死神の首飾り(プレイ日記)


【第17回】 スターリーチへの道のり

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
 体力点 ……… 16/19
 運点 ………… 11/11
 金貨 …… 14
 宝石 …… 死神の首飾り
 食料 …… 8、黄金のリンゴ
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ、困ったときの書
 メモ ………… 「自然そのものである母なる神よ、我を助けたまえ」

〔8〜〕
 グレイギルドを出た私は、取り敢えず雨露凌ぐ場所を探す。母なる神の女性兵士に“追放”された頃には既に夜になっていた。どこかで寝る場所を確保したい。岩陰にちょうど干し草の山があった。ここなら大丈夫だろう。明け方になり、目覚めると幾分か疲れが取れている(体力点+2)。ここで、グレイギルドで得た情報を整理しよう。アポテカスやリランサのお蔭で無事にグレイギルドを脱出した私は、ディオドラスと母なる神の言葉を思い出す。
 〜〜死神の首飾りを取り戻したら、グレイギルドを出て南東に歩き、グレートプラトーと呼ばれる台地まで行きなさい。その台地にある一番高い山、スターリーチ山の頂上に異世界への玄関があるはずだ。〜〜
 〜〜(南東の方角を見ながら)あれがスターリーチ山、あなたの目的地です。あの頂上にあなたの世界に戻る異界の玄関があるのですよ。〜〜
 そして、私の手元にはディオドラスが描いてくれた詳細な地図がある。レイワのジパングで“ぐーぐるまっぷ”とかいう地図があると聞くが、そういった地図も、ディオドラスのような地理学者が開拓してこその恩恵と言えるだろう。かつてジパングにも伊能忠敬という人物がエドと呼ばれる時代にジパング全体の地図を作ったと聞く。現代の便利な利器は、先人達の恩恵によって成り立っていることを忘れてはならない。
 話がそれてしまった。さて、グレートプラトーへはどのように行こう? 無論南東へ進むのだが、荒野をまっすぐ南東へ向かう道を行くこともできるし、古くからある隊商の道沿いに南へ行ってから東へ曲がる行き方もある。あるいは、ヒースの野を東に向かい、丘にぶつかってから南へ行く手もある。どれを選んでも大差はないように思うが、ここはカンで……。
 私は南へ行ってから東へ行くことにした。隊商が通っているということは、それだけ安全な道あるいはまだましな道ということだろう。
 人里離れてどんどん歩いて行くと、土砂降りの雨になって、道が泥だらけの沼のようになる。雨水で体を洗うことができるから、悪いことばかりではない。午後になり、私は隊商の道をそれて、荒野を東へ横切る。再び夜が訪れる。私はキャンプを張り、濡れた服を乾かして眠りに就く。

 白い衣に身を包んだ女性がいる。そしてその白い衣は女性の血で赤く染まっている。この女性、どこかで見たことがあるぞ。それに、ここはキャンプではない。私が状況を把握しようとしていると、彼女は谷間の淵に立ち、吹き荒(すさ)ぶ風に髪を靡(なび)かせ、私について来るよう合図を送る。そして彼女は後ろを向くと、荒れはてた谷へと降りて行くのだ。私は何気なく彼女について行く。
「<ひ〜はん〜や>ーーーっ! このホーカナを忘れたとは言わせぬぞぉぉぉ!!」
 ホーカナ……って、フェル=キリンラの寺院の巫女頭ではないか! 確か、ホーカナは私が斃したはず。
「そうとも〜、お前を〜〜私のぉ〜、道連れにしてやるぅぅぅぅ……」
 そうか、ここは死者の谷間。ホーカナは私を死者の谷間に連れ込もうとしているのだ。咄嗟の出来事に、私は恐怖で足が竦(すく)んで動くことができない……

 目が覚めた。辺りを見回すと、キャンプだった。夜が明けていて、服もすっかり乾いていた。あれは夢だったのか。だが、夢にしてはかなりの現実感があった。夢の中だから助かったのか、朝が来たから助かったのか、その両方か、或いは他の理由かは分からない。とにかく助かった。だが、疲れは全く取れておらず、むしろ棘々しい気分だった(体力点−2)。
 こんな夢を見たのも、恐らくは死神の首飾りが原因であろう。首飾りさえ捨てればこんな悪夢を見なくて済むはずだが、それはできない相談だ。今の私はスターリーチ山の麓にあるグレートプラトー台地まで行くこと。まずはそれからだ。
 私は鬱陶しい灰色の空の下、旅を続ける。首飾りがどんどん重くなってくるように思える。まるで首に石臼をぶら下げているようだ。やっと前方に高原が見え、グレートプラトーに近づいてきたことを実感する。だが、私の昂った神経は休まらない。夕闇が近づいてきたので、私は再びキャンプを張る。夜の帳が私を包む。どうせ今夜もホーカナの夢を見るのだろう。一晩中起きていたいところだが、これでは私の神経が先にまいってしまうだろう。そうだ、目だけ瞑ればいいんだ。それだけでも休まるはずだ。しかし、私の疲れはそれを許してはくれなかった。すぐに眠りこけ、再び夢の世界へ入る。ff28巻『恐怖の幻影』にも出てきた夢と現実の行き来のようなものか。尤も、それに似ていようが似ていまいが、今置かれている状況に変わりはない。



