奈落の帝王(プレイ日記)


【第9回】 カラメールの異変

 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 17/18
 運点 … 10/10
 時間表 … 9
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得
 金貨 … 4
 食料 … 5
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶、メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)

〔67〜〕
 もう一度馬に拍車をかけて、街の門を走りぬけ、火打ち石街道を宮殿に向かった。宮殿の入口で、街に残っている唯一の軍隊である衛兵の二人がいた。あの二人か。しかし、彼らの反応は驚くものだった。
「何の用だ。台所の手伝いなら足りているぞ。」
 ちょっと待て。お前ら私のことを知っているはずだろうが。何という無礼千万。しかし、ここは冷静沈着に。私はキャロリーナ男爵夫人直々の命令で任務に遣わされたのだと言うと、衛兵たちは眉を上げて、こちらを上から下まで眺めた。何なんだ、こいつらの態度は。一挙一動が不愉快極まりない。一人が宮殿の中に消え、もう一人がなお行く手を阻む。しばらくして、一人目の衛兵が戻ってきた。「キャロリーナ様の葬儀の準備に忙しいので、今日は誰も会っている暇がないそうだ――明日、出直してくるんだな。」衛兵の言葉に耳を疑った。キャロリーナが死んだ?嘘だろう!しかし、衛兵の次の言葉を聞いて、瞬時にその悲しみが吹き飛んでしまった。「城に入れてもらいたければ、風呂に入った方がいいぞ。」
 その瞬間、頭に血がのぼり、剣を抜いた。風呂なら昨夜入ったばかりだ。さっきからその態度は何だ。もう我慢ならない。バロロの丸盾の威力を見せてやる!
「こいつを捕らえろ!」衛兵の二人は束の間顔を見合わせ、うち一人が叫ぶ。ふん。捕らえられるものなら捕らえてみやがれ。お前らをぶっ殺してやる!…一瞬、背嚢に入れたシージュのにおい玉から仄かな香りが漂ってきた。
 衛兵は2人同時に飛びかかってくる。<批判屋>は〔衛兵1〕とは普通の戦闘を行う。〔衛兵2〕については普通に攻撃力を出すが、〔衛兵2〕より<批判屋>の攻撃力が勝っていたとしても〔衛兵2〕の攻撃を躱(かわ)しただけになる。もし〔衛兵2〕の攻撃力が勝っていたら無論<批判屋>はダメージを受ける。この戦闘方法は〔衛兵1〕との対戦中のみ適用され、〔衛兵1〕が斃れれば、<批判屋>は〔衛兵2〕と普通の戦闘を行うことができる。(管理人注:言葉にすると非常に複雑に見えますが、実際に試してみるとわかります。これはそれほど複雑な作業ではありません。)
 〔衛兵1〕 技術点  7  体力点  8
 〔衛兵2〕 技術点  6  体力点  7
 〔批判屋〕 技術点 10(+1)  体力点 17
[戦闘ラウンド(青字DDの値)]
[1R] ×〔衛兵1〕7+=12 < 16=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔衛兵1〕体力点−2=6
   (○〔衛兵2〕6+11=17 > 16〔批判屋〕× ⇒ 〔批判屋〕体力点−2=15 …衛兵2の攻撃をかわし切れなかった… )
[2R] 死〔衛兵1〕7+=14 < 23=11+12〔批判屋〕◎ ⇒ 〔衛兵1〕致命傷(体力点=0)
   (△〔衛兵2〕6+=14 < 23〔批判屋〕△)

 2戦目にして早くも致命傷が出た!

