死神の首飾り(プレイ日記)
【第5回】 “グレイギルド”という町
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
技術点 ……… 12/12
体力点 ……… 19/19
運点 ………… 11/11
金貨 …… 10
宝石 …… 死神の首飾り
食料 …… 8、黄金のリンゴ
飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本
〔296〜〕
私は、ムーアゲートという通りに沿って町を歩いている。私はこの町については何も知らない。ただ、地球へ戻る手掛かりがあるという理由だけで来たのだ。建物の多くが大きく、明るい灰色をした石で作られている。どの通りも、買い物をしている人々や書物と巻物を持って歩く男女でごった返している。やがて、道は左へ分岐する。まっすぐに進む道はストアストリート、左へ曲がる道はスミスストリートというらしい。今のところはこのまままっすぐ
ストアストリート
を進むことにしよう。
ストアストリートは買い物客でごった返しているが、緑色のローブを纏った女性がこちらを見ていることに気づく。まっすぐな髪は短く切られ、装飾品を身につけている。彼女は通りを横断し、こちらに近づいてくる。
「どうやら、あなたはこの町は初めてのようですが、一体どういう御方で、どこからいらしたのですか。」
そういう彼女の声は低いがはっきりとしていて丁寧だ。例の女兵士どもの仲間ではないようなので、もう「聞こえない」ふりをする必要はないだろう。私は正直に答える。
「実は、私はある使命を持って、
荒れ野を横断
してまいりました。」
「まあ、荒れ野を横断してきたですって? それなら、私が今着ているものと同じ緑色のローブを纏った男に出会ったはずです。その男は樫の木の杖を持ち、頭にはヤドリギの冠を戴いているはずです。その男は、名前をあなたに告げたと思いますが。」
そう言えば、そんなこともあったなあ。
「あの、あなたが仰るその男とは、白い狼を友達と言っていた人ですか? その男は、確か自分を
ウォードマン
と名乗っていた気がします。」
「そうそう、その通りよ。あなたは寺院で歓迎されましょう。私の名はリランサ。生命の泉である母なる神に仕える巫女の一人です。ちょうどお祈りに行く途中なのです。さあ、御一緒にどうぞ。」
そう言ってほほ笑む彼女の声は本当にうれしそうだ。その彼女の笑顔で私の心の緊張が解けた。
「私は<批判屋>と申します。リランサさんの御心遣い、ありがたく存じます。」
少なくとも、私の助けになる人がいるのならば、その人に
ついて行く
方が賢明であろう。私は巫女の後を歩き、小さな野原へ出る。野原の向こう側には、屋根をいくつも持ち素晴らしい空中庭園つきの立派な寺院がある。私達が二人の門番の前を通り過ぎて緑色の幅広い門に来るまで、綺麗な仔馬たちの一団が飛び回って出迎えてくれる。門を開けると中は花で飾られた長方形のホールだ。
「さあ、祈りましょう。」
そう言って彼女は祭壇に跪く。私も彼女に倣う。祭壇には果物や穀物が供えられている。
「生命あるすべてのものに御加護がありますように。」
リランサはそう言って祈りの言葉を捧げる。私もリランサに倣って祈りを捧げる。しばしの沈黙ののち、彼女は私の手を取り、ホールの隅にある小部屋へと導く。部屋の衣装かけに銀の鎖帷子がかかっている。と、リランサが銀の鎖帷子を手に取り、こちらを向く。
「母なる神はあなたの使命について聞き及んでおります。彼女はあなたがこれを受け取ることを願っているのです。これも天命でしょう。さあ、この鎖帷子を。」
私は
銀の鎖帷子
を身につける。驚くほど軽い。間違いなくこれは魔法の鎧だ。
技術点1
を加える(管理人注:武器や防具などによる
技術点
の上昇は
原技術点
とは関係なく上昇するものとしますが、戦闘中に限るものとします。以下同様です)。
「ありがとうございます、リランサさん。」
「どういたしまして。<批判屋>さん、一つ忠告をしておきます。この町の門についてです。これから三日間、市場を開いている日の夕方は、母なる神に従う者達が門番をします。ですから、誰にも知られずにこの町を出たいのであれば、そのときにしてください。」
そうか、そういうことか。私は、この町へ私を運んできた女兵士どものことを思い出した。あの女兵士どもとリランサ達は敵対関係らしいが、町の警護をするという点では同業なのだろう。ジパングの時代劇で言うならば、北町奉行と南町奉行みたいなものか。そんなことを考えていると、リランサの優しい声が聞こえてきた。
「私からも<批判屋>さんを祝福させてください。」
そう言って、リランサは目を閉じて唇と唇を重ねる。その瞬間、時が止まった。時が止まったのは時間にして一分程度だが、永遠に時が止まった感覚がした。やがて、時が再び動き出す。
「<批判屋>さんが天命を全うしますように。」
「あ……ありがとうございます……リランサさん…………」
私はぎこちなくもリランサにお礼の言葉を述べ、おぼつかない足取りでこの平和に満ちた寺院を後にした。そして、人だかりのするストアストリートに戻って来た。
この町もそうそう悪いところではないな。そんなことを思いながらストアストリートを歩く。しかし、このとき私はまだ知らなかった。この町の恐ろしさを……。
〔STATUS
(現在の値/原点)
〕
※ 変化があったものは
赤い太字
技術点 ……… 12
(+1)
/12
(戦闘時のみ)
体力点 ……… 19/19
運点 ………… 11/11
金貨 …… 10
宝石 …… 死神の首飾り
食料 …… 8、黄金のリンゴ、
飲み薬 …… ツキ薬(原運点+1まで回復)
装備明細 …… 剣、革の鎧、ザック、たいまつ5本、
銀の鎖帷子(戦闘時のみ技術点+1)
(Save Number:117→130)
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2024/10/15
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