死神の首飾り(プレイ日記)


【第15回】 アナーキルの狂信者再び

〔STATUS(現在の値/原点)
 技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
 体力点 ……… 19/19
 運点 ………… 11/11
 金貨 …… 14
 宝石 …… 死神の首飾り
 食料 …… 8、黄金のリンゴ
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ、困ったときの書
 メモ ………… 「自然そのものである母なる神よ、我を助けたまえ」

〔235〜〕
 町を出るとは言っても、ここはグレイギルドの中心部に近いから、町を出るまでにある程度の時間はかかる。酒場レッドドラゴンや盗賊組合の間では私は相当有名人になっていることだろう。いつ何時襲われるか分からないから、用心するに越したことはない。そんなことを考えていると、前方に三つの影が現われる。そのうち二つは見覚えのある顔だ。しかも、二度と関わりたくないと思った輩――テュチェフとカサンドラ――だ。そして、三つ目の影は、空中に飛び回るイカのような形をした気味の悪い生き物だ。イカの足の一本がカサンドラの腰に卑猥な形で巻き付いている。
「また会ったね。私の顔に一生消えない置き土産を残した男よ。」
 テュチェフが嘲りと憎しみを込めた声で言う。
「ミン殿下から聞いたのだが、お前さん、成功したそうじゃないか。」
 あのミン殿下ってのは四人組の中でも最も油断できない輩だと思っていたが、よりによってテュチェフに告げ口しやがったか。ブラッドハートが私から首飾りを奪うのに失敗した腹いせか? あるいは、テュチェフがミン殿下を脅して口を割らせた可能性もある。どちらにせよ結果は同じだが。
「おめでとう。私達からも祝福の言葉を贈ろう。」
 それは、自分達にとってめでたいからだろうが。
「お前のような悪党から祝福の言葉など贈られる筋合いはない。」
 これまでならばドナルド・トランプや斎藤元彦のような気違いの如く、すぐさま怒りに任せて襲いかかってきただろう。だが、心理的に優位に立っているのはこっちだ。だからこそ、テュチェフとカサンドラだけでは勝ち目はないと思ってイカのような助っ人を連れてきたと推測できる。テュチェフは私の言葉を無視するように話し続けた。
「安心したまえ。お前さんが危険な目に遭うのもこれでおしまいだから。死神の首飾りは私達がもらってやることになった。さあ、渡してもらおう。」
 馬鹿め、誰が渡すか。この首飾りを手に入れるのにどれだけ苦労したと思っているんだ。私は反射的に剣を抜いた。
「そうか、それじゃあソームとお手合わせしてもらおうか。」
 テュチェフがイカのような生き物を指差す。すると、そのイカの形が崩れ、金の耳飾りをつけ灰色のマントを翻した男に変身する。金の耳飾り……この男、確か盗賊組合へ向かう途中に見かけた手品師……。このソームという手品師はテュチェフ達と仲間の幻術師なのだ。こいつもテュチェフとカサンドラに匹敵するほど邪悪に満ちた表情をしている。そのとき、近くの倉庫の中から醜いトロールが出てくる。



「このハーグに立ち向かえるかな。」
 ハーグと呼ばれたトロールは大きなハンマーを振り上げて私を打とうとしている。このハーグは実物か、それともソームのつくり出した幻なのだろうか。いやいや、こいつは幻でしょうが。もし本物であれば、こんなタイミングで倉庫の中から出ないだろう。主人のソームがイカに化けてカサンドラの腰に巻きついているのに、ソームの手下のトロールは実物だと? おかしな話だ。ということで、何もせず、その場に立っていることにします。ハーグのハンマーが振り下ろされ、私の頭を直撃する寸前にハーグは消滅する。やはりハーグは幻影だったのだ。
「やるじゃないか。それではこれならどうだ。」
 ソームがテュチェフに目配せをする。テュチェフが剣を抜く一方で、ソームがこちらを指差す。その指先から色々な火の玉がこっちに向かって飛んでくる。幻術師は同じ相手に同じ手を二度使わないと聞く。この火は本物だろう。私はテュチェフの方に駆け寄る。火の玉は、私がさっきまでいた場所を直撃し、爆発する。やはりこの火の玉は本物だった。
「チッ、見破りやがったか。」
 ソームが忌々しそうに舌打ちをする。私はソームに対しても優位に立ったようだ。尤も、私もただでは済まなかった。火の玉の熱風が私の体力点を3点奪った。今こそテュチェフどもと鳧(けり)をつけるべきときだ。
 私は再びテュチェフと対峙する。6フィートを超える長剣を軽々と片手で操っているのは前回と同じだ。前回と異なるのは、テュチェフの顔に傷があるせいで前よりも一層怖く見えることだ。まあ、その原因を作った張本人が何を言うかということだが。今年(2024年)の10月にリリースされたソーシャルゲーム「ウィザードリィヴァリアンツ ダフネ」(通称ダフネ)の中ボス戦闘をBGMにして、戦う。
 〔テュチェフ〕  技術点 10   体力点 12
 〔批判屋〕    技術点 14   体力点 16

[戦闘ラウンド(青字DDの値)]

[1R] ×〔テュチェフ〕10+16 < 19=14+〔批判屋〕○ ⇒ 〔テュチェフ〕体力点−2=10
「グァーーーッ!!!」
 私の一撃は、見事テュチェフの右目を切り裂いた。
「テュチェフ!」
 カサンドラとソームがテュチェフに駆け寄る。
「テュチェフ、まずは治療だ。」
 ソームがテュチェフに何か呪(まじな)いのようなものをかける。次の瞬間、テュチェフの姿が見えなくなる。もともと黒い外套のせいでテュチェフの姿は見えにくかったのだが、今は本当に何も見えない。驚いている私にカサンドラが剣で狙いをつけてくる。
「よくも私の顔に傷をつけてくれたな。お前の手足を一本ずつ切り刻んでやる!」
 憎しみを込めて言うカサンドラの頬にも傷があった。そう言えばカサンドラの顔にも傷を負わせたんだっけ。やった方は忘れ、やられた方は覚えている。カサンドラの攻撃を防いでいる最中、テュチェフが私の背後に現れ、剣を振りかざす。そしてまた、ソームがもぞもぞ動く。また火の玉か? だとしたらひとたまりもない。さっきでさえ完全には避け切れなかった火の玉なのに、テュチェフとカサンドラに気を取られている状態では直撃は免れないであろう。現にテュチェフは片目を失う前よりも強くなっている気がする。八方塞がりとまではいかずとも、三方塞がりは確実で、まさに絶体絶命の窮地だ。もはやこれまでか……。

〔STATUS(現在の値/原点)
 ※ 変化があったものは赤い太字
 技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
 体力点 ……… 16/19
 運点 ………… 11/11
 金貨 …… 14
 宝石 …… 死神の首飾り
 食料 …… 8、黄金のリンゴ
 飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
 装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ、困ったときの書
 メモ ………… 「自然そのものである母なる神よ、我を助けたまえ」
 (Save Number:301)

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2024/12/15


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