[3R] ×〔衛兵2〕6+=14 < 19=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔衛兵2〕体力点−2=5
[4R] ×〔衛兵2〕6+=10 < 13=11+〔批判屋〕○ ⇒ 〔衛兵2〕体力点−2=3
[5R] 死〔衛兵2〕6+=13 < 23=11+12〔批判屋〕◎ ⇒ 〔衛兵2〕致命傷(体力点=0)
 衛兵から一撃を食らったものの、なんと2人とも致命傷を負う結果になった。ざまあみやがれ畜生(中村嘉葎雄風に)。他人に対して横柄な態度をとった報いだ。地獄で後悔するがよい。だが、衛兵の死体をこのままにしておくのはまずいな。仮にも“仲間”だったわけだから。ということで、衛兵の死体をどぶに引きずっていき、そこに投げ落とした。辺りには戦死したと思われる他の衛兵の死体もあるから、まあ大丈夫だろう。
 宮殿の中庭に大股で入っていく。最初に会った人物は従僕だった。彼は担いでいる箱の重みでつぶされそうになりながらも馬小屋のほうへ急いでいく。従僕は私を見ると挨拶をし、用件を知りたがっていた。
「実は、ダンヤザードに緊急の言伝があるのだ。」
「では、控えの間に案内しますのでついて来てくだせえ。ダンヤザード様を連れてまいります。」
「ありがとう。」
 数分後、すらりとしたダンヤザードが、図体の大きいボディガードと、旅で汚れた身なりをした人物と一緒に部屋に颯爽と入ってきた。汚れた身なりの方はよく知っている。カラメールを守るために残った冒険者の一人で、ごまかしのうまいルーサーだった。こいつは信用できない。もしかすると、こいつが私になりすました(第2回参照)のではないかと思うほどである。しかし、証拠もなしに滅多なことは言えない。
「何の用です?」
 ダンヤザードがぶっきらぼうに言う。フォーガ寺院について文句を言ってやりたかったが、今はそれどころではない。旅のあいだにわかったこと、そして敵の正体を彼女に説明する。私が説明を終えると、ダンヤザードはルーサーの方を向き、訪ねた。
「本当ですか?」
「いいえ、ご承知の通り、私はまさにその土地を偵察して帰ってきたばかりでございますが、そのような軍隊は全く目にしませんでした。侵略軍など、どこぞの馬の骨どもが流しているデマに過ぎません――村人達は単に迷信にとらわれ、村を捨てて森に逃げ込んだだけなのです。このたわけは、こんな馬鹿げた作り話であなたさまに気に入ってもらえると思っているのでしょうか。」
 何を!おまえこそでたらめな作り話をしおって!言い返してやろうと思ったが、それよりも前にダンヤザードはこちらを向いた。
「私はキャロリーナの葬儀の準備に忙しく、お前たちの口論につきあっている暇はない。真実は私自身の方法で確かめよう。<批判屋>、お前は今晩宮殿で過ごすがよい」
 そういって、ダンヤザードはさきほどの従僕に召使いの部屋を案内させた。控えの間を出るときも私とルーサーは睨み合ったままだった。私は従僕の案内で、召使いの部屋に連れていかれた。
 案内された部屋は、ベッドこそ固かったが広さはそこそこあり清潔だった。ひとまず荷物を下ろす。そして、これまでのことを振り返りながら《ハエ刺し》の練習をした。昨夜バロロに教わったときは、止まっている的ならば百発九十中くらいのレベルには達していた。だが、これでは決め手にならない。この技は一撃必殺の最後の切り札だ。これをはずすわけにはいかない。それに、敵は止まっているとは限らない。文字通り、ハエですら刺し貫くくらいの命中精度でないとこの技が完成したとはとても言えないのだ。…ふと、バロロの言葉を思い出す。「お前はその不器用さを直すのではなく、活かすことを考えるんだ。不器用でないとできないことを見い出してみるんだ。短所は直すものではない、活かすものだ。」…そうだ、こうしよう!私は思い切って方針を変えた。どうせこのまま通り一辺倒のことをしても次に必要なときまでに間に合うとは限らないのだ。だったら…
 《ハエ刺し》の練習をしているうちに、夜になった。練習を一旦中止する。五感を研ぎ澄ますと、微かに耳慣れたうなり声が聞こえるのがわかった。敵は宮殿の中まで入り込んでいるのだ!急いで剣をつかみ、宮殿の中庭へ走り出た。主塔を仰ぐと、黒い影がそこから飛び立ち、夜の空に消えていくのが見えた。主塔はカラメールの貴族の居室になっている。中央の尖塔にはキャロリーナ男爵夫人のつづき部屋の私室と拝謁の間がある。翼を持った生き物が出てきたのは尖塔そのものではなくて、塔の基部にあたる主塔の窓の一つだった。《時間表》のますにチェック。この生き物…カマダンで遭遇した奴だな(第7回参照)。だったら主塔を調べるに限る。
 キャロリーナ男爵夫人を殺した真犯人を探すため、そして事件の真相を探るため、私は夜のカラメール城を探索する。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは太い赤字
 技術点 … 10/10 ※戦闘時、剣を用いている場合のみ+1
 体力点 … 15/18
 運点 … 10/10
 時間表 … 10
 特筆点 … 《ハエ刺し》会得
 金貨 … 4
 食料 … 5
 所持品 … ファングセイン鋼の剣(戦闘の際6ゾロが出れば致命傷)、シージュのにおい玉、謎かけ盗賊の瓶、メマの吹き矢筒、グルシュの瓶、アラールの瓶、ザザズの瓶、バロロの丸盾(戦闘時、剣を用いている場合のみ技術点+1)
 (Save Number:267→342)

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2013/08/13


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