フィンブルヴェトル物語(プレイ日記)



【第6回】温泉から洞窟へ

 温泉へ足を運ぶ。…って、なんで温泉にまで兵士がいるの? 物騒な世の中だなあ。



 取り敢えず、温泉を探索する。



 任務を達成したらゆっくりつかりたいところだが、今は伯爵からの内命があるからパス。
 今度は北へ行こう。ん? 先へ続く道に兵士が立っているぞ。



 パウラ隊長……って誰?
 それはともかくとして、どうやらそのパウラ隊長という人に会わないと先へ進めないようだ。
 仕方がないので パウラ隊長とやらに会いに行く。
 温泉の入口のすぐ左にある小屋が怪しいぞ(というより他に行くところがない)。



 小屋にまで兵士……って、兵士の人件費で国の財政が逼迫(ひっぱく)していないだろうな? 国を守ることよりも己が生活の安定のために公務員(=兵士)を志すなんて輩がいないとも限らない。
 もし、兵士が私利私欲のため職権を濫用した場合は、責めは騎士団の総括部長である影の薄い伯爵が取ることになろう。だが、そうなると(名ばかりは)隊長の私も減給処分は免れない。最終的には国王がマリーアントワネットの如く打ち首獄門になるのだが。兵士は殉職してなんぼとは言わないが、国土及び国民の安全を第一に考えなくてはならない。違法行為をした者を捕まえるのは飽くまでも手段であって目的ではない。「悪い輩を捕まえるのが仕事」と思っている兵士こそ獅子身中の虫と言わざるを得ない。
 左側のベッドは温泉宿か? メイドさんにたずねてみると……



 休んでもよいのだが、今は満タンなのでまた今度にします。
 さて、小屋の奥にいるのは……



 この人がパウラ隊長か。って、私はあなたのことは全然知らないんですけれど。
 しかし、私以上に驚いたのはクリスだった。
「え? パウラ隊長がなぜここに?」
 どうやらこのパウラ隊長という人は、女性騎士団の隊長らしい。男女同権を謳っている現代だから別の女性の騎士隊長がいても驚かない。どうやら、このパウラ隊長という人は、クリスの母親であるエリーゼと同級生らしい。

 またもや面倒なので話を箇条書きにまとめると……
  • パウラも我々と同じく影の薄い伯爵から内命を受けている途中である。
  • パウラの姪であるソフィーの安否を確かめてきて欲しい。
  • 伯爵から聞いているだろうが、ソフィーのコードネームはキュンストラー(って知らねえよ。そんなこと初めて知ったわ!)。
  • 子供の方が潜入しやすいという伯爵の浅薄な考えでソフィーを送り込んだが、それはロールシャッハ軍が西岸(=兵士に追い返された場所)に本陣を取る前の出来事である。



  • 「情けない。それでも隊長か! 男女無差別の戦線で『女だから許される』というのは通用しないんだぞ!」

     途端にパウラが涙ぐむ。そして、しくしく泣き出してしまう。(実質初対面の)女性に対してこの厳しい物言い。これこそが<批判屋>の真骨頂である。
    「アレク隊長、やめて。パウラ隊長だってソフィーの安否を気遣う気持ちは一緒なんだから。」
     すかさずクリスが間に入る。だから<批判屋>は男性よりも女性に厳しいとジパングの周りの人から言われるのであろう(管理人註:実話です)。
     パウラ隊長が一言も言い返さない様子を見て、私もこれ以上言うのをやめた。
    「確かに、マルクス教徒も出てきて、厄介なことこの上ないのは事実だからな。まあいいでしょう。ソフィー……いや、キュンストラーに会いに行きましょう。」
    「ありがとう、アレク。」
     そう言うパウラは、まだ涙が止まらぬ様子だった。



     エルがそう思うのも尤もだ。「そなたの任務は十分に説明されておらぬ。」というロシーナ・ドリーの言葉が頭をよぎる。
     そう言われてみると、パウラを怒鳴りつけても仕方がない。己の力量を超える案件を無理矢理押し付けられたパウラもある意味被害者なのだ。伯爵は影が薄いから許されるのか?



     はいはい、わかりました。ここで任務を放り出したら、今度は立場が逆転してしまう。相手に厳しいことを言ったら、自分はその10倍の厳しさで遵守しなくてはならぬ。
     パウラ隊長のいる小屋を出て、北の入口にいる兵士のところへ。



     よし、今度は通れるぞ! と、兵士が私に耳打ちをする。
     「先程はありがとうございます。アレク隊長がパウラ隊長を叱りつける声、こっちまで聞こえましたよ。先日、私はパウラ隊長に『男らしくない』と言われ、私はぐうの音も出ませんでした。男女同権のこの世相で『男らしくない』などと言われてパワーハラスメントだと思いましたが、何分言い返す勇気も出なくて。ですが、今日アレク隊長が怒鳴ってくださって私は内心溜飲が下がっています。本当にありがとうございました。」

     あら恥ずかしい。私の声が小屋の外にまで響いていたとは。だが、自分がされたらどう思うかを考えられない輩は人の上に立つ資格はないと思っている。偶然とは言え、パウラは私の叱責が骨身に沁みたのだろう。これでパウラも部下の男性兵士への物言いを少しは改めるはずだ。指摘するべき点は指摘する必要があるが、相手の人格を攻撃してよいわけではない。まして、面と向かって言い返せない人に対して人格攻撃をすると、思わぬ形で自分に返ってくるのは必至である。私も気をつけなくては……。


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    2019/07/09


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