死神の首飾り(プレイ日記)
【第8回】 酒場レッドドラゴン
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
体力点 ……… 19/19
運点 ………… 11/11
金貨 …… 15
宝石 ……
死神の首飾り
食料 …… 8、黄金のリンゴ、
飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ
〔57〜〕
セブンスィンストリートに続く裏道を歩いていると、青いトーガを着た二人の学生に押されそうになる。
「あのときお前があんなことをしたから失敗したんだよ!」
「何だと! お前がやろうと言い出したんじゃねえか!」
どうやら他愛のない喧嘩のようだが、その喧嘩のさなかに二人のどちらかのポケットから真鍮でできた小さな虎のお守りを落としたようだ。何か大切なものかもしれない。私は遠慮がちに声をかけてみることにする。
「あのう、お話し中すみませんが、これを落としましたよ。」
私は二人にお守りを見せる。
「あ、それは私の……です。ありがとうございます。」
私は
お守りを返す
。二人とも、さっきまで殴り合いの喧嘩になりそうだったのが嘘のようだ。私が喧嘩を治めたことはオーブの二人の神が見ており、こっそりと私の
運点を1点
増やしていた
(原点数……)
。ほどなくして、再び怒号が聞こえてきた。また喧嘩をしているのか? 今度はお守りも落としていないし、喧嘩の仲裁をする口実は作れない。私はそのままレッドドラゴンへの道を急ぐ。
酒場レッドドラゴンはセブンスィンストリートのど真ん中にあった。地下に続く階段があり、もうもうと立ち込める煙で薄暗くなっている地下室からしわがれた笑い声が響いてくる。私は中に入り、この酒場で唯一光があって物が見える場所まで歩く。テーブルや丸椅子を通り抜けてカウンターまでたどり着く。
カウンター越しにいるのは、この酒場の主人らしい太った男と、頭巾をかぶった老人だ。ふと、
青年たちに返した真鍮のお守り
を思い出す。あのお守りを持っていると、誰にでも喧嘩を売ってしまうのではないのだろうか。だとすると、きちんと返したのは賢明だった。こんな危険な場所で誰彼構わず喧嘩なんか売っていたら命がいくつあっても足りないだろう。真鍮のお守りのことは忘れて、取り敢えず、何かアルコール類を注文しよう。ここは一応酒場だからな。私は主人にビール1杯を注文する。彼がビールを注いでいる間に、暗さに目が慣れたので辺りを見回す。何という人相だ。どれもこれも悪党ヅラばかりだ。
「
金貨1枚
いただきます。」
私は主人に支払いをする。私が財布を懐にしまうと、12の目がじっとこちらを見つめていることに気づく。この酒場では明らかに新顔の私に興味が湧かないわけはないだろうだからな。財布を見ていないのは、主人と頭巾をかぶった老人だけだ。まずは
老人に聞いてみる
ことにしよう。
「こんにちは。」
「お前さん、この酒場は危険な場所だ。気をつけなされ。」
歯のない老人はそれだけつぶやくと、恐る恐る私から離れていく。私は盗賊どもに目をつけられているのだろうか。私は
カウンターに戻り
、主人と話をする。
「お前さん、うちの店の常連とは違うね。最近じゃ、悪い奴がどんどんここに来る。こいつらはね、パンの耳一つでも手に入れるためなら人殺しを平気でする連中なんだ。」
まあね、ここがこういう場所だというのは何となく想像はついていた。でも、主人はどうやって
この酒場を経営しているのだろう
。それが気になる。
「わしはね、何とかやっているだけさ。そうだ、だいぶ前のことになるが、こんな風になってしまったそのきっかけの出来事を、まだ覚えているよ。以前、鉄腕ハイムドルと呼ばれていた常連がいてな、そのハイムドルはビールをがぶ飲みにくる力自慢の男達の一人だった。ある日、テュチェフという名の旅人が、ハイムドルと腕相撲で力比べをしようとの申し出に応じた。ハイムドルはこのとき、人生で初めて力比べで敗北したのだ。彼は怒り狂い、テュチェフが戻ったら仕返しをしてやると公言していたのだ。数日後、そのテュチェフが戻ってきた。争いは当然避けられず、結局勝ったのはテュチェフだった。テュチェフはハイムドルとその配下の者を全員殺し、テュチェフは勝利の証としてハイムドルの額に自分の頭文字を彫り込んだ。彼は狂気と混乱の神であるアナーキルの崇拝者で、ここにいるのがみんな盗賊や殺し屋たちなのにも関わらず、それ以来誰も彼に喧嘩を売ろうとしないのだ。」
アナーキル、確か図書館で読んだことがあるぞ。そのテュチェフってのがのさばっているのも、死神の首飾りと関係あるのかもしれない。さて、聞きやすい人からは全て聞いてしまった。いよいよ本題だ。私は盗賊達のテーブルに歩み寄る。
「私は<批判屋>という。以後、お見知りおきを。」
だが、誰も返事しない。ここで怒ったら負けだ。
「おい、聞いているのか。少し話をしたいのだが。」
と、顎から耳にかけて傷痕のある男が素早く振り向く。
「俺の名はスカーフェイス。俺達は無法者だ。お前さん、気をつけるんだな。目にもとまらぬ早業で殺すことだってできるんだぜ。」
スカーフェイスと名乗った男は、こちらをじろっと睨みつけ、唸るような声で言った。目にもとまらぬ早業って、ジパングの少年忍者みたいじゃないか。思わず笑ってしまった。
「何がおかしい。」
スカーフェイスは苛立つような声で言う。彼の言っていることが本当か嘘かは分からないが、今スカーフェイスと戦ったらここにいる仲間が黙っていないだろう。ここは穏便に事を運びたい。スカーフェイスにうまく話を切り出せればよいが、どう話そう? 単刀直入に盗賊組合の行き方を聞いても良いが、奴らが盗賊組合のことを形式的には「内密」にしている可能性もある。ここは少し鎌をかけてみよう。
「いやいや、こっちのことだ。それよりも、今私には
やりかけの仕事があるんだが、私一人ではできそうにないんだ。手助けをしてくれないかな。
」
「何、やりかけの仕事だと。それは何だ。」
「話すと長くなるから、別の場所でゆっくり説明したい。もし助けてくれたらかなりの儲けになるんだが。」
「面白そうだな。その話乗った。こいつは俺の奢りだ。座って一緒にビールでも飲もうや。」
そう言って、スカーフェイスは私を席に招いた。私はスカーフェイス達と一緒の席に座る。
「ああ、ありがとう。ところで、私はどこに行けばいいか?」
「そうだな、明日の昼間にホーンビームロードにある
ニセの石炭投げ入れ口
を通って来てくれ。そこが盗賊組合の入口だ。」
「了解。」
取り敢えず、交渉成立だ。盗賊とも打ち解けてきたようだし、そろそろここを出ることにしよう。
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
※ 変化があったものは
赤い太字
技術点 ……… 12(+2)/12 (戦闘時のみ)
体力点 ……… 19/19
運点 ………… 11/11
金貨 ……
14
宝石 ……
死神の首飾り
食料 …… 8、黄金のリンゴ
飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)、剣術の指輪(戦闘時のみ技術点+1)、陶製のバラ
(Save Number:246→169)
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2024/10/28
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