真夜中の盗賊(プレイ日記)
【第1回】 情報収集(前編)
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〔STATUS(現在の値/原点)〕
技術点 ……… 8/8
体力点 ……… 19/19
運点 ………… 11/11
金貨 ………… 5
食料* ……… 10
飲み薬** …… ツキ薬
バックパックに入れる品物
…… 1.食料*、2.飲み薬**、3.(空)、4.(空)、5.(空)、6.(空)
その他の品物
…… 短剣1本、革の上着とすねあて、携帯用ランプ1つ、松明1本、火口箱1つ
特殊技能 …… すり、感知、目利き
ノート ………
〔1〜〕
ギルドを出る前、私は最後にもう一度振り向く。

盗賊メンバーが全員私の方を向いている。私は彼らに一つ頷き、ギルドを出た。
さて、宝石に関する情報はどこで手に入るのだろう。ラニックの言葉を思い出しながら考える。金持ちの商人の家が集まっているのはフィールド門の近く。ブラスの家さえわかれば、そこで何か役に立つ情報を仕入れることができるだろう。商人のギルトならばマーケット広場の向こう側だ。もしブラスが大物の商人なら、そこに事務所があるに違いない。そして、もう一つ、盗賊ギルドのすぐ近くの“輪なわ”と呼ばれる辺り。ここには商人はいないものの、アランシア中どこを捜しても、ここ以上に噂話や情報がたくさんあるところはない。ならば、まずは“輪なわ”へ行ってみよう。
“輪なわ”に着き、私はここのどこで情報が手に入るかを考えてみた。“輪なわ”のはずれには“ネズミとイタチ亭”という酒場があり、そこには盗賊や物乞いの他、いろんな連中がたむろしている。そこ以外にも、物乞いなら“輪なわ”ではいつでもいくらでも見かけることができる。連中は、ありとあらゆる噂を見たり聞いたりしているはずだ。そして“輪なわ”の反対側のはずれには、千里眼の占い師マダム・スターがいる。彼女は昼間はマーケット広場で商売をしているが、この時間なら家に帰っていることだろう。我々盗賊は夜の時間帯こそ活動時間だが、多くの人達は昼の時間帯が活動時間だ。そう思い、私はマダム・スターの家を訪ねることにした。
「すみません、マダム・スターの家はこちらの方角で合っていますか?」
「ああ、合っているよ。お前さん、今試験中なんだってな? せいぜい頑張りな!」
「ありがとうございます。」
マダム・スターの家へ向かいながら、辺りに沢山の物乞い、すり、追いはぎなどの姿があるのに気づいた。彼らはこの時間帯に道を歩く者に対して何か「一仕事」しそうなものだが、私がギルドの見習い盗賊ということを知っているらしく、誰も私に手を出そうとはしなかった。むしろ、新しい盗賊メンバーが誕生するのを暖かく見守っているようだった。そうこうしているうちに、私はマダム・スターが住んでいる家の前にたどり着いた。
コン、コン……。
「どなた様でしょう……まあ、あんたは見習い盗賊ではないか? それで、何で私の家に……って、聞くだけ野暮だね。あたしに占って欲しいんだろう。金貨2枚をお出し。」
先立つ物は……ということか。お金があるうちに使っておきたい。私はマダム・スターに金貨2枚を支払った。
マダム・スターは金貨を受け取ると、私を家の中へと迎え入れた。そして私に椅子に座るよう勧め、自分は小さなテーブルの反対側の椅子に腰かけて、テーブルの上の小さな水晶玉を睨みつけた。マダム・スターの顔が険しくなる。その顔に、私は一瞬緊張感をおぼえた。やがて、マダム・スターの顔から険しさが消え、私に微笑みながら話しかけた。
「あんたは何か貴重なものを捜しているようだね。それは何かの宝石みたいなもののようだ。それは暗いところ、それも死とつながる場所に隠されておるようじゃ。それを見つけるためには、眠りに関係がある場所と、仕事に関係がある場所を訪れなくてはならない……今の番号289を記録せよ……こんなん出ましたけどぉ〜〜。」
最後の言い回し、昔のジパングのテレビで見たことがある。眠りに関係がある場所と、仕事に関係がある場所……心当たりがあった。
「マダム・スター、どうもありがとうございました。」
「こちらこそ、毎度ありがとう。お前さんの試験合格を祈っているよ。」
