奈落の帝王(プレイ日記)


【第22回】 バイソスの宮殿

 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 …  8/18
 運点 …  9/10
 時間表 … 13
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得、色の変わる傷跡、シージュのにおい玉の薬草を食べた
 金貨 … 4
 食料 … 2
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)、紋章のついたロケット、狐の手袋、ジェーラの葉、銀の呼び子、宝石を鏤めた胸当て、光沢のあるブーツ、金の拳、真珠を嵌め込んだ頭蓋骨、縞瑪瑙(しまめのう)の笏、水晶球

〔3〜〕
 足下で水晶の表面がざらざらし始めてきた。道が上り坂になる。更に多くのエクトヴァルトが金切り声をあげてかすめ飛び、私はクレーターの端に這い登る。見下ろすと、そこは滑らかで筋のついた岩からなる、規則的な溝のついたお椀形の窪地だった。真ん中に散らばっている金色の砂が暖かい光を放っている。しばらく様子を見ていると、金切り声とともに旋回していたエクトヴァルトの1匹が窪地の中に飛び込んで砕けた。再び形をなして飛び去ると、後にぴかぴかに磨き上げられた金の盾が残っているのが見えた。そして、更に多くのエクトヴァルトが窪地の中に突っ込み、きらきら光る宝を置いていった。全てのエクトヴァルトが飛び去ると、6人の水晶の戦士がそれぞれ巨大なハンマーを抱えてクレーターの向こうの端から進んでくる。彼らは宝を囲み、一緒にハンマーを振り上げた。どうやら彼らは宝を粉々に打ち砕くのが役割のようだ。5分後、彼らは来たときと同じように規則正しくクレーターの向こう側へ戻っていく。あとには、先ほど見た金色の砂が残されていた。水晶の戦士が去った後、まもなく微かな歌声が聞こえてきた。そのままそこにいると、フードつきのマントを着た背の高い人影が、始終歌を歌いながら窪地の中に入り、恭しく金の粉を絹のような袋に詰めているのが見えた。
「我が王にスープを!バイソスにスープを!魔法のスープが奈落の帝王を作る!」
 バイソス――確か、私が地上で笑わぬ将軍を倒したときにその名を聞いたような気がする(第19回参照)。この人影は奈落の帝王の手先に違いない。奴が粉を袋に詰めている間に、窪地の端を先回りしてみることにする。人影が来た方角へ向かうと、2頭のエクトヴァルトのつながれた水晶の戦車があり、そのそばでは水晶妖精が主の帰りを待っているのが見えた。水晶の影に隠れていると、先ほどの人影が近づいてきた。今だ!
 人影に不意打ちを食らわせる。でえ〜〜〜い!強力な一撃を人影に見舞った。この不意打ちで相当有利になったはずだ。さあ、戦いだ…………あれっ?何と、今の一撃で人影は倒れてしまった。フードの下を見る。そこには、痩せ衰えた骸骨のような顔があった。人影の正体はスケルトンだったのか…?何とも呆気ない戦いだったが、まあいい。
 さて、これからどうしようか?この水晶の平原を抜ける方法は、この戦車にかかっているようだが、問題はどうやって乗り込むかだ。この格好では目立ってしまうことだろう。敵地に潜り込む最大の心得は何と言っても目立たないことだ。ここで、一つの考えが閃(ひらめ)いた。この人影の装備をそっくりもらっていけばよいのだ。人影のフードをかぶり、金の粉の入った袋を持つ。よし、これで準備完了。この格好ならば大丈夫だろう。
 私はゆっくりと戦車に近づいて乗り込む。水晶妖精が恭しくこちらにおじぎをした。
「金粉拾い様、おかえりなさいませ。これからバイソス様の宮殿に戻ります。」
 水晶妖精はそう言って、高い声で叫んだ。途端に、エクトヴァルトが飛び立った。馬車ならぬエクトヴァルト車は平原を息を飲むようなスピードで地面すれすれに飛んでいく。数分後、前方に幻想的な水晶の宮殿の尖塔が見えてきた。周りを何百というエクトヴァルトが金切り声をあげて飛び回っている。巨大な入口に近づいたとき、その大きさに圧倒された。建物の高さは何百メートルにも及び、その材質はこれまで見てきた水晶と同じだった。やがて、宮殿の大きな部屋に入ると、戦車が止まった。私は戦車を降りる。
 ついにバイソスの宮殿に潜入することに成功した。だが、そんな達成感も束の間、もう1人の人影がそそくさと現れた。
「遅いぞ!我が王はお帰りだというのに、スープがまだできていないとは!へまをしでかしたら水晶の息を吹きかけられることになる。急げ!」
 私は彼の後に続き、別の部屋に入る。この部屋も先ほどの部屋と同じくらい大きかったが、一つだけ違いがあった。それは、気味の悪い大きな釜が置かれていることだ。近づいてみると、それはとてつもなく大きな手に合わせて作られた、1メートルはあろうかというゴブレットだった。また別のマントを着た人物が、座って飲み物をかき回している。私が袋の中身の粉を大釜に注いだ。やがて、それが深い緑色に変わっていく。二人は静かにその場を去り、私は1人その場に残された。
 この飲み物に何かを加えてみようか。グルシュ、アラール、ザザズのいずれかの薬があるが…いや、よそう。エンシメシスからは結局これらの薬効を聞くことができなかった。薬の副作用は私が一番よく知っている。いつも飲み慣れている薬だから安全というのは通用しない。まして効能もわからない薬を混ぜるなどもっての外だ。だが、この飲み物は重要な手がかりがありそうだ。このまま飲んでみようか。ほんの出来心が命取りになるかもしれないが、ここはひとつ飲んでみることにする。
 ゴクッ…ゴクッ…ゴクッ…あーまずい〜〜〜…もう一杯。(八名信夫風に)←このリンクをクリックすると動画が流れます。データ通信量にご注意ください
 この飲み物は深い緑色をしているだけに、青汁に似ているかも知れない。♪3●08●1キュー●イの〜青汁(このネタを知っている方は相当なマニアです)
 青汁…いや、バイソスのスープを飲んで気持ち悪くなった私は、口の中の後味を消すためにここで食事をする(食料−1体力点+4)。
 そして、これから起こるであろう出来事を待ち受けていた。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは太い赤字
 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 12/18
 運点 …  9/10
 時間表 … 13
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得、色の変わる傷跡、シージュのにおい玉の薬草を食べた
 金貨 … 4
 食料 … 
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)、紋章のついたロケット、狐の手袋、ジェーラの葉、銀の呼び子、宝石を鏤めた胸当て、光沢のあるブーツ、金の拳、真珠を嵌め込んだ頭蓋骨、縞瑪瑙(しまめのう)の笏、水晶球
 (Save Number:45→68)

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2013/12/24


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