暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【第20回】 ジョシュは叔父の助手?

〔STATUS(現在の値/原点)〕
 生命力 … 27/27
 気力 … 17/17
 知性 … 15
 経験 … 7
 狂気 … 1
 所持金 … 10ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2、石笛
 メモ … 緊急脱出の呪文は『ネクロノミコン』の108ページに載っている
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)、A浜辺で射殺される(517)

〔396〜〕
 私が橋に近づくと、男が急に立ち上がってこちらに向かってきた。ひどい恰好をした男だ。だが、インスマス面ではないようだ。ここは、一か八か声をかけてみよう
「どうしました?」
「ああ、すまんが、金があったら少し分けてくれんかのう。」
 よかった、ただの物貰いだったのだ(まぶたの下にできると視界と見栄えが悪くなる方ではない)。まあ、2ドルくらいでいいでしょう。
 私が2ドルを男に渡すと(所持金10ドル→8ドル)、窶(やつ)れた男は歯のない口を大きく開けて笑った。
「ありがとう。これで酒が飲める。このジョシュに金を恵んでくれるとは、あんたも気前のいい人だね。旅の人らしいが、こんな町からはすぐに出て行った方がいいよ。」
 思いがけないことに、このアルコール中毒の男こそ、叔父のメモにも記され、シュリュズベリィ博士が会いたがっていた、あのジョシュだったのだ。この幸運に対し、経験ポイント(!)を加えることができる。これを逃す機会はない。叔父の助手とも言える(?)ジョシュと話をしよう。だが、どうやって話を切り出そうか。ここは、ジョシュの好きなお酒関係でいこう。今のご時世、上司からすれば“ノムニケーション”でも、部下からすれば“アルコースハラスメント”となるケースは多い。だが、お酒を手段とする話はスサノオノミコトのときからある。相手の好きな話題に合わせる手段は昔も今も有効だ。
「ジョシュさん。私は<批判屋>と申します。私もお酒を飲みたいのですが、こんな昼間からお酒を飲める酒場などはありますか?」
 ジョシュは首を振った。
「いや、ないね。今の時間は酒屋で酒を買うしかない。」
 そう言ってジョシュは立ち上がった。ちょうどそのとき、バスがやってきて橋を渡り、半円形の広場に向かった。アーカムへ行くバスは4時間に1本しかないのだ(なんという田舎…)。これを逃せばアーカムに向かって『ネクロノミコン』に目を通ることもできない。ジョシュと別れるか? いや、やめよう。ジョシュと出会ったことも何かの運命の導きなのだ。残念だが、アーカムに戻るのはあきらめよう。ジョシュは私に向かって顎をしゃくり、橋を渡り始めた。ふらふらした歩き方だ。私たちが広場に着いた頃にはバスはもう発車していた。これで、シュリュズベリィ博士に会えない限り緊急脱出ができないことになる。覚悟していたとはいえ、実際にその状況を自覚すると気落ちしてしまうことは否めない。気力ポイント失う。
 ジョシュは広場に面する、小さな酒場に向かった。店主は店の前を掃除していたが、ジョシュの姿を見た途端、箒(ほうき)を振り上げて言った。
「またお前か。お前に恵んでやるような酒はない!」
 ジョシュを見た途端にこれとは、ジョシュは悪いことで有名になっているのか? 私がジョシュに代わって酒を買うことにする。
「あの…」
「ん? ああ、これはいらっしゃいませ。」
 店主は振り上げていた箒を下げ、私に対して居住まいを正した。
「私がこの人に代わってお酒を買うことにします。おいくらですか?」
「あ…はい。え〜8ドルになります。」
 所持金は…ぎりぎり8ドルある。私は店主に8ドルを支払った。これでお金がなくなってしまったが、まあいい。この冒険で賄賂が通用する相手がいるとも思えないし、それ以外にあんまりお金の使い道もないからな。
「へい、まいどありぃ〜。ただね、旦那、あんまりこの男と関わり合いにならない方がいいですよ。見返りがあるわけでもないし。」
 店主がそう思う理由は分からなくもないが、私にとってはジョシュは重要人物だ。8ドル(合計10ドル)以上の見返りはあると信じている。私はとりあえず店主の忠告にお礼を言い、酒屋を離れる。そしてジョシュに酒壜を渡す。
 ジョシュは酒壜を手にすると、すぐに栓を開けてそのまま飲み始めた。私はジョシュを連れて広場のベンチに向かう。
 さりげなくきっかけをつくって町のことを尋ねてみると、ジョシュはもうすっかりいい気持ちになって、べらべらしゃべり始めた。
「インスマスなんて、ひどい町だよ。もう少し若かったらこんなくそったれな町から出て行ってやるんだが。」
 ジョシュはそう言って<悪魔の暗礁>について話し出した。
「月の出ない夜になると、何人かの男たちがボートに乗って<悪魔の暗礁>に向かうんだよ。だがな、戻ってくるときにはいつも決まって1人か2人、人数が減っているんだ。」
 <悪魔の暗礁>か…。私もその恐ろしさは身を以て体験している。
「ぞっとするような悲鳴が微かに聞こえるんでさぁ。それに妙な、祈りをあげているような声もね。人間じゃねえものを見たことだってありますぜ。もう恐ろしくって。それだけじゃねえ。一度、望遠鏡で見たんですが、どういうわけか、ボートが<悪魔の暗礁>に停めてあるのに誰の姿も見えねえ。それなのに、しばらくしてまた望遠鏡で見たら、何人かがボートに乗って戻ってくるじゃありませんか。妙なことだが、<悪魔の暗礁>には隠れ場所でもあるんですかねぇ。」
 ジョシュはそう言って、酒を一気に煽(あお)った。私はもっと詳しく聞こうと思ったが、ジョシュは口をぽっかり開けてあっという間に眠り込んでしまった。起こすのも気の毒なので、私はベンチを離れる。
 ジョシュの話を聞いたことで、経験ポイントを加える。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 生命力 … 27/27
 気力 … 16/17
 知性 … 15
 経験 … 10
 狂気 … 1
 所持金 … 0ドル
 手に入れたもの … 叔父の手帳、鉄製の鍵、奇妙な魚をかたどったペンダント×2、石笛
 メモ … 緊急脱出の呪文は『ネクロノミコン』の108ページに載っている
 RIP … @ナイフが背中に刺さって死亡(322)、A浜辺で射殺される(517)
 (Save Number:340→148)

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2016/11/07


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