奈落の帝王(プレイ日記)
【第24回】 最後の決断
技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
体力点 … 12/18
運点 … 9/10
時間表 … 13
特筆点 … 《ハエ刺し》会得、色の変わる傷跡、シージュのにおい玉の薬草を食べた
金貨 … 4
食料 … 1
所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、
謎かけ盗賊の瓶
、
メマの吹き矢筒
、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)、紋章のついたロケット、狐の手袋、ジェーラの葉、銀の呼び子、宝石を鏤めた胸当て、光沢のあるブーツ、金の拳、真珠を嵌め込んだ頭蓋骨、縞瑪瑙(しまめのう)の笏、水晶球
〔108〜〕
鎖を手繰り寄せていくと、やがて牢獄の壁が雲の間から現れた。その中には見覚えのある顔もあった。
「あっ、守護者さまが巨人になっているだ。」
その呼び方は、謎かけ盗賊の現れた村で出会った村人だった(第3回参照)。バイソスの侵略はこんな小さな村にまで及んでいたのか。だが、それももうこれまでだ。ついに私はカラメールの近隣諸国の人々の魂を救い出した。あとは村人を地上に送り届けるだけだ。でも、どうやって?とりあえず宮殿に行けば何か手がかりがあるかもしれない。私は鎖を持ったまま水晶の平原を歩く。初めて宮殿に向かったときとは違い、今度はさほど時間がかからなかった。それもそうだろう。私の身長は優に18メートルを超えているのだから。
宮殿で私はフードつきのマントを着た召使いたちに迎えられた。彼らは深々とお辞儀をし、私が新しい奈落の帝王だと宣言する。私自身は帝王になる気などないのだが、バイソスよりは奈落をより良く治められるだろうし、彼らが私を帝王扱いするのであれば、それはそれでよいのではないか。私はヘリウム風船の牢獄を水晶の地面に下ろし、鉄格子を引きちぎった。何千人という囚人たちがよろよろと牢獄から出て、あたりをうろつく。そして驚いて顔を見合わせている。全員が脱出すると、私は彼らを先ほどの宮殿の大きな部屋に案内した。
カラメールへ戻る道はないのだろうか。私は召使いたちに尋ねてみた。召使いたちによると、バイソスは珍しい青水晶を粉にして水に溶かしたものを使い、地上に行き来していたという。幸いにも、宮殿にはいくらか蓄えが残っていた。召使いたちが薬を作り始める。時が経ち、薬の準備ができた。私の目の前に、大きな容器いっぱいの澄んだ青い液体が差し出される。新たに任命された金粉拾いが進み出て言う。
「陛下、あなたさまの大きな御体をお運びしますには大量の薬が必要でございます。できる限りご用意申し上げましたが、残念ながらあなたさまとここにいる全ての方々を両方お帰し申し上げるには量が足りません。どうか、ご決断を。」
最後の決断だ。私が飲むか、カラメールの人々に分け与えるか。…私の心は決まっていた。当然
カラメールの人々に分け与える
ことにする。私の任務はカラメールの人々を救うことだ。私1人が地上に戻ったところで、自分だけが助かることになる。それに、地上に戻ったところで、今の私に何ができるだろう。カラメールや近隣の村に滞在するにはこの体は大き過ぎるし、事情を知らない地上の人々が今の私を見たら化け物扱いすることは目に見えている。
私は1人のカラメール人に貴族宛ての書状を渡す。バイソスが滅び、カラメールに平和が戻ったこれまでの経緯を書き記したものだ。まずは、そのカラメール人が青い液体を一口飲む。彼は忽ちにして青い輝きを残し、消え去った。地上に帰って行ったのだ。そして、次々とカラメールの人々が地上に帰っていく。やがて、最後の1人が地上に戻ったところで、青い液体はちょうどなくなった。これでよし…
召使いの説明によると、私が奈落の帝王になれば、アランシアで失われ、この帝国へ齎(もたら)された魔法の品々を全て手に入れることができるという。しかし、それすら奈落に囚われたことや、突然変異を起こしたこの体の代償としては些細なものに過ぎないらしい。
ふと、私は左手を見る。そこには、かつて
色の変わる傷跡
がついていた。だが、新たに取得した驚異的な回復力により、今はもう跡形もない。バイソスの侵略、そしてカラメールの裏切者による邪悪な計画とともに、色の変わる傷跡は消滅した……。
(400へ進む)
← 【第23回】へ
|
2014/01/07
直前のページに戻る
『奈落の帝王』のトップに戻る
ゲームブックプレイ録のトップに戻る
トップに戻る
(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。