に沈みかけているではないか。触手は私が銭△平次のテーマソングを歌い終わるのを待たずに湖底に引きずり込む。

 〜〜 一瞬、熔鉱炉の中心に投げこまれたような苦痛がはしるが、やがて君の命なき体は溶解しながら沈んでいくことだろう。〜〜 (ナイトメアキャッスル154番より)

 同じクール大陸とは言え、まさか、ナイトメアキャッスルの死の描写が別の冒険に出てくるとは思ってもみなかった。もはや◎形平次のテーマソングも死出の挽歌になってしまった。

 銭形●次のバカヤロー〜〜〜ッ!!(いや、銭△平次は関係ないです)

END


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2024/01/24


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