死神の首飾り(プレイ日記)


【第20回】 ホッグメン一族の助力

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
 体力点 ……… 18/19
 運点 ………… 11/11
 金貨 …… 14
 宝石 …… 死神の首飾り
 食料 …… 7、黄金のリンゴ
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(剣を用いている場合に限り戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ、困ったときの書、ドラゴン殺しの槍(戦闘時のみ技術点+1)
 メモ ………… 「自然そのものである母なる神よ、我を助けたまえ」

〔328〜〕
 階段を登るにつれて、気温も湿度も上がってくる。先程滝の近くで休息したが、それとは関係なく汗が出てくる。ふと見上げると、60メートル上に崖の庇が見える。突然、石がいくつか頂上から転がってくる。危ない! ここで、DDを行い、技術点と比較する(但し、今回は私の身体能力を問われるので武器や防具によるボーナスは適用されません)。DD6≦12で、成功しました。私はタイミング良く崖に身を寄せる。石は私の前を通り過ぎ、足元の階段に当たって砕ける。この石が自然のものか故意的なものかは分からないが、当面の危機は去った。私は再び階段を登り続ける。
 ついに台地の頂上に到着した。ふと、足が痛み出す。どうやら足を相当酷使していたようだ。草木が熱帯雨林のように生い茂り、汗で湿った服がまつわりつく。真っ赤なインコが鳴いている。その鳴き声に耳を澄まそうと立ち止まったそのとき、牙を持つ猪のような頭を持つ生き物が草木の陰から飛び出してくる。この猪のような生き物はホッグメン(HOG MEN)と呼ばれている。彼らは青みがかった灰色をしていて毛深い。彼らは私の前に立ちはだかり、道を通してくれそうにない。さて、どうしたものか。ここへ来て揉め事を起こすのは得策ではない。ここまで守り通してきた死神の首飾りのことがばれてしまったら大事だ。私は彼らに何の危害も加える気はないことを告げる。だが、ホッグメンは一言も口を利かない。果たして、私の意思が通じたのだろうか。そもそも私の言葉が彼らに通じているのだろうか。判断に苦しむところだ。そこで、私は彼らに食料を分けてあげることにした(食料−1)。ウォードマンの友人の白狼にも通用したんだから、今度もうまくいくに違いない。だが、彼らの反応は悪い意味で私の予想外のものだった。
 突如、ホッグメンは穴を掘りだした。そして、私の差し出した食料をその穴に埋める。そして埋めた食料に手を合わせたのだった。
「ぶーぶー、コレハドウイウコトダ。ワレワレヲブジョクシテイルノカ。ワレラノシンルイノ、ブタヲタベロダト。」
 そうか、狼にあげた食料は豚肉の塩漬けだったのか。気づくのが少し遅かった。猪に豚の肉を食べろとは、共食いもいいところだ。ホッグメンは怒った表情で私に言う。
「オマエ、オレタチトイッショニ、ムラマデコイ。オマエノサバキハ、ほっぐろーどガオキメニナル。ぶーぶー。」
 これは困ったことになった。ホッグンだったら抵抗していたかもしれないが、相手はホッグン、多勢に無勢だ。抵抗しても、無理矢理連れて行かれるだけだろう。仕方なく、私は村まで連行されることになった。幸い、拘束されることや持ち物を奪われることなどはなかった。彼らの村には、細い枝を編んで粘土をその上に塗った上品な建物がいくつかある。そのまわりを深い堀と先の尖った鉄柵が囲んでいる。我々は村を通ってホッグメンの首領であるホッグロードの家らしきところへ行く。家は二階建てで緑色の石でつくられている。側に大きな泥の窪みがある。
「ほっぐろーどサマ、ホウモンキャクヲ、オツレシマシタ。」
「うむ、ご苦労。」
 ホッグロードが彫刻を施された石の玉座に座り、その青みがかった黒い皮膚は小刻みな筋肉の動きで震えている。着ているのは赤いローブで、その首元を琥珀の首飾りで留めている。



「ほう、お前さんが訪問客か。なぜこの台地に来たのだ。こんなところ、何も目的もなしに来るはずがない。聞けば、我々に何か敵意があるとか。我々がお前さんに何をしたというのかね。」
 ホッグロードはホッグメンとは違って、きちんとした言語で問いかけてくる。口調はやや厳しめだが、話が分からない相手ではなさそうだ。
「私は<批判屋>と申す者。敵意などはない。ただ、スターリーチ山にある異界の玄関を探しているだけだ。
 ホッグロードは私の返答にしばし黙り込むが、やがて口を開いた。
「お前さんのその話、もう少し詳しく聞かせてはくれぬか。もしかしたら、お互いにとって利益となるかもしれぬ。」
 ホッグロードの先程の口調が少し和らいでいる。もう話しても良いだろう。私は自分の任務について話した。懐から死神の首飾りを取り出したとき、ホッグメンは恐れおののき、一人残らずホッグロードの家から飛び出してしまった。ホッグロードも緊張した面持ちで死神の首飾りを見ていたが、私が死神の首飾りを懐にしまうと、再び口を開いた。
「<批判屋>殿、貴殿の任務は承知した。貴殿が私達を救ってくれる可能性は十分にある。我々も貴殿の手助けをしたい。」
 ホッグロードの口調がいつの間にか変わっていた。ホッグロードは語り出す。
「古代から生きているレッドドラゴンの棲家がスターリーチ山にある。レッドドラゴンは異界の玄関を守る玄関番なのだ。私の祖先が生まれる頃よりもはるか昔の話だが、あのドラゴンが目を覚ましこの村を焼き尽くしたことがあると伝えられている。レッドドラゴンの吐く炎には誰も耐えることはできない。レッドドラゴンの炎から身を守る方法は唯一つ、ドラゴンそのものから剥がれた鱗で身を守ることだ。貴殿はレッドドラゴンの棲家に忍び込み、鱗を手に入れて、それで盾を造る必要がある。貴殿の体ならば、鱗は三枚ほどあれば十分だろう。レッドドラゴンの鱗を三枚手に入れたら、琥珀色の松脂(まつやに)で鱗を貼り合わせ、盾を造るのだ。この瓢箪の中に松脂が入っている。」
 そう言って、ホッグロードは琥珀色の松脂の入った瓢箪を私にくれた。
「ありがとうございます。」
「礼には及ばぬ。話はこれで終わりだ。では、訪問客の歓迎会を開こうかの。」
 ホッグロードは手を叩く。それまで外にいたホッグメンが中に入ってくる。各々の手にはマンゴ、ナッツ、グアバなどがあった。
 私は、ホッグメンの用意してくれた食事をとる(体力点+2)。楽しい時はすぐに過ぎ去り、ついに別れのときが来た。
「<批判屋>殿、オーブの平定は貴殿の手にかかっている。よろしく頼みましたぞ。」
「ホッグロード、それからホッグメン、お世話になりました。必ずや死神の首飾りをオーブの世界から追放して見せます。」
 私はホッグメンに別れを告げ、村を出る。そして、再び階段を登っていく。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
 体力点 ……… 19/19
 運点 ………… 11/11
 金貨 …… 14
 宝石 …… 死神の首飾り
 食料 …… 6、黄金のリンゴ
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(剣を用いている場合に限り戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ、困ったときの書、ドラゴン殺しの槍(戦闘時のみ技術点+1)、琥珀色の松脂の入った瓢箪
 メモ ………… 「自然そのものである母なる神よ、我を助けたまえ」
 (Save Number:110)

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2025/01/13


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