奈落の帝王(プレイ日記)


【第10回】 城内探索

 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 15/18
 運点 … 10/10
 時間表 … 10
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得
 金貨 … 4
 食料 … 5
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶、メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)

〔342〜〕
 主塔の中央の扉は当然、警備が厳重だろう。しかし、宮殿の壁についた階段を登り、その上を通っている通路をこっそり進んで行けば、屋根に到達できるだろう。宮殿の中庭を見回すと、一巻きのロープが馬小屋の外のフックにかかっているのに気づいたので、ロープを体に巻きつけて階段へと向かった。ときおり通路をパトロールしている衛兵には十分注意しなければならない。ここで技術点チェックDD<技術点(=10)で成功する。DD=2+5=7で成功。通路を忍び足で進み、ようやく主塔と交わるところまで来た。ここからはわずかな段差を飛び降りれば、宮殿の主塔のわずかに傾斜した屋根に着く。真上には主塔の尖塔が聳えている。だが、注意は主塔の下に向けた。翼のある生き物が出てきたのはこの下の窓のどれかだが、残念ながらはっきりしない。主塔には中庭に面した壁が四つあって、それぞれに小さな観音開きの窓がついている。主塔のへりに沿って、装飾的な忍び返しが一列に並んでいるので、そこにロープを結わえ付けることができるだろう。そして、壁伝いに降りて窓を覗けばよい。さて、どの窓から見ようか?右から覗いていこう。
 一番右の部屋は薄暗かった。部屋の主はこちらに背を向けているが、それが沈黙のシージュであることはすぐにわかった。私ににおい玉をくれたその後ろ姿はよく覚えている。どうやら彼女は深い瞑想にふけっているようだ。小さなテーブルを前にして座っている。テーブルの上には一枚のゲーム盤と数枚の代用硬貨が置かれている。彼女は指先で硬貨を押さえ、ゆっくりとゲーム盤の表面をすべらせている。よく目を凝らしてみると、そのボードはカラメールの地図だった。もしや…。しばらくシージュが動き出すのを待つが、しまいにはあきらめて主塔の屋根に戻った。
 今度は右から2番目の窓を覗いてみる。イクチャンのダンヤザードが床に腰を下ろし、衣類や宝石を注意深く、小さな鉄張りのトランクに詰めている。どう見ても、急ぎの旅かさもなくば逃亡の準備をしているようだ。「キャロリーナの葬儀に忙しい」はずではなかったのだろうか?私はロープをたぐって屋根に戻る。
 次は左から2番目の窓を覗いてみる。その部屋は家具が少なく、わずかにベッドと一対の椅子と鏡台があるきりだった。ベッドの上に、司法官のアシア・アルブドールがきちんと服を着たまま、背筋を伸ばして座っていた。彼女は空っぽの椅子の一つの方をじっと見つめ、話をしているようだった。その断片が聞こえてくる。「……あなたが初めてカラメールへ来たときのことを思い出すわ。私はあのとき、あなたをブルーストーン男爵に紹介してあげた。それが、彼と結婚することになるなんて、誰が考えて?……あんなに若くて、無邪気だったのに……どうして?……カラメールのことを心配するのをやめればよかったのよ、キャロリーナ。マッドヘリオスが全てうまく取り計らってくれたでしょうに……」明朝の葬儀の弔辞なのだろうか?いずれにせよ、ここではもう調べることはない。ロープをたぐって屋根へ戻る。
 さて、最後は一番左の窓を…おおっと、一人の衛兵が通路をこちらに向かってくる。向こうはまだこちらには気づいていないが、このすぐそばを通り抜けるのは間違いない。残念ながら一番左の窓は諦めるより他はなさそうだ。ここで騒ぎを起こすわけにはいかない。ロープを滑り降り、下の宮殿の中庭の影に隠れることにする。忍び返しを越え、粗いロープを滑り降りる。宮殿の中庭にそっと着地する。上の衛兵に目を光らせながら、近くの暗がりに駆け込む。危ないところだった。主塔の屋根に残っていたら、恐らく見つかってしまったであろう。
 主塔の屋根に衛兵が来た。や〜ね〜(林家木久扇風に)…などと言っている場合ではない。
 不意に、近くで金属のこすれる音がした。背後に、宮殿の別棟に通じる小さな金属の扉がある。鍵が錠の中で回っている。私は扉の脇の壁に身をぴったりくっつけた。扉が勢いよくこちら側に開いて、危うく押しつぶされそうになる。扉の陰の隠れ場所からいくらか話し声が聞き取れた。
「大した相手を用意してやったもんだな」
 この声は…忘れもしない、あのルーサーだ。ダンヤザードの前でこの私をたわけ呼ばわりした奴だ。おまえこそたわけ者だ!
「ああ、ルーサー、彼は伊達に無敵のラメデスと呼ばれているわけじゃない――充分酔わせてから竜を投げ込んだって、十人分の働きはするだろうからな」
「なあに、心配するな。もう一人の方はずっと簡単にいく」
 二人が話している「もう一人の方」とはこの<批判屋>のことだろうか?声が中庭の向こうの端に遠ざかり、扉がばたんと閉まった。どういうわけか、二人はこの扉を開けたままにしていった。この扉の中にラメデスがいるのだろうか?よし、奴らが出てきた扉の中に入ってみよう
 通路は暗く、数メートル進んだところで、急な下り階段になっていた。もう少しで踏み外すところだった。そんなことになれば階段を転げ落ちるのは必定、慎重に歩を進めていく。曲がりくねった階段を下ると、道幅が広がり、前方に松明の暖かい光が見えた。ずらりと並ぶ、空の独房の脇を抜け、陰になった壁龕(へきがん)やアルコーブでいっぱいの、粗削りの洞窟に入った。
 私の注意は床に据え付けられた、大きな鉄格子に引きつけられる。その中央にはずっと細い棒でできた撥ね上げ戸がある。そこから一メートルくらい離れたところに一対の手が鉄格子からぶら下がり、その下の暗闇で巨大な生き物がうごめき、いやな音を立てているのがわかった。その生き物はびちゃびちゃ、ぶくぶくという音を立てている。まるで洪水のようだ。一対の手?これは何事か。急いで撥ね上げ戸へ向かう。錠がついているが、閂に手をかけると、鍵は開いたままになっているのがわかった。私は撥ね上げ戸をやすやすと持ち上げ、手を奥に伸ばして男の手をつかめるかどうか試してみる。少し遠かった。
「もう少しこちらへ来てくれないか?そうすれば貴殿を助け上げることができる。」
 たくましい体つきからして、この男は無敵のラメデスに違いない。彼は一度に片手ずつ、苦労して、こちらへ進み始める。
 ラメデスの方に夢中になり過ぎていて、背後に立つ何者かに気づくのが遅かったようだ。何者かが無防備になっている私の尻を蹴飛ばした!!
「誰だ、俺のケツを蹴ったのは!?」
 人のケツ蹴るなー!そんな悪態も空しく、私は真っ逆さまに暗闇の中へ落ちていく。ズボンのお尻の部分に靴の跡をつけながら……。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは太い赤字
 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 15/18
 運点 … 10/10
 時間表 … 10
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得
 金貨 … 4
 食料 … 5
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶、メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)
 (Save Number:162→175)

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2013/08/15


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