奈落の帝王(プレイ日記)


【第13回】 カラメールの裏切者

 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 15/18
 運点 … 10/10
 時間表 … 11
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得
 金貨 … 4
 食料 … 5
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶、メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)、紋章のついたロケット

〔334〜〕
 昨夜の主塔の窓で見たもの、クワグラントやラメデスのこと、そして先ほどの騒動から読めてきた。
 (↓↓↓管理人注:裏切者が誰か、また、その推理については白黒反転で見ることができます↓↓↓)
 自分一人のときはその人の本性が出るものだ。昨夜のダンヤザードは何かに怯えていた。アルブドールの独り言は、それだけで彼女が犯人でないことがわかるし、独り言の中に出てきたマッドヘリオスも犯人ではないことがわかる(それに、マッドヘリオスのような神経質な男が一国の女王を殺して平然としていられるわけがない)。となると……そう言えば、シージュは私ににおい玉をくれた。このにおい玉は眠りを奪うほど強力である。シージュと同じく薬草を取り扱うエンシメシスも強力な魔法使いである。昨夜の出来事を振り返ってみる……シージュの部屋にあったゲーム盤はカラメールの侵略状況を図示したものではないだろうか。それから、邪悪なクワグラントはシージュによって造りだされたと言えば説明がつく。極めつきは今しがた葬儀で起きた騒動だ。ラメデスから託されたロケットを見るやいなや状況を確かめようともせず私を裏切者扱いし、剰(あまつさ)え己が権力を笠に着てルーサーに命じてまで私を殺そうとしたのだ。裏切者に加担する者はまた裏切者であるし、沈黙のシージュがあれだけ普段と異なる雰囲気を出しているのは、シージュ自らが裏切者と宣伝しているようなものだ。
 (↑↑↑管理人注:裏切者が誰か、また、その推理については白黒反転で見ることができます↑↑↑)
 この読みが違っていたら、もはや誰も真の裏切者は分からないであろう。私は覚悟を決めて、権力者に呼びかけた。
「先ほど私<批判屋>がキャロリーナ様にしたことと同じことをお願いします。」
 私に指名された権力者は完璧な優雅さで立ち上がり、周囲を見回した。ゆっくりと棺に近づき、その前に立つ。そして、頭をキャロリーナの方に下げ、途中で止めて、また起こした。
 私が昨夜から今朝にかけて調べたことを再確認している際も、権力者はためつすがめつ、未だキャロリーナの唇にキスをせずにいた。
「なぜ、こんな嘘つきの無礼者の指図で、頭を下げなければならぬ。こんなことには耐えられぬ。猥らではないか!」
 しかし、如何にカラメールの五大権力者と雖(いえど)も、身の潔白を示す行動をとらなければ民衆の疑いが晴れないことは間違いなかった。
「敬意を払え!」
 勇気ある民衆の一人が叫んだのを口火に、他の者もそれに倣って叫び始める。
敬意を払え!敬意を払え!敬意を払え!敬意を払え!敬意を払え…
「おだまり!」
 嫌疑をかけられた権力者は一声で群衆を黙らせた。そして、もう一度キャロリーナの方に屈み込む。ついにキスをするのか…。しかし、一瞬の後、権力者は宝石を鏤めた儀仗の剣をキャロリーナの遺体からもぎ取り、こちらに向かって荒々しく振り上げていた。不意をつかれた私はその剣の攻撃を躱(かわ)し損ねた。刃が左腕を掠(かす)めた。体力点2を失う。さあ、カラメールの裏切者と戦わなければならない。
 〔裏切者〕 技術点 7  体力点 5
 〔批判屋〕 技術点 10(+1)  体力点 13
[戦闘ラウンド(青字DDの値)]
[1R] ×〔裏切者〕7+=13 < 14=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔裏切者〕体力点−2=3
[2R] ×〔裏切者〕7+=16 < 18=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔裏切者〕体力点−2=1
[3R] ×〔裏切者〕7+=13 < 18=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔裏切者〕体力点−2=0
 きっちりと3Rで勝利を収めた。裏切者には死を!
 裏切者が死んで私の足元に横たわると、ごろごろという低い音が耳に届いた。音はどんどん大きくなり、しまいに私の全身が震え始めた。恐れをなした市民が怯んで逃げ出す。やがて、雷鳴のような音がして、私はもう少しでひっくり返りそうになった。裏切者の口から黒い雲が渦を巻いて吹きだし、その地上での形を再現した。それは私目掛けて押し寄せてきた。私は必死に両手で払おうとした。ガスのような人影は戦闘前に自らが傷つけた部分に纏わりつき、文字通り“雲散霧消”した。やがて、痛みが私の腕を走った。見ると、傷口から青い蒸気があがっていた。腋の下に押しつけると激しい炎は消えた。痛みが少し引いたので、左腕を見てみる。今や傷口は緑色の光に包まれ、見ているうちに傷の色は黄色から、オレンジ、赤へと変わった。痛みは鈍痛になって治まる。私の左腕には色の変わる傷跡が残った。
 カラメールの裏切者を始末したので、当面の危機は去ったと見てよいだろう。
「まさか、あの方が裏切者だったとは…。<批判屋>殿、これからどうなさいますか。」
 残りの貴族たちは私の指示を仰いだ。
「まずは、裏切者の召使い全員に見張りをつけることです。それから、街の総点検をしてください。」
 早速、残った権力者達は私の言葉を実行する。ルーサーの仲間も全員捕まり、厳しい取り調べを受けることになった。他の戦士たちはみな不可解な死を遂げていた――恐らく、裏切者の仕業だろう。以降の調査は残った衛兵の手に委ねることにして、私はまた旅支度を整えた。
「私<批判屋>は、キャロリーナ男爵夫人から仰せつかった、敵の正体と弱点を明らかにする任務を続けます。街の皆さんは、いつでもこの街から出る準備をしておいてください。敵の正体は昨日申し上げた通りです。カラメールの軍隊ではとてもかなう相手ではありません。敵が攻めてきたら、すぐに逃げてください。“三十六計逃げるに如かず”――ジパングに古くから伝わる諺です。」
「わかりました。<批判屋>殿もお気をつけて。」
「ありがとうございます。皆様のご無事を祈っています。」
 敵の軍隊が脅威であることに変わりはない。私はキャロリーナ男爵夫人から命じられた任務を果たさなければならない。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは太い赤字
 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 13/18
 運点 … 10/10
 時間表 … 11
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得、色の変わる傷跡
 金貨 … 4
 食料 … 5
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶、メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)、紋章のついたロケット
 (Save Number:384→183)

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2013/09/23


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