ナイトメア キャッスル(プレイ日記)


【初期設定と背景】

 私の名はALADDIN(アラジン)。祖国ジパングでは『批判屋』としても知られる。今回は、ナイトメア キャッスル(Nightmare Castle)という、文字通り“悪夢の城”を冒険することになった。他の冒険とは異なり、この冒険ではいきなり捕虜の状態から始まる。FF21巻『迷宮探険競技』においても捕虜からのスタートとなるが、『迷宮探険競技』においては主人公が予めガレー船(奴隷船)の捕虜からスタートするので、ある程度の心の準備は出来ているという状態だ。しかし、この冒険においては、何の前触れもなく囚われの身となり、しかも両手を後ろに縛られている状態からのスタートとなる。それを加味して、この冒険では“意志力点”という言わば心の運点にあたる数値が設定されている。“意志力だめし”はなるべく行いたくはない。というのも、意志力点が6点以下のときに凶と出ると……この先は言わないでおこう。言うだけでもおぞましい結末が待っているからだ。さて、各能力値を設定してみよう。

 技術点 … サイコロを振って出た目は4。従って、原技術点は10。
 体力点 … サイコロ2個を振って出た目は6と6で12。従って、原体力点は24。
 運点 … サイコロを振って出た目は6。従って、原運点は12。
 意志力点 … サイコロを振って出た目は5。従って、原意志力点は11。

 これはかなり能力値に恵まれただろう。だからと言って、この冒険が平坦で安泰かというと無論その保障はない。
 この冒険、原書または訳書通りの描写だと、私自身書いていて恐ろしくなりそうな気がしてならない。そこで、グレイルクエストシリーズの“ブレナン節”を心がけた描写をすることにしたい。この運点とこの意志力点ならば、おぞましい描写にならないとは思うが、一応念のため。


〔背景〕

 捕まってしまった! 網にからめとられた体は宙に浮いたまま身動きもできない。君は自分の軽率さを罵らずにはいられなかった。

 安らぎと人里の平穏がなんと恋しかったことか! 屋根の下の安穏を夢見たばかりにこのような苦境におちいってしまったのだ。だがいかなる勇敢な冒険者とて荒野の戦闘に疲れはて、柔らかい寝床に憧れることだってありえるのである。疲れた体を引きずるようにして最後の丘を登り、午後の光のさんさんと降りそそぐ眼下のニューバーグを見おろす君の頭にはまさにそのことしかなかった。
 ニューバーグは君にとってなじみの深い土地である。さほど広くはないが、平和で豊かな場所だ。ニューバーグ城塞の黒い胸壁が小さな町を威嚇するかのようにそびえたっている。だがニューバーグの太守、トールダー男爵とは古くからの友人である。それも単なる友人というだけでなく、生死を共にした戦友同士でもあった。二人は名高いヘルム・ヒルの戦闘でくつわを並べて戦った仲であり、事実この戦いによって草原地帯に住む南国人たちの侵入はくい止められたのである。だが、かつての戦友との再会に胸ふくらませていた君はむざむざと南国人らの手中に落ちたのだ。
 つらい山の下りもようやく終わりにさしかかり、ニューバーグの屋根並みを見おろす君の頭にはもはや腹いっぱい食事をすることしかなく、うっかり危険信号を見落としてしまったのだ。道のかたわらの茂みがかすかに揺れた――だが、それは丘を一陣の風がなではらった時間より明らかにあとのことだった。ぽつんと一本離れた木に近づいたとたん、鳥が鳴きはじめた。その鳴き声がこれまで聴いた唄のどれにも似ていないということにすぐ気づくべきだったのだ。これが他の時だったら君はかならず頭上に垂れ下がる大きな枝の下で足を止め、まわりを見まわしたことだろう。なぜならそこは罠をかけるにはあまりにもおあつらえむきの場所だからである。
 突然、君の足元がくずれ落ちた。聴きなじみのない言葉が口々に叫ばれる。必死で逃れようとするが、身動きすることすらままならない。君はいま真っ暗な穴の中にいる。体を支えるロープがぎゅっと絞めつけられた。君の体はじょじょに引き上げられ、白昼の光のもとにさらけだされた。枝から吊り下げられた網のなかに捕えられ、そのまわりをローブをはためかせた剣士たちが囲んでいた。ゆっくり回転する君の体を、ぎらつく目やきらめく切っ先が取り囲んだ。眼下のニューバーグ城塞がちらりと見えたかと思う間もなく、とてつもなく重い衝撃が君の後頭部を襲った。苦痛――目の前でぱっと閃光が炸裂し、つぎの瞬間君はまったく意識を失った。


さあ、ページをめくりたまえ

2023/09/13


直前のページに戻る

『ナイトメア キャッスル』のトップに戻る

ゲームブックプレイ録のトップに戻る

トップに戻る


(C)批判屋 管理人の許可なく本ホームページの内容を転載及び複写することを禁じます。