 またもやホーカナが現われやがった。昨夜と同様私に手招きをしている。このくされアマと私を隔てているのは時間でもなく単なる空間でもない。こんなくされアマに引き寄せられてたまるか。だが、現実にそうなっている。自分の身の回りの全てのものが靄にかかったようだ。いつの間にか私は死者の谷間の淵に立たされている。ええい、とっとと死者の谷間へ逝きやがれ! ホーカナの亡霊と決着をつける。
 〔ホーカナの亡霊〕 技術点 10   体力点 12
 〔批判屋〕     技術点 14   体力点 16

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔ホーカナの亡霊〕10+13 < 24=14+10〔批判屋〕○ ⇒ 〔ホーカナの亡霊〕体力点−2=10
[2R] ○〔ホーカナの亡霊〕10+19 > 17=14+〔批判屋〕× ⇒ 〔批判屋〕体力点−2=14

「<批判屋>、お前も私と一緒に死者の谷間に来るがよい。」
 冗談じゃない。それは死神の首飾りを死神に渡すことになる。

[3R] ○〔ホーカナの亡霊〕10+1020 > 16=14+〔批判屋〕× ⇒ 〔批判屋〕体力点−2=12
[4R] △〔ホーカナの亡霊〕10+19 = 19=14+〔批判屋〕△
[5R] ×〔ホーカナの亡霊〕10+17 < 21=14+〔批判屋〕○ ⇒ 〔ホーカナの亡霊〕体力点−2=8
[6R] ×〔ホーカナの亡霊〕10+17 < 22=14+〔批判屋〕○ ⇒ 〔ホーカナの亡霊〕体力点−2=6
[7R] ×〔ホーカナの亡霊〕10+19 < 20=14+〔批判屋〕○ ⇒ 〔ホーカナの亡霊〕体力点−2=4
[8R] ×〔ホーカナの亡霊〕10+16 < 21=14+〔批判屋〕○ ⇒ 〔ホーカナの亡霊〕体力点−2=2
[9R] ×〔ホーカナの亡霊〕10+19 < 21=14+〔批判屋〕○ ⇒ 〔ホーカナの亡霊〕体力点−2=0
 2R〜4Rではホーカナの亡霊に圧倒されかけたが、何とかホーカナの亡霊を打ち滅ぼすことができた。私は再び眠りに就く。
 ハッと目を覚ますと、朝だった。死者の谷間で戦って受けた傷は跡形もない(体力点+4)。心なしか死神の首飾りも軽くなった気がする。グレートプラトーへ急ごう。
 南の方角に紫色の霞がかった山々が近くなってきた。眼前には台地がある。これがグレートプラトーか。この台地を登った先にスターリーチがあるのだ。私はグレートプラトーの台地の上部を見ようと、空を見上げる。



 何だ、あの巨大な鳥は。嘴一つだけでも私より大きいではないか。あの鳥はタイタンの書物で見たことがある。確か……ロック鳥だったっけ。ここで私は三つの選択を思いついた。立ったまま戦うか、跪(ひざま)いて戦うか、あるいはうつ伏せになるか。立ったまま戦うことはそれだけでこちらの不利になるだろう。母なる神の使いである巨大な白鷲に、いきなり背中を鉤爪でつかまれたときのことを思い出せば、これが如何に不利かが分かるというものだ。かと言って、うつ伏せになると他の地上の敵が分からなくなってしまう。ここは中間策を取って、跪いて戦うことにしよう。
 私が跪いたことにより、ロック鳥から見て私の大きさが若干小さくなった。遠近法の効果だ。ふと、ロック鳥が再び空に舞い上がる。旋回し、物凄い風の音とともに、野生の馬を摘み上げたのだ。あんな大きな馬を摘み上げるとは……。あのロック鳥と戦うくらいならばテュチェフやホーカナの方がまだましだったかもしれない。馬には大変申し訳ないが、幸運に感謝しながら、私は台地への道を急ぐ。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
 体力点 ……… 16/19
 運点 ………… 11/11
 金貨 …… 14
 宝石 …… 死神の首飾り
 食料 …… 8、黄金のリンゴ
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ、困ったときの書
 メモ ………… 「自然そのものである母なる神よ、我を助けたまえ」
 (Save Number:27→20)

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2024/12/22


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