暗黒教団の陰謀(プレイ日記)


【初期設定と背景】

 私の名はALADDIN(アラジン)。祖国ジパングでは<批判屋>と呼ばれている。
 3回目の旅は、伝説のク○ゲーと呼ばれる『暗黒教団の陰謀』である。どんな理不尽なことがあっても決してくじけない所存だ。今から初期設定を行う。

 生命力 … DDは12(!)。従って、原生命力ポイントは27。
 気力 … DDは7。従って、原気力ポイントは17。
 知性 … DDは10。従って、知性ポイントは15。
 狂気 … DDは4。従って、狂気ポイントは1(4−5=−1となるが、ルール上最低でも1にしなくてはならないため)

 これらの値を初期設定とする。気力が平均的の他は、サイコロ運に恵まれた。だが、最初のサイコロ運が良いからと言って順風満帆に進むとは限らないのがこの冒険の特色である。冒険を進めていく上で初期設定や他のルールを一部変更するかもしれない。詳しくは、そのときになって説明する次第だ。できれば初期設定でクリアしたいのだが……。初期の持ち物としては、筆記用具、ハンカチ、身分証明書、そして20ドルである。このうち筆記用具、ハンカチ、身分証明書はこの冒険とは直接関係ないので以降省略する。

 これから私が赴こうとしているのは、クトゥルー(クトゥルフ)神話の世界だ。この世のものとも思えぬ輩を相手にしていかねばならない。

〔プロローグ〕
 いまからおよそ五十年まえのこと、アメリカのプロヴィデンスで奇怪な事件が起こった。カレッジ・ヒルに部屋を借りていた、作家であり画家であるロバート・ブレイクが、フェデラル・ヒルに立つ無人の教会を訪れ、その塔上の部屋で、世にも不思議なものを発見したのだ。
 この教会は<星の智慧派>と呼ばれる、邪悪な宗派の巣窟になっていたもので、暗黒の秘儀がとりおこなわれ、未知の深淵から言語を絶する存在が召喚されていたという。この教会の近くで行方不明になった者が多数出て、恐ろしい噂がとりざたされるようになったことで、宗派の者はいつのまにか行方をくらましてしまい、それ以来教会は閉鎖され、誰一人として近づく者はなかった。
 ブレイクは好奇心にかられ、この教会のなかに入りこみ、魔道書の多くがのこされていることを知るとともに、白骨死体と、とても地球のものとは思えない、不思議な物体を発見した。
 同時に発見した書物は、未知の言語で記されたものだった。ブレイクは調査をはじめ、この言語が、太古から存在する邪教の宗派が用いる、アクロ語であることをつきとめ、解読にとりかかり、恐ろしい事実を知るにいたった。
 塔上の部屋で発見したものこそ、伝説にうたわれる、<輝くトラペゾヘドロン>にほかならなかったのだ。
 時間と空間のすべてに通じる窓と呼ばれる、この<輝くトラペゾヘドロン>は、暗黒星ユゴスでつくられ、地球にもたらされたもので、人類の誕生以前に地球に到来して、南極に大文明を築きあげた海百合状生物が秘蔵していたものだった。地球の生命体をつくりだした南極の海百合状生物が絶滅したあと、<輝くトラペゾヘドロン>はヴァルーシアの蛇人間によって、海底の廃墟からひきあげられ、途方もない歳月を経て、レムリア大陸ではじめて人間の目にふれたらしい。
 その後、アトランティス大陸とともに海中に没したあと、ミノア漁師の網にかかり、ケムの商人に売りはらわれ、悪名高いエジプト王、ネフレン=カの手に渡った。ネフレン=カは窓ひとつない神殿を建立し、<輝くトラペゾヘドロン>をつかって、邪悪な信仰にふけったため、王座を追われ、神殿も破壊されてしまった。そしてその廃墟のなかから偶然に発見され、いつしか<星の智慧派>の所有するものになったのだ。
 この<輝くトラペゾヘドロン>を見つめると、<闇をさまようもの>が目覚め、宇宙が誕生して以来のあらゆる知識が得られるという。窮極の混沌にいる万物の王である、白痴にして盲目の神、アザトースの姿を知ることはもちろん、邪悪な<旧支配者>の秘密を、すべて知ることができるのだ。
 人類誕生以前の種族が築きあげた文明の廃墟を訪れ、そこにのこされた記録から、<旧支配者>の秘密がつきとめられ、『ネクロノミコン』といった魔道書に記されているが、<旧支配者>の秘密はまだ完全に解明されたわけではない。魔道書を手がかりに、これまで多くの者が、善意あるいは悪意から、<旧支配者>に接近しようとしているが、不十分な知識しかもっていないために、大多数の者は血も凍るような恐怖に襲われ、発狂するか死んでしまっている。
 <旧支配者>の復活をくいとめるには、<旧支配者>についての知識を完全なものにしなければならないのだ。原爆までつかった試みも、<旧支配者>を倒すにはいたっていない。このためにも、<輝くトラペゾヘドロン>を手にいれ、秘密をつきとめる必要がある。
 しかし、<輝くトラペゾヘドロン>は安全なものではない。<闇をさまようもの>は知識をあたえる代償に、恐ろしい生贄を要求するからだ。フェデラル・ヒルの教会で、<輝くトラペゾヘドロン>を見つけ出したろロバート・ブレイクも、用心をおこたったため、自分自身が生贄となって、謎めいた死をとげることになってしまった。
 ブレイクの死後、<輝くトラペゾヘドロン>は、<闇をさまようもの>を二度と目覚めさせないよう、世界の平穏を願う者によって、海に投げすてられてしまったが、これは軽率な行為だった。たしかに<輝くトラペゾヘドロン>は危険なものだが、これなしでは<旧支配者>の完全な知識は得られないのだ。それだけではなく、海にはクトゥルーにつかえる無尾両棲類、ルルイエの深きものどもがひそんでいる。
 事実、ルルイエの深きものどもが、すでに<輝くトラペゾヘドロン>を手にいれ、ひそかに海に通じる地下洞窟に隠しこんでいるという。いずれもルルイエの深きものどもが時期を見て、<輝くトラペゾヘドロン>を見つめ、<闇をさまようもの>を目覚めさせ、世界に恐怖をもたらすことだろう。これがきっかけになって、<旧支配者>復活のときがさらに近づくかもしれない。
 そんなことが起こらないよう、そして<旧支配者>の復活を阻止するための知識を得るためにも、<輝くトラペゾヘドロン>をルルイエの深きものどもから奪わなければならない。<輝くトラペゾヘドロン>を手にいれなければ、人類の終末をくいとめることはできないのだ。

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2015/11/12


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