甦る妖術使い(プレイ日記)


【第1回】 失われた湖を求めて

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 … 12/12
 体力点 … 16/16
 運点 … 12/12
 メモ … なし
 宝物 … なし
 手に入れた物 … なし

〔1〜〕
 剣を手にした不死の魔物どもが迫ってくる。不死の名に恥じず、倒しても倒してもすぐに甦る。こちらの防禦の隙をつかれ、不死の魔物どもがまさに斬りかかってきた次の瞬間、私は謎の手に肩をつかまれ、どこかへ引かれていく……。
「いつまで寝ておる! もう夜明けじゃ!」
 気がつくと、ヤズトロモに肩を揺り動かされていた。そうか、あれは夢だったのか……。それにしてもひどい夢だった。
「全く、寝言で何度も叫びおって。お蔭でわしの目が覚めたわ。さっさと出発の準備をせい。」
 そういう彼の声もまだ眠たげである。慌てて身支度を整えて、外に出る。既に馬の用意がしてあった。私は馬に跨る。危険が迫っているにも関わらず、ヤズトロモはいつもながらの陽気な微笑みを浮かべてこちらに歩み寄り、小さなガラス瓶を渡す。
治療の薬じゃよ。5口分入っておる(一口飲むごとに体力点が4点回復する)。失われた湖までの道のりは大変じゃろうが、お主をいつでも見守っておるぞ。」
 ヤズトロモはそう言って私を見送ってくれた。(管理人注:訳書には特に記載がありませんが、この冒険における回復関連の道具類は全て「落ち着いて使える」場面に限り使えるものとします。つまり、戦闘中は治療の薬を飲めないものとします。)

 東方の月岩山地へ旅立った私は、昼過ぎには地平線が北から南まで一面山に囲まれ、いったいどこを探したら湖に行き当たるのかと途方に暮れてしまう。夕暮れ前には逆風平原をチャリスに向かって流れるシルバー川の源にたどり着く。私は、川のほとりで野宿することに決める。暖を取り、夜の闇に蠢く物どもを追い払うために焚火を熾す。そのまま夜は何事もなく過ぎ去り、私は空腹を覚えながら目ざめる。荷物からパンとチーズを取り出して食べる。ここで食料を1食分減ら……って、食料の数値がないぞ! ということは、この冒険は食料による体力点の回復は見込めないということか。かなり厳しい冒険になりそうだ。この予感が外れればよいのだが……。
 気を取り直し、更に先へ進むために馬に跨る。川を渡り、東の山に進むか、それとも、そのまま川沿いに北の山に向かって進むか。ここで無理に川を渡ることもないだろう。そのまま川沿いに北の山に進んでいくことしよう。
 私はうねる川に沿って着実に山を登っていく。一時間ほどすると、地面が非常にぬかるんできて、馬はなかなか前へ進み続けることができなくなる。川のこのあたりはよく氾濫し、谷を洪水にするようだ。ふと、目についた立札を読んでみる。
“今なら東の山へコース変更もできます。⇒”
 って、ちょっと待て。そんなに私に川を渡らせたいか? 何だかここで安易にコース変更をすると、後々手詰まりになりそうな予感がする。検定や入学試験などでも「迷ったら、最初に書いた解答にせよ」という格言(?)がある。この格言(?)通り、このまま北に進み続けることにする。
 北へ進んでいると、前方の高くて湿った草の中で何かが動いているのに気づいた。大きな羽音がする。何だろう……と、その途端、そこから6匹の斑の蠅が空中に飛び上がった。よく見ると、その口には銛のような棘がついている。これがアランシアの危険生物の1つであるモリバエか……。だが、驚くべき点はそれだけではなかった。

「でかっ!!」

 遠くからでもよく見えた理由がよくわかった。大きさが鳩くらいなのだ! 更に恐るべきことは、モリバエたちがこちらに向かって棘を発射したことだ。羽音が聞こえてから棘を発射するまでわずか5秒、これでは棘を全部躱すことなど不可能だ。ここでをする。出た目は…
 突然、体の4か所に激痛が走った。直感でわかった。モリバエの棘が4本命中したのだ。強い毒が素早く回り、四肢が強張(こわば)ってくるのを感じる。体力点6技術点2を失う。意識が遠くなりそうだが、こんなところで意識を失ったら二度と意識を取り戻せなくなってしまう。私は懸命にモリバエに立ち向かった。棘のあったところが空洞になっている。どうやらあの棘は一度に1本しか生えず、再生するのには時間がかかるのだろう。唯一の武器を失ったモリバエにはもう私を攻撃する手段はないが、メスのモリバエが卵を産みつけようと、私の刺し傷めがけて飛んでくる。反射的に剣を振り回してモリバエを追い払う。恐怖が力を貸し、そのうち1匹を殺す。やったぞ。残りのモリバエどもは仲間を殺されたことに怖れをなしたのか、逃げていった。こちらも早く沼地を抜け出そうと、馬に鞭をくれる。
 やがて馬は沼地を抜け出した。馬の手綱を引いて速度を落とす。仲間のモリバエもここまでは追って来ないだろう。安全を確認するや否や、私は毒を打ち消すためにヤズトロモからもらった治療薬を1口分飲む。そして体に刺さった棘を4本とも抜き捨てる。すぐに気分が良くなってきたが、これは毒がなくなったためであり、各点数は回復しない。危なかった……あと1本多く刺さっていたら、私は意識を失って沼地に転落していたことだろう。麻痺して動けない私の体にモリバエの卵を産みつけられたら、文字通り蛆虫に喰い尽くされて……想像するだに悍(おぞ)ましい…………。
 沼を抜け出して安心した私は川をたどり、丘の中へと進み続ける。ふと思う。本当に格言(?)は正しかったのか。素直に川を渡った方が良かったのではないか。そんな不安が頭をよぎった……。
 第1回からもうボロボロです。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 … 10/12
 体力点 … 10/16
 運点 … 12/12
 メモ … なし
 宝物 … なし
 手に入れた物 … ヤズトロモの治療薬(体力点+4、4口分)
 (Save Number:388→185)

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2017/06/02


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