私は、マダム・スターの家を後にした。さて、これからどうしよう? 先程マダム・スターの家を教えてくれた物乞いの方にお礼を言うべきだろう。オーブの世界では、盗賊どうしに信義なしとは言われたが、私自身はそうは思わない。むしろ、盗賊ギルドだからこそ信義がなくてはならないだろう。人は助け合うものであって、利用し合うものではない。それが自分に返ってくるというものだ。私は物乞いの姿を捜しながら、マダム・スターの家から逆の道のりをたどった。ポートブラックサンドにいる物乞いは全て盗賊ギルドの会員で、彼らは常に情報の宝庫なのだ。
「おう、お前さん、マダム・スターには会えたかい?」
ふと、誰かが私に声をかけた。この声は確か……。

この人だ。私にマダム・スターの家を教えてくれたのは……今気づいたが、よく見ると、この人は両足がなく、台車のようなものに乗っている。私は少し憐れむような表情になったが、私の心情は彼に見透かされていたようだ。
「おう、わしは“台車のバーゴ”って言われるものだ。わしにだって、昔は足があったんだ。だが、兵士として戦いに参加したとき、両足を失ってな。その代わり、敵の大将の首はもらってやった。それ以来、わしは台車で移動するようになったんだ。この台車は特製でな、普通の人の歩く速さよりも速く動けるんだ。ジパングがショウワと呼ばれていた頃、両足のないメリケン出身の少年がスケートボードに乗って移動するシーンが印象的な映画があったと聞くが、わしもその少年に似ているかも……って、わしの話はどうでも良かったな。で、お前さん、マダム・スターから何か情報をつかんだのかね?」
私は、マダム・スターから聞いたこと、そしてブラスについて何か知っていることはないかを尋ねた。
「大したこたぁ知らねえが、奴ぁ大物の商人で、フィールド門の近くに屋敷があるってぇこった。事務所はだなぁ、商人ギルドの中だぁ。この程度の情報じゃ役に立たんが、ないよりはましだろうてなぁ。」
「役に立たないどころか、大事な情報ですよ、バーゴさん。ありがとうございます。」
こういうときは、情報料を払うのが筋だろう。私はお礼として金貨1枚を出した。バーゴは一瞬驚いたが、金貨を受け取ると、すぐさま上着の内側にねじ込んだ。河村たかしのような、歯でかじるといった下品かつ下劣なことはしなかった。
「まあ、頑張りな、若いのぉ! お返しに、ちっとばかし役に立つモンをやろう。」
そう言って、彼はロープと鉤爪を引っ張り出し、にやりと笑った。
「こいつを持っていきなぁ。前に見つけたんだが、こいつは今のわしには何の役にも立ちゃしねえ。だが、お前さんなら使いこなせるだろう。お前さんに幸運があらんことを。」
運点に1点を加える(ですが、……)。このロープと鉤爪は、特段の事情がない限り“壁登り”の特殊技能に相当する。私は、新たな特殊技能を身につけた。今後も新たな特殊技能を身につけることがあるだろう。これは、バックパックに入れる品物1つ分に相当する。
「お前さんが試験に受かることを願っているよ。この年になって、わしの楽しみが一つ増えるとはなぁ!」
そう言って、バーゴは路地の暗がりへ去って行った。
行く場所はあと一つ残っている。“ネズミとイタチ亭”だ。本来ならばここへ最初に足を踏み入れるべきだっただろうが、マダム・スターを優先させた関係で最後になった。取り敢えず、入るとしよう。
(各ステータスです。もう一度クリックすると閉じます。)
〔STATUS(現在の値/原点)〕
※ 変化があったものは赤い太字
技術点 ……… 8/8
体力点 ……… 19/19
運点 ………… 11/11
金貨 ………… 2
食料* ……… 10
飲み薬** …… ツキ薬
バックパックに入れる品物
…… 1.食料*、2.飲み薬**、3.ロープと鉤爪(壁登り)、4.(空)、5.(空)、6.(空)
その他の品物
…… 短剣1本、革の上着とすねあて、携帯用ランプ1つ、松明1本、火口箱1つ
特殊技能 …… すり、感知、目利き、壁登り
ノート ……… マダム・スターのヒント(289)
(Save Number:234→309)
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2025/09/17
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